「ケイン＆アベル」松下洸平が松下優也に「優也くんなら甘えられる」山口祐一郎は温かく見守る

ミュージカル「ケイン＆アベル」の製作発表が昨日10月30日に東京都内で行われ、松下洸平、松下優也、咲妃みゆ、知念里奈、山口祐一郎らが登壇した。

本作は、イギリスの作家ジェフリー・アーチャーのベストセラー小説「ケインとアベル」が世界で初めてミュージカル化するもの。脚本・演出をダニエル・ゴールドスタイン、音楽をフランク・ワイルドホーンが担当し、アメリカ・ボストンの名家出身で銀行頭取のウィリアム・ケイン役を松下洸平、ポーランドの孤児からアメリカのホテル王にのし上がったアベル・ロスノフスキ役を松下優也が演じる。

製作発表には、メインキャストに加え、東宝の池田篤郎常務執行役員演劇本部長、キューブの北牧裕幸代表取締役社長が出席した。松下洸平はグランドミュージカル初主演への意気込みを問われ、「『主演だから』とは思わず、皆さんと一緒に作っていきたい」と語り、松下洸平のライバル役を演じる松下優也は「アメリカのケインとポーランドのアベルのように、“東の松下と西の松下”になれたらと思います」と気合い十分に述べた。

アベルの初恋相手フロレンティナ役の咲妃は「東宝さんとキューブさんの大いなる挑戦に参加できることを光栄に感じると同時に、身震いするほどドキドキしています。私が芸能人生をスタートさせた作品が、ワイルドホーンさんが音楽を手がけた『スカーレット・ピンパーネル』なので、時を経てこのようなご縁をいただきうれしく思います」と喜びを語る。アベルの妻ザフィア役を担う知念は「ジキル＆ハイド」「ルドルフ ～ザ・ラスト・キス～」に続き、ワイルドホーン作品へ出演する。知念は「作品をしっかり支えられるよう、誠心誠意努めます」と意気込みを口にした。

アベルの人生を変える師デイヴィス・リロイ役を務める山口は「『ケイン＆アベル』のオファーをいただいたとき、『（自分が演じるのは、ケインとアベルの）どっちなんだろう？』と思ってしまいました（笑）。そろそろ古希を迎えるにも関わらず、ずっとミュージカルという夢の世界にいたものですから、現実を忘れてしまっていたんですね」とおちゃめに話した。

2人の松下は、音楽活動でキャリアを始め、現在俳優活動と両立しているという共通点を持つ。松下洸平は「1ファンとして優也くんの楽曲を聞いていました。共演するとしたら芝居か音楽のどちらかだろうなと思っていたら、それらをかけ合わせたミュージカルだったので驚きました（笑）。でも優也くんと一緒なら、良い意味で甘えられるかなと。頼りにしています」と松下優也に目配せする。松下優也は「名字が一緒で境遇も近いので意識はしていましたが、改めて調べてみたらデビューの年と月も一緒で、ほかにも共通点がたくさん」と驚いたことを明かし、「やってきた音楽も似ているので、洸平さんの歌い方がすごく好き。洸平さんの素敵な歌と、自分なりにやってきた歌で、ワイルドホーンさんの楽曲をどのように表現できるか、めちゃくちゃ楽しみです」と声を弾ませた。

そんな2人のやりとりを温かく見守っていた山口は「なんて清潔感のあるお二人。僕は男子校の剣道部だったんですけれど、こういったキャラクターは違うが情熱を同じように持つ2人がいると、大概試合で勝てるんですね」と期待を込める。「フランクでオープンでお互いをリスペクトしている。役者同士は、このように出会い稽古に入っていくべきなんだという、お手本のような2人。（製作発表の）控え室からとても元気で、まるで兄弟のように戯れていた」と明かし、「そんな様子を見ているだけで幸せだなと思っています」と満足げに語った。

さらに製作発表では、音楽のワイルドホーンと脚本・演出のゴールドスタインそれぞれのビデオメッセージが上映されたほか、原作のアーチャーのテキストメッセージが山口によって代読された。ワイルドホーンは「もうすぐリハーサルなのでワクワクしています」「皆さんに会うのが楽しみです」、ゴールドスタインは「普遍的なテーマを扱う物語なので観客の皆様に喜びや幸せをきっと感じていただけるでしょう」「皆様と素晴らしい初日を迎えるために全力を尽くします」とコメント。アーチャーは「このミュージカルが日本で大きな成功を収めるだけでなく、ウエストエンドやブロードウェイ、そしてそれ以外の地域でも上演され、世界中の観客が洸平と優也の激しい闘いを目撃できることを心から願っています」とつづった。

公演は来年1月22日から2月16日まで東京・東急シアターオーブ、23日から3月2日まで大阪・新歌舞伎座で行われる。チケットの一般販売は11月23日にスタート。

ジェフリー・アーチャー コメント

45年前に出版されて以来、世界中で愛され続けている名作「ケインとアベル」が、この度、画期的なミュージカルとして初めて舞台化されることになりました。

東宝とキューブが、このライバル関係と愛の偉大な物語を、壮大なミュージカルにしたいという構想を私たちに持ちかけてくれました。慎重に検討した結果、私たちはこの申し出を喜んでお受けすることにしました。

原作は豊かで複雑な物語ですが、音楽には、ケインとアベルを突き動かす深い情熱を独特の説得力で表現する力があると思っています。

このミュージカルが日本で大きな成功を収めるだけでなく、ウエストエンドやブロードウェイ、そしてそれ以外の地域でも上演され、世界中の観客が洸平と優也の激しい闘いを目撃できることを心から願っています。

フランク・ワイルドホーン コメント

洸平さん、優也さん。「ケイン＆アベル」作曲家フランク・ワイルドホーンです。もうすぐリハーサルなのでワクワクしています。いくつもの冒険を分かち合ってきました。最高に素晴らしい作品になるでしょう。皆さんに会うのが楽しみです。

1月からの公演にご期待ください。ありがとうございます。

ダニエル・ゴールドスタイン コメント

皆さん、こんにちは。「ケイン＆アベル」脚本・演出のダニエル・ゴールドスタインです。

メッツを応援しているのでキャップを被ったままで失礼します。大谷翔平のいるドジャースとの対戦です。大谷さんに三振してほしいけど……打つでしょうね。

皆さんに早く会いたいです。洸平さん、優也さん、みゆさん、里奈さん、祐一郎さん、「ケイン＆アベル」のカンパニーの皆さん。私がフランク・ワイルドホーンとネイサン・タイセンと共に手掛けたミュージカルのリハーサルがもうすぐ始まります。この作品を日本の皆様にお届けできることを楽しみにしています。普遍的なテーマを扱う物語なので観客の皆様に喜びや幸せをきっと感じていただけるでしょう。

私たちは喜びと苦難を共にして、この作品を創っています。新作を生み出すことほど大変なことはありません。野球も難しいですけどね。

日本で東宝と仕事をするのはいつも楽しいです。本作は東京で公演される私の5つ目の作品となります。皆様と素晴らしい初日を迎えるために全力を尽くします。お会いできるのを楽しみにしています。どうもありがとう、よい1日を。