春風亭小朝、坂東玉三郎との「越路吹雪物語」に「足りないピースがハマった」と喜び

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坂東玉三郎×春風亭小朝 歌舞伎座特別公演」の取材会が、本日5月8日に東京都内で行われた。

左から春風亭小朝、坂東玉三郎。(c)松竹

左から春風亭小朝、坂東玉三郎。(c)松竹

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「坂東玉三郎 はるのひととき」「越路吹雪物語」より、坂東玉三郎。(撮影:岡本隆史)

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これは、昨年7月に京都・南座で実施された「坂東玉三郎 夏のひととき」、1月に大阪・大阪松竹座で実施された「坂東玉三郎 はるのひととき」に続き、3度目となる坂東玉三郎春風亭小朝による公演。今回は、7月25日に東京・歌舞伎座で一夜限りの公演として行われる。上演演目には、大阪松竹座公演でも上演された「越路吹雪物語」に加え、今回が初めての上演となる「怪談 牡丹燈籠」より「御札はがし」が並んだ。「越路吹雪物語」は、越路吹雪を題材に小朝が創作した人情話で、小朝が語り、玉三郎がシャンソンをはじめとした越路に所縁の深い曲を披露。「怪談 牡丹燈籠」では、玉三郎と小朝が高座で登場人物を演じ分ける。

坂東玉三郎(c)松竹

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春風亭小朝(c)松竹

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取材会には、玉三郎と小朝が登場。玉三郎が「越路吹雪物語」の上演の経緯を「6年ほど前に、偶然同じ劇場にいらして、私の楽屋でお話したときに『何かやりましょう』ということになりまして……」と話すと、小朝は「いえ、僕が玉三郎さんのシャンソンのコンサートを観に行って、楽屋にお邪魔したんです。偶然ではありません(笑)。そのときから、玉三郎さんのシャンソン、僕の語りで『越路吹雪物語』がいつかできたら、と思っていたのですが、今年の1月にようやく実現しました」と語る。小朝は「『越路吹雪物語』は、ずいぶん前に作った落語で、何度も高座にかけていましたが、パズルで言うと、いくつかのピースが足りていない感じがあったんです。それが、1月に大阪松竹座で、玉三郎さんの歌を交えて上演したとき、ピースがハマった感覚がありました。お客さんからの評判も大変に良く、今回歌舞伎座で上演する運びになりました」と説明する。

「坂東玉三郎 はるのひととき」「越路吹雪物語」より、坂東玉三郎。(撮影:岡本隆史)

「坂東玉三郎 はるのひととき」「越路吹雪物語」より、坂東玉三郎。(撮影:岡本隆史)[拡大]

「坂東玉三郎 はるのひととき」「越路吹雪物語」より、春風亭小朝。(c)松竹

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玉三郎は「公演をご覧になる方で、越路吹雪さんをご存知ない方もいらっしゃると思いますが、小朝さんがその人生を語り、そこに歌が入ることで、越路さんがどういう方だったのかわかっていただけるかと」と言葉に力を込める。また、出演に向け「越路さんの形態模写をするのではなく、雰囲気やイメージを大事にしています。幸いなことに、私は十代後半から、越路さんの舞台はほとんど観てきました。その経験を生かすことができれば」と微笑む。小朝は「越路さんを生で観たことがない、またどういう方かご存知ないお客様に、この公演をきっかけに越路さんを知っていただくことは、とても良いことだなと思うんです。今おっしゃった通り、玉三郎さんは越路さんの“真似”をされているわけではないので、余計に『ご本人はどういう人なんだろう』と想像が膨らむと思う」と語った。

左から春風亭小朝、坂東玉三郎。(c)松竹

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「怪談 牡丹燈籠」について小朝は「玉三郎さんは舞台で、僕は高座でやってきた作品ですので、そんな僕たちが一緒にやったらどうなるのか、とにかくワクワクしています。お客様にも楽しんでいただけるのでは」と瞳を輝かせ、玉三郎は「立役のパートを小朝さんがやって、私がお露、お米、お峰を演じることになるかと」と述べる。記者からどのような構成になるのか問われると、小朝は「テレビのドキュメンタリー番組は、スタジオに本人がいらして、途中に役者さんの再現のVTRがある、という構成が多いと思うのですが、そのイメージに近いかもしれません。僕が語ったら、その部分が玉三郎さんによってパッと芝居になって、またちょっと語って、またお芝居になる……という形を想定しています」と明かす。衣裳についての質問が飛ぶと、玉三郎は「高座なので、特に拵えはなく、ただ夏だから、お互いに麻(の着物)を着ましょう、という話はしています。小朝さんは、羽織りは着る?」と小朝に質問。小朝が「最初は着ます」と回答すると、玉三郎も「じゃあ私も着ようかな。……こんな感じで話し合いを進めています(笑)」と報道陣に向け、笑顔を見せた。

互いの魅力について、小朝は「(玉三郎は)芸を極めた方。僕は踊りのこととか、お芝居のことをいっぱい質問するんですけど、すごく端的に、確信だけを突いた答えが返ってくるんです。落語界にそんな人はいないので(笑)、とても勉強になります。あとは、たくさんお話してくださるのがうれしいですね。先日、ご飯をごちそうになったのですが、2時間半食事して、たぶん黙っていたのは3分ぐらい(笑)。本当にいろんなお話を聞かせてくださって、録音しておきたかったぐらいでした。人間的にも、芸の上でも素晴らしい方ですし、僕にとっては人生を変えるご縁ですね」と熱く語る。玉三郎は「彼のように江戸言葉を流暢にしゃべれる人が身近にいるのは、私にとって貴重なこと。これだけ江戸言葉をしゃべれる人と、ぜひ舞台をご一緒したいと思い、何度もお誘いをしているんですけど、『芝居って大変でしょう』って遠慮していらっしゃるの。だから、今回の『牡丹燈籠』で、まずは座ってやってみて、徐々に(芝居の道に)引き入れられれば(笑)」とちゃめっ気たっぷりに話した。チケットの一般前売りは6月16日にスタート。

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坂東玉三郎×春風亭小朝 歌舞伎座特別公演

2024年7月25日(木)
東京都 歌舞伎座

出演

一、落語芝居「『怪談 牡丹燈籠』 ―御札はがし―」

坂東玉三郎 / 春風亭小朝

二、「越路吹雪物語」

坂東玉三郎 / 春風亭小朝

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松竹演劇部 @shochiku_stage

【#歌舞伎座】
「坂東玉三郎×春風亭小朝 歌舞伎座特別公演」
[WEB掲載情報📱]

#春風亭小朝、#坂東玉三郎 との「越路吹雪物語」に「足りないピースがハマった」と喜び #ステージナタリー https://t.co/TdFEgumMLf

7月25日(木)✨一夜限りの公演✨
6月16日(日)チケット発売開始🎟️
#kabuki… https://t.co/1MYokCBNjs

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