舞台「
舞台「W3 ワンダースリー」は、1965・1966年に連載され、虫プロダクション制作のもとテレビアニメ版も放送された手塚治虫のSF活劇マンガ「W3」を、
日本の田舎にある小川村に住む星真一はマンガを描くことが好きな少年だった。宇宙にある銀河連盟では、地球の存続について激しい口論が繰り広げられていて、ついに銀河連盟はW3(ワンダースリー)と呼ばれる銀河パトロールのボッコ、プッコ、ノッコを調査員として派遣し、地球の様子を探らせることにするのだが……。
開幕に際し、ウォーリーは「手塚作品で描かれる戦争というものを、今現在を生きる僕らが演劇として表現できるのか考え、“子どもの遊び”のようにこのテーマに向かって行くことに決めました。もちろん芸術的なアプローチも考えていますが、まずは楽しく、お客さんに“考えさせる”のではなく“一緒に考えちゃう”ような仕組みにしたいと考え、導入は子どもの頃にやったなあという遊びや子ども心のようなものを見せてから難しいテーマに飛び込んでいるので、プロジェクションマッピングや人形操演などの要素を通してその過程も楽しんでいただければと思います」とコメント。
星真一役の
ウォーリーと井上のコメント全文、
ウォーリー木下 コメント
7年前から「W3 ワンダースリー」という作品に関わり始め、自分の中で夢のあるモチーフがどんどん浮かんできているので、それを形にする難しさも感じながら高い山の頂上を目指して挑んでいます。初めは何もなかった稽古場から、スタッフの作品と役者の演技が合わさることで、どんどん見たことのない世界が出来上がりつつあります。
舞台「ルーザーヴィル」でご一緒した時に、井上(瑞稀)くんが稽古場で全然しゃべらなかったので、何を考えているんだろう?と興味がわきました。でも、劇場入りしてから声を出すようになった姿を見て、普段あまりしゃべらないけど心の中ではめちゃくちゃいろんなことを考えていて、爆発させる瞬間を劇場までためていたんだな?と感じたので、今回の「W3 ワンダースリー」の星真一という役を考えるときのモチーフになりました。
手塚作品で描かれる戦争というものを、今現在を生きる僕らが演劇として表現できるのか考え、“子どもの遊び”のようにこのテーマに向かって行くことに決めました。もちろん芸術的なアプローチも考えていますが、まずは楽しく、お客さんに“考えさせる”のではなく“一緒に考えちゃう”ような仕組みにしたいと考え、導入は子どもの頃にやったなあという遊びや子ども心のようなものを見
せてから難しいテーマに飛び込んでいるので、プロジェクションマッピングや人形操演などの要素を通してその過程も楽しんでいただければと思います。
井上瑞稀 コメント
僕が演じる星真一は、自分の思っていることや夢を発信することがあまり得意ではないのですが、色々な人との出会いや繋がりを通して真一がどのように成長していくのかというところを楽しんでいただければと思います。今回、原作とはまた違ったアプローチの“現代ならではの問題児”としての真一が描かれているのですが、割と早い段階で「それを演じるなら井上瑞稀がいいんじゃないか」とウォーリーさんが提案してくださったと脚本の福田(響志)さんからお聞きして、僕は令和の問題児キャスティングなんですか!?とずっと気になっていました(笑)。
子どもから大人までそれぞれの受け取り方が出来るだけでなく、そのメッセージがポップに描かれていて、見るのにハードルが高くないことが手塚作品の魅力だと思います。60年前の作品ですが、描かれているのは現代でも変わっていない問題だと思うので、この作品が少しでも地球の未来について考えるきっかけになってほしいです。劇場でお待ちしています。
平間壮一 コメント
稽古場では、成河さんや中村(まこと)さんをはじめとする先輩の姿にすごく感化されました。みんながコロスなど様々な役に挑戦しているのですが、おふたりが率先して、楽しんでそれを引き受けて下さるので楽しく稽古場にいることが出来ました。大人になると「自分にできないことはやりたくない」と頭が固くなってしまいがちですが、おふたりのような姿勢で向き合うことから平和が生まれていくのかなと思いました。井上くんは黙っている姿が座長としてどしっと構えているように見えます(笑)。その寡黙な姿から色々なことを考えながらやっているんだなあということが伝わってきて、これ以上ない座長っぷりを発揮してくれています。子どもから大人まで、全員が楽しめる作品になるといいなと思っていて、もし動物が言葉を理解できる世界があったとして、この世に生きる命あるものすべてがこの作品全体を楽しめるものになるように頑張ります。
永田崇人 コメント
僕が演じる宇宙人のプッコは、はじめは地球のことがあまり好きではなかったけれど、地球について調査する中でいろいろなことに魅了されて救うべきなのか、滅ぼすべきなのか迷う役どころになっています。
みんなでクリエイションする時間がすごくいい時間で、今回のテーマとなっている“戦争をどうやったらなくせるのか”ということに対して、みんなで思いを共有してひとつのものを創り上げるということが平和に一番近いのかなと稽古を通して感じられました。
みんなで一丸となって作っている感覚がある作品で、その空間がすごく居心地が良かったです。
無事完走できるように頑張ります!
