第75回トニー賞「ア・ストレンジ・ループ」がミュージカル作品賞、WOWOWでは授賞式の模様を中継

第75回トニー賞授賞式がアメリカ・ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで日本時間の本日6月13日に行われ、その様子がWOWOWプライム・WOWOWオンデマンド「生中継！第75回トニー賞授賞式」で放送・配信された。

ミュージカル部門では作品賞に、2020年のピュリツァー賞で戯曲賞を獲得した「ア・ストレンジ・ループ」が選ばれたほか、リバイバル作品賞を登場人物の性別を一部入れ替えて上演した「カンパニー」が獲得。また、演劇部門ではリーマン・ブラザーズの誕生から衰退までの道のりを3人のキャストで描いた「リーマン・トリロジー」が作品賞に輝き、とある野球チームの人間模様をつづった「テイク・ミー・アウト」がリバイバル作品賞を受賞した。

第75回トニー賞の授賞式で司会を務めたのは、2018年に「サマー」でトニー賞のミュージカル助演女優賞にノミネートされたアリアナ・デボーズ。式中、「ア・ストレンジ・ループ」の主人公や「カンパニー」の演出について触れ、「インクルージョン（包括）が進んでいる」と、コロナ禍でありながらもブロードウェイが“前進”していることに言及した。また、ミュージカル作品賞候補に挙がった作品を中心に、「ザ・ミュージックマン」のヒュー・ジャックマンとサットン・フォスター、「MJ」のマイルズ・フロストらが次々とパフォーマンスを披露し、式典を盛り上げた。さらに、昨年死去したスティーヴン・ソンドハイムの追悼パフォーマンスでは、バーナデット・ピータースがミュージカル「イントゥ・ザ・ウッズ」より「Children Will Listen」を歌唱する場面も。昨年の第74回トニー賞授賞式の雰囲気とは異なり、新たな形で日常が戻りつつあるコロナ禍のシーズンが総括された。

なお、「生中継！第75回トニー賞授賞式」でナビゲーターを務めた井上芳雄は「コロナが明けて、少しずつ元気を取り戻し、それが表現され始めているのを感じました」と言い、ミュージカル主演女優賞に輝いたジョアキーナ・カラカンゴのパフォーマンスとスピーチを受けて「彼女が言った『どんな状況でもベストパフォーマンスをする』という気持ちが伝わってきました。“ニューノーマル”に向かっているんだなと感じました」とコメント。また、井上と共にナビゲーターを担った宮澤エマも「コロナで2年間、直接、拍手を受けることができなかった人たちが、今日、思い切りその瞬間をエンジョイされていたんだなと思います。ブロードウェイの底力を見せつけてくれました」と、視聴者と共に見届けた授賞式への思いを語った。

なお、ステージナタリーではトニー賞授賞式とブロードウェイの特集を展開中。授賞式を目前にした大野拓朗と甲斐翔真の対談、井上と宮澤のコメントを掲載している。