向田邦子賞を兵藤るりが受賞、大池容子・詩森ろばらを抑えて過去最年少で

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第43回向田邦子賞の受賞者発表会見が本日4月23日に東京・帝国ホテル 東京で開催され、テレビ朝日系連続ドラマ「マイダイアリー」の脚本を執筆した兵頭るりが受賞した。

左から大森寿美男、岡田惠和、兵頭るり、大森美香、井上由美子、坂元裕二。

左から大森寿美男、岡田惠和、兵頭るり、大森美香、井上由美子、坂元裕二。

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兵頭るり

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1982年に制定された向田邦子賞は、「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」などで知られる脚本家・向田邦子の功績をたたえ、優れたテレビドラマの脚本家に贈られる賞。今回は選考委員を大森寿美男岡田惠和大森美香井上由美子坂元裕二が務めた。兵藤のほか候補に選ばれていたのは、大池容子、詩森ろば、黒岩勉。受賞した兵頭は1996年、東京都生まれで、28歳での受賞は同賞の最年少受賞記録となる。

東京藝術大大学院映像研究科映画先行脚本領域で坂元裕二(一番右)に教わっていた兵頭るり(左から3番目)は「(坂元の)弟子とは思っていない」と率直に述べて笑いが起きた。

東京藝術大大学院映像研究科映画先行脚本領域で坂元裕二(一番右)に教わっていた兵頭るり(左から3番目)は「(坂元の)弟子とは思っていない」と率直に述べて笑いが起きた。[拡大]

10月から12月にかけて放送された「マイダイアリー」は、社会人1年目を迎えた主人公が各話、些細なきっかけで大学時代の大切な思い出を振り返る構成のヒューマンドラマ。選考委員を務めた岡田は「(選考委員の)満場一致で決めさせていただきました」と代表して報告し、同じく選考委員を務めた大森寿美男は「人と人との間にあるものを丁寧に見せる、それでいてとても個性的な会話劇。それを日記を書くような自然体で表現されていて、代わりの聞かない作家性を感じました。ぜひこういう方がどんどん活躍していけるドラマの世界であってほしいなと言う願いを込めて、この賞を送りたい」と語った。

坂元裕二

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同じく選考委員の坂元は「決して派手な作品ではないのですが、審査員5人で話しているうちに、『あの場面が面白かったよね』から始まって、『最近の若者はこうだよね』『こんな口癖があるよね』とか話がどんどん広がっていき、話していて楽しかった。これこそがテレビドラマの本質であり、役割ではないかと気づいたひとときでした」と振り返った。

左から大森寿美男、岡田惠和、兵頭るり、大森美香、井上由美子、坂元裕二。

左から大森寿美男、岡田惠和、兵頭るり、大森美香、井上由美子、坂元裕二。[拡大]

兵頭は「『こんな若造がもらうなんて』と思う方はたくさんいらっしゃると思いますし、私もそのうちの1人でした。先ほど受賞の連絡をいただき、今日だけは胸を張ろうと思ってここに来ました。どうしてそう思えたかというと、この賞は自分のためにもらうのではなく、ドラマの放送終了後にSNSなどに温かいコメント残してくださった視聴者の方々や、最後まで私の本を信じて演じてくださった清原さんはじめ役者の方々、そしてスタッフの方々、その全員に対して自分の目は間違っていないんだと証明するためにもらうんだと思えたからだと思います」と口にする。

続けて兵頭は、今後に向けて「昨今少子化と言われながらも小中高生の自殺数が最多になるなど、理不尽な世の中になってきていると思っていて、私はそれに抗うような作品を作っていきたい。今日生き切ることさえつらいと思っているような人が、明日くらいは生きてみてもいいかもしれないと思えるような作品をこれからも作り続けたいと思っています」と決意を語った。

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読者の反応

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岩嵜 修平 @shu_iwasaki

このネタ、ステージナタリーなんだという驚きがある(大池さんか詩森さんが取ると思ってたのかな)が、兵藤さんは、というか『マイダイアリー』が受賞は意外。審査員世代の問題かな。

【会見レポート】向田邦子賞を兵藤るりが受賞、大池容子・詩森ろばらを抑えて過去最年少で https://t.co/3ELLI9FY4t

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