犬を探しに参りましょう、うさぎ庵・工藤千夏の新作「山中さんと犬と中山くん」

渡辺源四郎商店Presents うさぎ庵 Vol.17「山中さんと犬と中山くん」が、9月2日から5日まで東京・アトリエ春風舎で上演される。

「山中さんと犬と中山くん」は、うさぎ庵主宰の工藤千夏が作・演出を手がける新作。出演者には、花組芝居の桂憲一、大井靖彦、八代進一、そしてキャラメルボックスの西川浩幸、PM / 飛ぶ教室の山藤貴子が名を連ね、花組芝居の植本純米が声の出演で参加する。

工藤は、公演チラシの裏に「この1000年、悲しいくらい一緒に戦い続けている同士と手に手をとって、犬を探しに参りましょう。おかえりなさい、シロ！ ここは、うさぎ庵です」とメッセージをつづった。なお9月8日には、東京・こまばアゴラ劇場から無観客ライブ配信が実施される。

工藤千夏コメント

コロナの世の中になって変わったことがいくつかある。朝、羽鳥さんと玉川さんの顔を見ないと落ち着かなくなった。口紅が減らなくなった。わざわざ一番遠いスーパーに買い物に行くようになった。猫より犬が好きになった。忘れっぽくなった。店の名前が思い出せない。えーっと……ガラス玉遊戯！ 時が経つのが速すぎて、気がつけばいつも木曜日。お元気ですか？ 最近、お会いしていませんね。もういないことすら忘れて電話しそうになる。大丈夫、番号は絶対に消去しないから。旅に出たのはコロナ前だったけれど……2年前なのか、20年前なのか。え？ 100年前？ 日常が不条理だと、不条理がスタンダードになる。ごめんなさい。揺蕩うって書けませんでした。だから、たゆたう。たゆたうとき、たゆたえば、たゆたえ。この1000年、悲しいくらい一緒に戦い続けている同士と手に手をとって、犬を探しに参りましょう。おかえりなさい、シロ！ ここは、うさぎ庵です。