「新春浅草歌舞伎」本日開幕、橋之助「私共7人で明日の励みになるような芝居を」

「新春浅草歌舞伎」が本日1月2日に東京・浅草公会堂で開幕。それに先駆けて初日鏡開きが本日行われた。

“若手歌舞伎俳優の登竜門”として知られる「新春浅草歌舞伎」は、次代の歌舞伎界を担う花形が顔をそろえる初春行事。「新春浅草歌舞伎2025」の出演者には、中村橋之助、中村鷹之資、中村莟玉、中村玉太郎、市川染五郎、尾上左近、中村鶴松が名を連ねた。

開幕に向け橋之助は「皆様あけましておめでとうございます。いよいよ『新春浅草歌舞伎』が開幕いたします。この鏡開きもお兄さんたちの時は沢山の人が来ていたけれど僕たちの代になってスカスカだったらどうしようと心配しておりましたら、朝早くから、寒い中お集まりいただきまして、ありがとうございます。そんな皆様方の応援を力に、私共7人で皆様方の明日の励みになるような良い芝居ができるように一所懸命勤めつつ、お役に向き合ってまいりたいと思います。26日までどうぞよろしくお願いいたします」とコメント。

鷹之資は「私は本年度よりこの『新春浅草歌舞伎』に参加させていただくこととなりまして、今日こうやって鏡開きで皆様と一緒に新年と初日を祝わせていただき、本当に浅草歌舞伎に参加させていただいているんだなと実感しております。本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。今こうしてお酒の芳醇な香りが漂っております。今回は私は『棒しばり』を勤めさせていただきますが、良い香りをかがせていただき今日は良い『棒しばり』ができるのではないかなと思っております。1カ月、一所懸命駆け抜けたいと思っております」と意気込む。

莟玉は「今回私は『新春浅草歌舞伎』に10回目の出演ということでこの新しいメンバーの皆さんとどんなひと月になるのか非常にわくわくしております。豪華な先輩方のご指導を受けてみんなで同じ方向を向いてお稽古をして、今日を迎えられたのですごくすがすがしい気持ちでいっぱいです。この1カ月みんなで一致団結して和気あいあいと楽しくお芝居をしていきたいなと思っております。ひと月応援の程よろしくお願いいたします」と笑顔を見せる。

玉太郎は「私はこうした鏡開きも初めてでございまして、これから2時間後に『新春浅草歌舞伎』初日の幕が開くと思うと今から本当にドキドキでございます。新しいメンバーで、皆様方に可能性を感じていただけるような希望を感じていただけるようなそういった舞台を精一杯勤めてまいりますので、皆様応援の程よろしくお願いいたします」と緊張を語った。

染五郎は「私も今回『新春浅草歌舞伎』初参加でございまして、第1部、第2部ともに大役に挑戦させていただきます。私はまだ未成年でございまして、お酒は飲めないのですが、このお酒の匂いをヒントに『棒しばり』を勤めたいと思っております。皆様にお正月らしい気分に浸っていただけるように精一杯勤めますので第1部、第2部共にご観劇いただければと思っております」と観客にメッセージを送った。

「今、本当に圧倒されております」と第一声を発した左近は「私もこの『新春浅草歌舞伎』初出演をさせていただきますが、ありがたい気持ちでいっぱいです。私事でございますが、この1月に19歳の誕生日を迎えさせていただきます。10代最後の年のスタートをこの浅草の初日できらせていただけるということ、身の引き締まる思いでございます。最後まで一所懸命に勤めますので皆様応援の程よろしくお願いいたします」と思いを語る。

最後にあいさつした鶴松は「メンバーががらっと入れ替わりまして、私も5歳から歌舞伎を続けておりますけれどもまさか私が最年長という……けれどもみんなに負けないような熱い気持ちで勤めたいと思っております。ちなみに私が昨日観た夢は山の中の誰もいない芝居小屋で勘九郎の兄に怒鳴られるというものでございました（笑）。そうならないように、精一杯勤めたいと思いますので応援の程よろしくお願いいたします」と話して場を和ませた。

「新春浅草歌舞伎」では第1部に「義太夫狂言『絵本太功記』尼ヶ崎閑居の場」と「『道行旅路の花聟』落人」、第2部に「春調娘七種」と「義太夫狂言『絵本太功記』尼ヶ崎閑居の場」、「棒しばり」が上演され、第1・2部では「絵本太功記」の配役が異なる。第1部の上演時間は約2時間45分、第2部の上演時間は約3時間25分。公演は1月26日まで。

なおステージナタリーでは公演に向け、橋之助、鷹之資、莟玉、玉太郎、染五郎、左近、鶴松の7人に「新春浅草歌舞伎」への思いをインタビュー。また“お正月に欠かせないもの”、共演者へのメッセージも紹介している。