「こつこつプロジェクト」から誕生、3つのギリシャ悲劇を再構成した「テーバイ」開幕

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船岩祐太が構成・上演台本・演出を手がける「テーバイ」が、昨日11月7日に東京・新国立劇場 小劇場で開幕した。

「テーバイ」より。(撮影:引地信彦)

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「テーバイ」ビジュアル

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「テーバイ」は、1年間にわたって作品を育む新国立劇場の企画「こつこつプロジェクト」から生まれた作品。3つのギリシャ悲劇「オイディプス王」「コロノスのオイディプス」「アンティゴネ」を再構成し、1つの国が没落していくさまを描き出す。出演者には、クレオン役の植本純米、アンティゴネ役の加藤理恵、オイディプス役の今井朋彦のほか、久保酎吉池田有希子木戸邑弥高川裕也藤波瞬平、國松卓、小山あずさが名を連ねた。

テーバイの王オイディプスは国を災いから救うべく、后イオカステの弟クレオンに頼り、「先王ライオスを殺害した犯人を追放すること」という神託を得る。しかし、そこで明らかになったのは、オイディプス自身がライオスを殺した張本人であること、実の母親とは知らずにイオカステを后とし、子をもうけているという事実だった。絶望の中でオイディプスは自らの目を突いて盲目となり、放浪の旅に出る。オイディプス追放後、クレオンが統治するテーバイでは、オイディプスの息子であるエテオクレスとポリュネイケスが王権を巡って対立。さらにポリュネイケスの埋葬問題で、オイディプスの娘アンティゴネとクレオンも敵対することになり……。

開幕に際し、船岩は「はるか遠い昔に作られた物語ですが、どこか今との繋りを感じてもらえると幸いです」とコメントした。

上演時間は休憩ありの約2時間40分。公演は11月24日まで。船岩のコメント全文、植本、加藤、今井のコメントは以下の通り。

なおステージナタリーでは、「テーバイ」の特集を展開中。本特集では、船岩、植本、今井が公演にかける思いを語っている。

船岩祐太コメント

こつこつとギリシャ悲劇を底本とした物語を紡いでまいりましたが、スタッフ、キャストの力を得て、本日無事に初日の幕が開きました。はるか遠い昔に作られた物語ですが、どこか今との繋りを感じてもらえると幸いです。公演はまだまだ続きますが、総力を持ってこの物語をお届けしたいと思います。

植本純米コメント

2021年にこつこつプロジェクトが始まり今日まで長い旅路だったので開幕した今も旅の途中駅のような気がしています。お陰で特に気負うこともなく自分の恥ずかしい所ダメな所も晒せてます。ありがとうこつこつ。今回のキーワードの一つは「血」です。政治、芸能、商売……世襲はきっと古代ギリシャの時代から好奇の目で見られていたに違いありません。そんな視線を客席の市民の皆さんから感じつつ裸(の王様)で舞台に立ちたいと思います。俺、エラそー。

加藤理恵コメント

「こつこつプロジェクト」として始動してから3年。贅沢な挑戦の場と準備期間を経て、ついに初日に辿り着くことができました! この物語を通じて私は“受け継がれた思いにどう向き合うか”ということを特に考えさせられました。それはこの「こつこつ」の過程で多くの俳優・スタッフが育み残してくれたものとも重なります。その軌跡を時には燃料に、時には手放し、皆さまに今この作品をお届けできること、とても嬉しく思います。

今井朋彦コメント

はじめからこつこつと地ならしをしてきた人、途中から助走に加わった人、最後の直線に現れて鼓舞しながら走る人……。さまざまな人がさまざまな働きをしながら今日という日を迎えました。でもここからは横一線。全員でスクラムを組んで、誰一人欠けることなく最後まで走り抜けたい、そんな思いです。劇場にて、目撃していただけたら幸いです。

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「テーバイ」

2024年11月7日(木)~2024年11月24日(日)
東京都 新国立劇場 小劇場

スタッフ

原作:ソポクレス「オイディプス王」「コロノスのオイディプス」「アンティゴネ」 
翻訳:高津春繁(「オイディプス王」「コロノスのオイディプス」)、呉茂一(「アンティゴネ」)による
構成・上演台本・演出:船岩祐太

出演

植本純米 / 加藤理恵 / 今井朋彦 / 久保酎吉 / 池田有希子 / 木戸邑弥 / 高川裕也 / 藤波瞬平 / 國松卓 / 小山あずさ

公演・舞台情報
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読者の反応

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きびだんご @y_witch

「テーバイ」先週7日ソワレ拝見。ギリシア悲劇わかるかしら、と思ってたけど、それは杞憂でした。ググッと引き込まれて最後まで集中。オイディプスは何度か見ていて、ストーリーに入りやすかったこともあるかな。植本さん、今井さん、大好きなお二人に満足度さらにアップ。 https://t.co/hpCOPhulsZ

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