WOWOW「生中継!第73回トニー賞授賞式」 PR

WOWOW「生中継!第73回トニー賞授賞式」|井上芳雄がナビゲート、ブロードウェイの熱狂をテレビで

ブロードウェイで当該シーズン中に上演された演劇、ミュージカル作品の中から、各部門のベスト1を決定するトニー賞。同賞の授賞式が、2019年は6月10日(日本時間)にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールにて行われる。WOWOWではその模様を生中継。ナビゲーターは、WOWOWが授賞式生中継を開始した14年から連続出演している井上芳雄だ。「海外作品に興味がない」「ブロードウェイには行ったことがない」なんて思っている人も、ぜひ授賞式に注目を。小池徹平&三浦春馬で話題の「キンキーブーツ」や、20年に渡辺直美主演で上演される「ヘアスプレー」も、かつてトニー賞を沸かせた人気作だ。そんな、“いつか日本で観られるかもしれない注目作”をいち早くキャッチし、生中継をさらに楽しめるように、本特集では今年のノミネート作品の注目ポイントをわかりやすく紹介。さらに10作品の概要を掲載する。

[P1 井上芳雄インタビュー]取材・文 / 中川朋子 [P1~2]文 / 兵藤あおみ
[P1~2 ノミネート作品概要]文 / 大滝知里

About TONY AWARDS

1947年にスタートしたトニー賞は、今年で73回目を迎える、演劇とミュージカルを対象とするアワードだ。該当期間にブロードウェイの劇場で上演された作品より、関係者たちの投票によって対象作品が決定される。なお本アワードは、女優で演出家、アメリカン・シアター・ウィングの共同設立者であるアントワネット・ペリーに由来している。

部門はミュージカル部門と演劇部門に分かれ、各作品賞や俳優賞、さらに演出、振付、音響や照明などスタッフ賞まで多岐にわたる。また97年からは、授賞式がラジオシティ・ミュージックホールで行われることが定着し、司会者のスペシャルパフォーマンスが大きな話題となっている。

今年は、2012年に「一人の男と二人の主人」で主演男優賞を受賞したジェームズ・コーデンが、16年以来2度目の司会を担当。トニー賞公式サイトでコーデンは「トニー賞の司会役に戻って来られて興奮しています」と感激を語り、司会者として「この信じられないほど特別な夜の一員となれたことを誇りに思います」と熱い思いを述べている。

“事件”を見るようなドキドキが

今回、WOWOWのトニー賞授賞式番組に6年連続の出演となる井上芳雄。トニー賞に対する自身の思いや、番組の楽しみ方を教えてもらった。

井上芳雄

──井上さんオススメの、「生中継!第73回トニー賞授賞式」の楽しみ方を教えてください。

6月10日放送の同時通訳版は“ライブ感”を楽しんでいただけたら。授賞式ではアメリカの事件が反映されたパフォーマンスや政治的なスピーチが行われることもあるので、“事件”を見るようなドキドキがあります。また6月15日の字幕版では、同時通訳版ではわかりにくかったスピーチやジョークを、答え合わせ感覚で再度観ていただいても面白いと思います。

──「ナイツ・テイル-騎士物語-」で共演した堂本光一さんと一緒にブロードウェイで観劇されたそうですが、今回ノミネートされている作品のいずれかが日本で上演されるとしたら、光一さんとやってみたい作品はありますか?

「トッツィー」の主人公は女装した男性ですが、この役を光一くんとWキャストでやったら面白そうです(笑)。光一くんが女装したらきれいだと思いますし!

──「生中継!第73回トニー賞授賞式」を楽しみにしているステージナタリー読者にメッセージをお願いします。

ミュージカルが生まれた場所での最新のパフォーマンスを体感してください。それからできれば、どうすれば日本でトニー賞をやれるか考えていただいて、アイデアがあったら教えてください(笑)。演劇には世の中のものの見方をリードする役割もあると思いますし、楽しさとプラスアルファの何かをみんなで感じる場ができたら素敵ですよね。

井上芳雄(イノウエヨシオ)
1979年7月6日生まれ、福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科在学中の2000年に、ミュージカル「エリザベート」皇太子ルドルフ役でデビュー後、「モーツァルト!」「グレート・ギャツビー」「ナイツ・テイル-騎士物語-」などの大作ミュージカルや「1984」「黒蜥蜴」、さらに17年にはNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」に出演した。同17年からは、WOWOWで「オリジナルミュージカルコメディ 福田雄一×井上芳雄『グリーン&ブラックス』」が放送中。19年6月から8月にはミュージカル「エリザベート」でトート役を務め、10月には「組曲虐殺」への出演を控えている。

ミュージカル&演劇のノミネート10作品、ココをCHECK!

