令和4年3月歌舞伎公演「近江源氏先陣館ー盛綱陣屋ー」の取材会が2月中旬に東京都内で行われ、出演者の
「近江源氏先陣館ー盛綱陣屋ー」では、菊之助が、初代中村吉右衛門から二代目吉右衛門へ継承された佐々木盛綱に初役で挑み、菊之助の長男・丑之助が高綱一子小四郎を勤める。また梅枝は、中村時蔵家に代々受け継がれる高綱妻篝火に初役で挑み、梅枝の長男である大晴は盛綱一子小三郎に扮する。
菊之助は「『近江源氏先陣館ー盛綱陣屋ー』は、人と人とのつながりが強く描かれている作品です」と評し、「歌舞伎の時代物の中には、大切なハイセンスなものが隠れています。盛綱という人物を考えると、北條への忠義を立てれば弟の義を殺してしまい、弟の義を立てれば北條への忠義を殺してしまう、という中で首実検に挑み、その中で彼は人間の一番大切にしなくてはいけない“恕(じょ)”、人のことを深く思いやるということを悟ります。首実検にはじっくりと時間をかけますが、その理由はこの“恕”という言葉から読み取ることができます。きっとお客様にも、人と人とのつながりを深く考えていただくきっかけになるのではないでしょうか」と語る。
また菊之助は役への取り組みとして「岳父(中村吉右衛門)の台本が何冊か残っていて、その中には事細かに役について書き残してくださったものがあります。それとは別にこの役で大事なことを岳父がまとめてくださっている書物もございます。それらをひも解きながら、岳父や初代吉右衛門の映像を参考に、そして岳父との共演も多かった、中村歌六のお兄さんや中村又五郎のお兄さん、中村吉之丞さんに助言をいただきながら作っていきたいと思っています」と思いを語った。
梅枝は「兄弟の絆、親子の絆、夫婦の絆というものを非常に強く感じることのできる作品です。あの時代に、人の命よりも大事な、優先順位の高いものがあった中で、その優先順位を捨ててまで、盛綱は人情をもって、家族というものを優先します。ただ、それを1つのホームドラマにしてしまうとこの作品は面白くなってしまいます。非常に大きな時代背景があって、それに巻き込まれてしまった1つの家族にスポットが当たるように、私もそれを肝に命じながら、作品としての大きさを出していきたいと思っております」と意欲を見せた。
丑之助と大晴もそれぞれ意気込みを述べ、丑之助は「大変ですが立派なお役ですので、また演じられてうれしいです。義太夫に合わせたり、最後に倒れたりするところが難しかったので、今度はもっとじょうずにやりたいです」、大晴は「鎧は重いですが、カッコよくなれることが楽しみです」とコメントした。
「近江源氏先陣館ー盛綱陣屋ー」は3月3日から27日まで東京・国立劇場 大劇場で上演される。
令和4年3月歌舞伎公演「近江源氏先陣館ー盛綱陣屋ー」
2022年3月3日(木)~27日(日)
東京都 国立劇場 大劇場
歌舞伎名作入門「入門“盛綱陣屋”をたのしむ」
案内:中村萬太郎
「近江源氏先陣館ー盛綱陣屋ー」
作:近松半二
出演
佐々木盛綱:
高綱妻篝火:中村梅枝
信楽太郎:中村萬太郎
伊吹藤太:中村種之助
盛綱妻早瀬:中村莟玉
高綱一子小四郎:
盛綱一子小三郎:
古郡新左衛門:嵐橘三郎
盛綱母微妙:上村吉弥
北條時政:片岡亀蔵
和田兵衛秀盛:中村又五郎
ほか
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令和4年3月歌舞伎公演「近江源氏先陣館ー盛綱陣屋ー」の取材会が2月中旬に東京都内で行われ、出演者の尾上菊之助、中村梅枝、尾上丑之助、小川大晴が出席した。 / https://t.co/vqZ5XsQI1M / 人と人のつながり描く「近江源氏先陣館」に向け尾上菊之助・中村梅枝ら意気込み - ステージナタリー https://t.co/BbrN1xLxf5