松田るか コメント
地球のみなさま、よろしくお願いいたします。宇宙人のボッコと申します。
地球にやってきていろんなものを調査し、地球のすばらしさであったり、人類のもろいけど美しいところを発見していって、地球をどうするのか……という内容です。
稽古では細かく一つずつ作っているので、多くの人に来てほしいと思っています。
反陽子爆弾という大きな爆弾を持って地球にやってくるのですが、そのスイッチのボタンの所在は我々にあるので、多くの方に来ていただけないと、どうなるか……ボタン押しちゃうぞ!となってしまうので、たくさんの方に楽しんでもらえればと思います。
相葉裕樹 コメント
ワンダースリーの3人の中では、おっとりしている役ではあるのですが、バランサー的な役どころでもありまして、時々芯を食った発言をしたりもしています。今回の見どころは、全員一致団結してコロスを演じているので、本役以外にもいろんなところに出演しています。僕自身はコロスを演じるのが初めてなので、こういう作品もあるんだ!とすごく新鮮な気持ちで演じています。ご覧になるお客様もこういう表現の仕方もあるんだ!と初めて観るような作品になると思いますので、ぜひ劇場でお待ちしています。
彩吹真央 コメント
星光一と星真一の母で、日本の小川村で、星商店を営んでおります。家族もそうですが、村のみんなとの交流を見て、地球っていいところだなと思ってもらえるように、そして私たちが住んでいる地球はちっぽけだけどあったかいんだなということを感じていただきたいと思います。
今回、複数の役を演じておりまして、諜報機関のF6という役も演じさせていただくのですが、全然違う役なので役者としても楽しませていただきたいと思っています。
手塚先生の世界観とウォーリーさんの世界観の化学反応は、演じていてもとても刺激的なので、私自身も楽しみ見ながら、みんなで楽しく演じていきたいと思いますので、お客様に楽しんでいただけたらと思います。
中村まこと コメント
ハム・エッグは手塚先生がデビュー以前のらくがき超にも登場している、大変由緒ある役でございます。
「W3」は1965年6月6日、まさに60年前の今日アニメの放送が開始された記念日だそうです。
私もたぶん2年後くらいの再放送を、家にあったモノクロテレビで夢中になってみたのを覚えています。
ハム・エッグは善良の反対側にいる存在で、原作コミックには数コマにしか出てこないのですが、今回脚本の福田(響志)さんやウォーリーさんが物語に組み入れて奥行きのある役どころにしてくださっているで、人間の善・悪をよく表している人物なので、単なるヒールではないので難しいですが表現できたらと思っています。
この舞台は、手塚作品がこんな風になるのか!と楽しさが満載で度肝を抜かれているので、ぜひ見ていただけたらと思います。
成河 コメント
僕が演じるアセチレン・ランプは、(中村)まことさんが演じるハム・エッグと同じように、手塚治虫作品には初期のころから全然設定が違うさまざまな漫画に出てくるバイプレーヤー的な存在として人気があるのですが、今回はまた新しい視点をいただきまして、今回のランプは、エーグニという架空の独裁国家の幹部という存在で、非常に大きな野心を持っていて、星兄弟と対峙して、その我々の目に見えている平和とか正義というものの真意を問うような存在となっています。
本当にすごい座組で、見どころがいっぱいあるのですが、正しく手塚作品だなと思うのは、幅広い世代の方に楽しんでいただけるものでありつつ、そのなかで非常に高い専門性や社会性がきちっと入っているという状態を作れているところです。いろんな層の人に楽しんでいただきたいなと思っているので、ご覧になった方はご家族や友達など周囲の方に声をかけていただければと思います。
W3 ワンダースリー
2025年6月7日(土)〜29日(日)
東京都 THEATER MILANO-Za
2025年7月4日(金)〜6日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
スタッフ
原作:手塚治虫「
脚本:
演出:
音楽:
出演
人形操演
中村孝男 / 高橋奈巳 / 松本美里(東京公演のみ) / 奥洞昇(兵庫公演のみ)
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松田るか @imrukaM
舞台写真!!! https://t.co/sIhwqhHCTK