今年のトニー賞の見どころは? ブロードウェイをこよなく愛する演劇ライター・兵藤あおみが、実際に現地で作品を観た印象を交えながら、今年のミュージカル&演劇の注目ポイントをわかりやすく解説。いつかこのノミネート10作品の中から、日本で上演される作品があるかもしれない。

兵藤あおみ(ヒョウドウアオミ)
駒澤短期大学英文科を卒業後、映像分野、飲食業界を経て、2007年7月に演劇情報誌「シアターガイド」編集部に入社。16年4月末に退社するまで、主に海外の演劇情報の収集、配信に従事していた。現在はフリーの編集者・ライターとして活動。年に2・3度NYを訪れ、ブロードウェイの新作をチェックするのをライフワークとしている。

ミュージカル部門

バラエティに富んだ新作ミュージカル

今季も新作ミュージカルは、同名ヒット映画・小説の舞台版から人気ミュージシャンの伝記モノ、オリジナルストーリーのものまで、バラエティに富んだラインナップだった。

中でも注目は、やはり作品賞候補に挙がった5本だろう。今年最多の14ノミネートを獲得した「ハデスタウン」は、ギリシャ神話の「オルフェウスとエウリディケ」を現代風にアレンジしたフォーク・オペラ。ストーリー、音楽、デザイン、ステージング、そしてパフォーマンスが見事に融合し、観る者を作品世界にグイグイと引き込む。独創性と芸術性が感じられ、今季随一の演劇体験ができるショーと言える。同作が受賞数をいくつまで伸ばせるかに注目したい。

もちろん、ほかの4作品もノミネートに値する出来。「ビートルジュース」と「トッツィー」は共に映画をもとにしているが、舞台ならではのアレンジが効いているのと、オリジナルの主演スターに負けない芸達者かつ魅力的な役者をキャスティングすることに成功し、原作からの昇華が見られた。

「エイント・トゥー・プラウド」は、“マイ・ガール”で知られる男性コーラスグループ、ザ・テンプテーションズの軌跡を追ったもの。「ジャージー・ボーイズ」の演出・振付家コンビ、デス・マカナフとセルジオ・トルヒーヨが本作でもテンポのよい筋運びと華麗なステップで魅せてくれる。

そして、保守的な田舎町で自分らしく生きる道を模索するレズビアンの女子高生と、彼女を応援することでイメージアップを図ろうと町に乗り込む落ち目のブロードウェイ・スター4人組の心の交流を描いた「ザ・プロム」は大きく、かつポジティブなメッセージをはらんだ感動作。“ブロードウェイあるある”をはじめとした多彩なユーモアや、にぎにぎしいダンスシーンでも観客に笑顔を振りまく。作品賞候補5作品の中で最も小粒な印象だが、個人的には大いに推したい1作だ。

対して再演モノは、シーズンを通してたったの2本しか開幕せず。リバイバル賞は「キス・ミー・ケイト」と「オクラホマ!」の一騎打ちに。「こうあるべき」という状態でそのまま舞台に上げてきた前者か、革新的な演出や編曲で観る者の度肝を抜いた後者か……。どちらに軍配が上がるのか、大いに注目だ。そのほか、最新鋭のパペット技術が堪能できる「キング・コング」が装置デザイン賞で受賞なるか?というのも気になるところ。

