村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」藤原竜也主演で舞台化、演出はフィリップ・ドゥクフレ

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村上春樹の長編小説「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の舞台化が決定した。主演を藤原竜也、演出・振付をフィリップ・ドゥクフレが担い、来年1月から東京・宮城・愛知・兵庫・福岡にて上演される。

舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」仮チラシ

舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」仮チラシ

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「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は、1985年に刊行された村上の初期作品。作中では、高い壁に囲まれた街の図書館で一角獣の頭骨に収められた夢を読む“僕”の物語「世界の終り」と、謎の博士によって意識の核に思考回路を埋め込まれた“私”の物語「ハードボイルド・ワンダーランド」という2つの世界が同時進行する。

2024年韓国にて。藤原竜也(右)がフィリップ・ドゥクフレ(左)のダンスカンパニー公演を観劇した際のツーショット。

2024年韓国にて。藤原竜也(右)がフィリップ・ドゥクフレ(左)のダンスカンパニー公演を観劇した際のツーショット。[拡大]

発表に際し、ドゥクフレは「異なる世界を行き来しながら展開する想像力に満ちたこの小説を舞台化するという大きな挑戦に、私は圧倒されました。最初に物語を読んだときは、『これを舞台化するなんて到底無理だ』とすら感じたほど」と打ち明けながらも「そんな“不可能を可能にする”このプロジェクトに取り組めることに、今、胸が高鳴っています。――演劇であり、ダンスであり、音楽であり、視覚芸術であり、そしてどの枠にも収まらないような舞台……」と期待を語る。

藤原は「世界的作家である村上春樹さんの初期の大傑作の舞台化に参加させていただけることは、大変光栄です。演出家のフィリップ・ドゥクフレさんのダンスカンパニーの公演がソウルで上演されると聞き、弾丸で観に行かせていただきました。そのパフォーマンスは独創性溢れるもので、観客を喜ばせるアイデアの連続でした」と述べ、「今回の作品、俳優人生のターニングポイントになるかもしれません。驚くような舞台にしますので、ぜひ皆様にご覧いただきたいです」と呼びかけた。

詳細は続報を待とう。ドゥフクレと藤原のコメント全文は以下の通り。

フィリップ・ドゥクフレ コメント

フィリップ・ドゥクフレ

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私にとって日本は、心地よく過ごせる大好きな国です。そんな日本で、ホリプロからお声がけいただき、同社との3作目となる作品に取り組めることを、たいへん嬉しく思っています。

そして今回、世界的に高く評価され、日本を代表する作家村上春樹氏の小説「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を舞台化する機会をいただき、心から光栄に思っています。物語性にあふれ、独自の世界観を持つ村上氏の小説は、読む者の想像力を大きくかき立てます。

異なる世界を行き来しながら展開する想像力に満ちたこの小説を舞台化するという大きな挑戦に、私は圧倒されました。最初に物語を読んだときは、「これを舞台化するなんて到底無理だ」とすら感じたほどです。もちろん、ジャンルを横断することが好きな私は、そこに大きな魅力を感じてもいましたが。
そんな“不可能を可能にする”このプロジェクトに取り組めることに、今、胸が高鳴っています。――演劇であり、ダンスであり、音楽であり、視覚芸術であり、そしてどの枠にも収まらないような舞台……。

実験的な芝居、歌のないミュージカル、フィルムを使わないファンタジー映画。
小説に登場する南のたまりや壁が命を持ち、光の中でユニコーンが踊るシュールなバレエ。
影が持ち主から切り離され、「やみくろ」が暗闇の中でうごめく世界。
この多層的な小説は、私たちの想像力の翼を大きく広げてくれます。
この世界に、皆で喜びとともに没入できることを、心から願っています。

同じ本を読んでも、読者それぞれが異なるイメージを抱くことがあります。文学の魅力のひとつは、読む人の関心や文化に応じて、誰もが自分なりの入り口からその世界に入っていけること。私は、映像、動き、音を通して表現するアーティストです。この壮大なプロジェクトを、私自身の感性と文化を通じて導いていきたいと思っています。

ホリプロが結成してくださったチームを、私は心から誇りに思っています。各分野で最もこのクリエイションにふさわしい、才能あふれる人材が選ばれました。俳優、ダンサー、プランナー、制作チーム--作品づくりに必要なメンバーは、すべて揃いました。
あとは、この巨大なパズルのピースをひとつひとつ組み合わせ、最高の舞台を一緒に創り上げるだけです。

さあ、モーター、アクション!

藤原竜也 コメント

藤原竜也

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10年前、蜷川さんとの2度目のハムレットでロンドンの舞台を踏んだあと、同じ劇場で連続上演された蜷川さん演出の「海辺のカフカ」を客席から観たのが村上作品との出会いでした。自分自身、村上ワールドに引き込まれたのはもちろんですが、世界中から集まった満席のお客様が時には声をあげて笑いながら、舞台に興奮していた様子を今も覚えています。
今回、世界的作家である村上春樹さんの初期の大傑作の舞台化に参加させていただけることは、大変光栄です。演出家のフィリップ・ドゥクフレさんのダンスカンパニーの公演がソウルで上演されると聞き、弾丸で観に行かせていただきました。そのパフォーマンスは独創性溢れるもので、観客を喜ばせるアイデアの連続でした。終演後フィリップさんにお目にかかり、そのお人柄にも惹かれました。自分はダンサーではありませんが、もし稽古場でフィリップさんからダンスを求められたら、「お手柔らかに」とフランス語でお答えします。
今回の作品、俳優人生のターニングポイントになるかもしれません。驚くような舞台にしますので、ぜひ皆様にご覧いただきたいです。

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舞台「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」

2026年1月〜
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス

スタッフ

原作:村上春樹
脚本:高橋亜子
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ

出演

藤原竜也

※宮城・兵庫・愛知・福岡公演あり。

公演・舞台情報

読者の反応

山西惇 @8024atc

これは、、見たい、、、
村上春樹「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」藤原竜也主演で舞台化、演出はフィリップ・ドゥクフレ(コメントあり) https://t.co/ohqBVbxdSd

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