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「Take Me Out」は、2002年に初演されたリチャード・グリーンバーグによる作品。メジャーリーグを舞台にした本作では、同性愛者であることを告白したスター選手ダレン・レミングと、彼が所属するチーム・エンパイアーズのメンバーたちの様子が描かれる。日本では2016年に初演、2018年に再演された。2025年版には、2018年版に出演したメンバーに新キャストを加えたレジェンドチームと、330人の中からオーディションを勝ち抜いたルーキーチームが登場する。
2チーム制で上演されることになった経緯について、藤田は、小川が演劇芸術監督を務める新国立劇場のフルオーディション企画第6弾「東京ローズ」がきっかけの1つになったと話し、「オーディションに参加してくださった全員が、本当に魅力的な俳優だったということを改めて伝えたいです。彼らは僕にたくさんのことを教えてくれました」と感慨深げに振り返る。
また藤田は「Take Me Out」という作品に関して、「人と人が相対するとき、言葉でしか伝えられない思いと、言葉にできない思いがある。それがこの作品の大きなテーマになっていると思います。2002年の初演から時代が移り変わり、世の中の情勢と人々の価値観が変化する中で、“変わらなかったもの”を2025年版の座組では追及していきたい。物語の舞台は2000年代初頭ではありますが、オープニングシーンとラストシーンの時間軸は2025年であることを想定して、演出しようと考えています」と構想を明かした。
アメリカ・ニューヨークのブロードウェイでの上演を観劇した経験を踏まえ、本作を翻訳したという小川は「ダレンという人物はバランスが取れた、現代的なキャラクター。彼が作品の軸を担う構造は、新鮮で、興味深いと思いながら翻訳しました。当時、ブロードウェイ公演で会計士のメイソン・マーゼック役を演じていた俳優さんが非常に個性豊かで優秀な方だったのですが、翻訳する際に俳優の演技に引っ張られてはいけないし、作家の意図から外れてはいけないので、メイソンに関する翻訳に苦労したことを覚えています」と述懐。また、藤田が演出した日本版の公演にも言及し、「藤田さんの温かさ、優しさがあふれていて、良いチーム感がある座組だと思いました。そんな作品で自分の翻訳を使っていただけて、すごくうれしかったです」と藤田に視線を送る。
翻訳家としての小川の仕事ぶりについて、藤田は「2016年版、2018年版いずれも、演じる俳優の特徴に合わせて、翻訳の言葉を細かく調整してくださいました。絵梨子さんは優秀な翻訳家であると共に、優秀な演出家でもあります。絵梨子さんは稽古場で、ご自身が演出家であることをおくびにも出さないんです! 演出家として気になる点もあったと思うのですが、『Take Me Out』の演出家である藤田を信じて、託してくれた。これはとても幸せなことです」と笑顔で小川をたたえた。
最後に藤田は「『Take Me Out』という言葉には、理解し合えない者を追い出すのではなく、“連れ出す”という意味が込められていると思うんです。時代を超えた人の優しさ、温かさ、愛を感じられる作品になるよう、2025年版のカンパニーメンバーと作品に向き合い、お客様を『Take Me Out』の世界へ“連れ出”せたらと思います」と抱負を述べた。
公演は5月17から6月8日まで東京・よみうりホール、14・15日に愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール、20・21日に岡山・岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場、27日から29日まで兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホールで行われる。東京・愛知公演分のチケットは販売中。岡山公演分のチケットは3月21日10:00、兵庫公演分は4月19日10:00に発売される。
舞台「Take Me Out」2025
2025年5月17日(土)〜6月8日(日)
東京都 よみうりホール
2025年6月14日(土)・15日(日)
愛知県 Niterra日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
2025年6月20日(金)・21日(土)
岡山県 岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
2025年6月27日(金)〜29日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
スタッフ
作:リチャード・グリーンバーグ
翻訳:
演出:
出演
レジェンドチーム
玉置玲央 / 三浦涼介 / 章平 / 原嘉孝 / 小柳心 / 渡辺大 / 陳内将 / 加藤良輔 / 辛源 / 玲央バルトナー / 田中茂弘
ルーキーチーム
富岡晃一郎 / 八木将康 / 野村祐希 / 坂井友秋 / 安楽信顕 / 近藤頌利 / 島田隆誠 / 岩崎MARK雄大 / 宮下涼太 / 小山うぃる / KENTARO
ベンチ入り(スウィング)
本間健太(レジェンドチーム) / 大平祐輝(ルーキーチーム)
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暁‐あかつき‐ @akatukiooo
藤田さん曰く「2016年版、2018年版いずれも、演じる俳優の特徴に合わせて翻訳の言葉を細かく調整してくださいました。絵梨子さんは優秀な翻訳家であると共に優秀な演出家でもあります」2025年版はどう調整してくださるのだろう。楽しみです。 https://t.co/cmK1SDL3jv