第66回岸田國士戯曲賞の授賞式が、昨日4月25日に東京・学士会館で行われた。
第66回岸田國士戯曲賞に選ばれたのは、広島に住む家族を描いた
授賞式の第1部では、選考委員を代表して野田が選考過程について説明。最終候補作品となった9作品のうち、「柔らかく搖れる」「バナナの花は食べられる」、笠木泉の「モスクワの海」、蓮見翔の「旅館じゃないんだからさ」の4作品が残り、最終的に「柔らかく搖れる」「バナナの花は食べられる」が受賞に至ったことを明かす。さらに野田は「『柔らかく搖れる』は、構成がうまいなと舌を巻きました。テーマ的には深刻な作品ですが、福名さんが“ドヤ顔”をしていない作家だからでしょうか。より一層深刻さが伝わってきたように思います。『バナナの花は食べられる』は言葉や文体が素晴らしい。岸田國士戯曲賞にとどまらず、先へ進んで行ってほしいと思います」とコメントした。
続いて、福名と山本があいさつ。福名は「受賞したとき、正直、とても驚きました。いろいろな人からアドバイスをもらって書き上げた作品だったので、1人では成し遂げられなかったと思います。本当にありがとうございました。皆さんのご期待に沿えるよう、これからも作品を書いていきたいと思います」と謝辞を述べる。
山本は「大相撲の取り組み後のインタビューで、みんな『自分の相撲を取るだけです』って言いますよね。それを聞くたびに『定型文だなあ』と思っていたんですけど……(笑)」と前置きしつつ、「こうやっていざ壇上に上がってみると、『感謝だなあ』という気持ちに尽きます」と照れくさそうに笑顔を浮かべる。また、「演劇を続けていく中で、人間的な修行をさせてもらいました。家族がいなかったら、脚本を書き続けられなかったと思います。そしてスタッフ、俳優、劇団員のみんな、こりずに僕と一緒にやってきてくれてありがとう。これからも名作をいっぱい書きたいですし、多作でありたいと思っています。隠すのも嫌なのでぶっちゃけますが、ゆくゆくは選考委員の席は狙っていきたいです(笑)」と晴れやかな表情で語った。
第2部では、福名とゆかりのある三鷹市スポーツと文化財団の森元隆樹演劇企画員、はえぎわの
最後の第3部では、ぱぷりか、範宙遊泳の面々によるパフォーマンスが展開。ぱぷりかは福名が広島県出身であることにちなみ、“広島弁クイズ”を実施。範宙遊泳のメンバーは七福神の面を被り、“三柱遊泳”なるバンドに扮してバンド演奏を披露した。
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若旦那家康(コトリ。をプロデュース) @wacadanna
授賞式の様子って初めて読んだ。楽しそう! https://t.co/fMPooQMBC2