詩森ろばが“祈るような気持ち”で執筆した、serial number「神話、夜の果ての」開幕

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serial number11『神話、夜の果ての』」が昨日7月5日に東京・東京芸術劇場 シアターウエストで開幕した。

serial number11「神話、夜の果ての」より。(撮影:市川唯人)

serial number11「神話、夜の果ての」より。(撮影:市川唯人)

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serial number11「神話、夜の果ての」より。(撮影:市川唯人)

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serial number11「神話、夜の果ての」より。(撮影:市川唯人)

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serial number詩森ろばが作・演出を手がける「神話、夜の果ての」では、架空の宗教施設とそこで育った子供たちの姿を通して、“信仰”が一線を越えてカルト化し、暴力へと転じていく様が描かれる。青年は目を覚ますと精神病院にいた。彼のそばには、精神科医と、“夢とも現実ともわからない少女”がいるのみ。ある日、精神科医のもとを弁護士が訪ねて来て……。

serial number11「神話、夜の果ての」より。(撮影:市川唯人)

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本作には、坂本慶介川島鈴遥田中亨杉木隆幸廣川三憲が出演。開幕に際し、詩森は「自分が書いた登場人物の運命に対してこんなにも無力感を感じたのははじめてかもしれません。宗教をある意味否定してまうような物語を描きながら、わたしはずっと祈るような気持ちでした。そんな物語を、命を削るように、命に火を灯すように、俳優たちが演じてくれています。開幕致しました。ぜひ劇場にお越しください」とコメントした。

公演は7月14日まで。

詩森ろばコメント

詩森ろば

詩森ろば[拡大]

この作品がどこからやって来たのか、書いたわたしにも正直わかりません。構想をまとめるのに時間をかけるほうなのですが、この作品に限っていえば、珍しいことに構想ありきで、資料を集め、準備をしました。なのになかなか書き始めることができなかった。しかし、あるときさあ書こう、書き始めるのは今日だ、と思う日があり、書き始めました。テーマもあらすじも決まっていたのに、こんな話になるなんてわたしは想像もしていなくて、主人公のミムラが母と共に、ある架空の宗教団体の本部に行くシーンを書き始めたときに、物語の「→(ヤジルシ)」がはっきりと立ち上がったのを感じました。大人のリュックを背負い、持ちきれなかった服で着ぶくれして、母の背中を懸命に追ったミムラ。健気で愛おしい小さい背中が鮮やかにうかびます。その背中を追いかけるようにわたしはミムラの物語を書きました。でも、何もできなかった。何度くりかえしても、彼はその結末からたぶん逃れられない。自分が書いた登場人物の運命に対してこんなにも無力感を感じたのははじめてかもしれません。宗教をある意味否定してまうような物語を描きながら、わたしはずっと祈るような気持ちでした。そんな物語を、命を削るように、命に火を灯すように、俳優たちが演じてくれています。開幕致しました。ぜひ劇場にお越しください。

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serial number11「神話、夜の果ての」

2024年7月5日(金)~14日(日) ※公演終了
東京都 東京芸術劇場 シアターウエスト

スタッフ

作・演出:詩森ろば

出演

坂本慶介 / 川島鈴遥 / 田中亨 / 杉木隆幸 / 廣川三憲

公演・舞台情報
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読者の反応

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詩森ろば @shimorix

開幕記事を書いていただきました。無事幕が開きました。

杉浦充さんの美術、榊美香さんの照明、そして音響の青木タクヘイさんによる美しい空間設計にもご注目ください。
#神話夜の果ての https://t.co/jcXS2QKHbM

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