ミュージカル作品賞 ノミネーション
  • 「エイント・トゥー・プラウド」より。Courtesy of Getty Images
    「エイント・トゥー・プラウド」
    1950年代後半のデトロイト。問題ばかりを起こすストリートキッズの少年たちが、人生を好転させようと、バンドを結成する。やがて彼らのパフォーマンスは世間を熱狂させるように。夢に見たレーベル、モータウンとの契約を果たし、軌道に乗る彼らだったが……。
    インペリアル劇場 / 作詞作曲:ザ・レジェンダリー・モータウン・カタログ / 脚本:ドミニク・モリッソー / 演出:デス・マカナフ / 出演:デリック・バスキン、イフライム・サイクス ほか
    11部門12ノミネート
    • 作品賞
    • 主演男優賞 デリック・バスキン
    • 助演男優賞 ジェレミー・ポープ、イフライム・サイクス ※2名がノミネートされた。
    • オーケストラ編曲賞 ハロルド・ウィーラー
    • 衣装デザイン賞 ポール・タズウェル
    • 演出賞 デス・マカナフ
    • 音響デザイン賞 スティーヴ・キャニオン・ケネディ
    • 脚本賞 ドミニク・モリッソー
    • 照明デザイン賞 ハウエル・ビンクリー
    • 装置デザイン賞 ロバート・ブリル、ピーター・ニグリーニ
    • 振付賞 セルジオ・トルヒーヨ
  • 「ビートルジュース」より。Courtesy of Getty Images
    「ビートルジュース」
    死んだ夫婦の家に、金持ちの男が、風変わりな娘を連れた恋人と共に越してくる。幽霊となった夫婦は彼らを追い出すべく、トラブルメーカーのビートルジュースの助言をもとに、死後の世界を信じる娘と結託し、行動するが、裏にはビートルジュースのある計画があったのだった。
    ウィンター・ガーデン劇場 / 作詞作曲:エディ・パーフェクト / 脚本:スコット・ブラウン、アンソニー・キング / 演出:アレックス・ティンバース / 出演:アレックス・ブライトマン ほか
    8部門ノミネート
    • 作品賞
    • 主演男優賞 アレックス・ブライトマン
    • 衣装デザイン賞 ウィリアム・アイヴィ・ロング
    • 音響デザイン賞 ピーター・ハイレンスキ
    • 脚本賞 スコット・ブラウン、アンソニー・キング
    • 照明デザイン賞 ケネス・ポズナー、ピーター・ニグリーニ
    • 装置デザイン賞 デヴィッド・コリンズ
    • オリジナル楽曲賞 作詞作曲:エディ・パーフェクト
  • 「ハデスタウン」より。Courtesy of Getty Images
    「ハデスタウン」
    若く夢にあふれた音楽家オルフェウスと、堅実な生活を望むエウリディケ。愛し合う2人の生活は貧しかった。そんな折、エウリディケはハデス王の妻ペルセポネに誘われ、地下工場ハデスタウンでの仕事を引き受けることに。それを知ったオルフェウスは、彼女を連れ戻しにかかる。
    ウォルター・カー劇場 / 作詞作曲・脚本:アナイス・ミッチェル / 演出:レイチェル・チャフキン / 出演:リーブ・カーニー、エヴァ・ノブルザダ ほか
    13部門14ノミネート
    • 作品賞
    • 主演女優賞 エヴァ・ノブルザダ
    • 助演男優賞 アンドレ・デ・シールズ、パトリック・ペイジ ※2名がノミネートされた。
    • 助演女優賞 アンバー・グレイ
    • オーケストラ編曲賞 マイケル・チャオニー、トッド・シッカフース
    • オリジナル楽曲賞 作詞作曲:アナイス・ミッチェル
    • 衣装デザイン賞 マイケル・クラス
    • 演出賞 レイチェル・チャフキン
    • 音響デザイン賞 ネヴィン・スタインバーグ、ジェシカ・パズ
    • 脚本賞 アナイス・ミッチェル
    • 照明デザイン賞 ブラッドリー・キング
    • 装置デザイン賞 レイチェル・ホーク
    • 振付賞 デヴィッド・ニューマン
  • 「ザ・プロム」より。Courtesy of Getty Images
    「ザ・プロム」
    ニューヨークタイムズにこき下ろされ、初日に閉幕を迎えた、新作ミュージカル。その主演俳優2人が、自身のイメージアップを図るため、手頃な“事件”はないかと探し始める。すると、同性の恋人と出席しようとしたために学校のプロムを中止にしてしまったという少女を見付け……。
    ロング・エイカー劇場 / 作曲:マシュー・スクラー / 脚本・作詞:チャド・ベグリン / 脚本:ボブ・マーティン / 演出・振付:ケイシー・ニコロウ / 出演:ブルックス・アシュマンスカス、ベス・リーヴェル ほか
    6部門7ノミネート
    • 作品賞
    • 主演男優賞 ブルックス・アシュマンスカス
    • 主演女優賞 ケイトリン・キナナン、ベス・リーヴェル ※2名がノミネートされた。
    • 演出賞 ケイシー・ニコロウ
    • 脚本賞 ボブ・マーティン、チャド・ベグリン
    • オリジナル楽曲賞 作詞:チャド・べグリン、作曲:マシュー・スクラー
  • 「トッツィー」より。Courtesy of Getty Images
    「トッツィー」
    演出家との関係をこじらせまくる、40歳の俳優マイケル。ある日、彼が演技指導をする生徒が、オーディションに落ちてしまった。納得のいかないマイケルが、女装姿で同じオーディションを受けに行くと、なんと彼は別の役をゲット。マイケルは、姿を偽り働き始めるが……。
    マーキース劇場 / 作詞作曲:デヴィッド・ヤズベック / 脚本:ロバート・ホーン / 演出:スコット・エリス / 出演:サンティーノ・フォンタナ、リリー・クーパー ほか
    10部門11ノミネート
    • 作品賞
    • 主演男優賞 サンティーノ・フォンタナ
    • 助演男優賞 アンディ・グロテルーション
    • 助演女優賞 リリー・クーパー、サラ・スタイルズ ※2名がノミネートされた。
    • オーケストラ編曲賞 サイモン・ヘイル
    • オリジナル楽曲賞 作詞作曲:デヴィッド・ヤズベック
    • 衣装デザイン賞 ウィリアム・アイヴィ・ロング
    • 演出賞 スコット・エリス
    • 脚本賞 ロバート・ホーン
    • 振付賞 デニス・ジョーンズ