2月から3月にかけて上演される「ローズのジレンマ」の製作発表記者会見が、昨日1月12日に東京都内で行われた。
「ローズのジレンマ」はニール・サイモンが晩年に発表したコメディ。今回は
ローズ役の大地は「膨大ですが、無駄のないセリフの応酬が続きます。登場人物は4人だけなので、よりチームワークが求められそう。皆さん、キャラクターそのまんまかな?というくらい適役です」と上演に期待を寄せる。また作品のタイトルにちなみ、最近感じたジレンマを尋ねられた大地は、ドラマの撮影のためタイトなスケジュールで過ごしていたことを挙げ、「本当は帰宅したら台本を読んだり睡眠をとったりしなくてはいけませんが……飼いネコと触れ合いたくて『どうしよう!』と思いました(笑)」と愛猫家らしいエピソードを披露した。
ローズの助手・アーリーン役の神田は、本作が久しぶりのストレートプレイとなる。神田は「言葉の“トリック”を解き明かしたり、キャラクターを読み解いたりして、すごく重要な時間でした」と読み合わせを振り返り、「コメディセンスあふれる共演者の皆さんと、幸せな時間を過ごしています」と稽古の充実ぶりをのぞかせた。
若手作家・クランシー役の村井は「言葉を大事にしている台本です。手強いですが、創作の楽しさを感じられる演目だと思いました」とコメント。村井は神田から小道具を見せられ、「『村井さん、これなんて言ってると思います?』と、小道具を使った“ボケ”を求められました(笑)」と稽古場での裏話を明かして報道陣の笑いを誘う。さらに見どころを尋ねられた村井は、劇中にキスシーンがあることを説明。続けて「コロナ禍ですので、唇に触れないでキスしているように見せる演出になるかもしれません。その場合はぜひ大地さんに、“宝塚式”のカッコいいキスシーンをご教授いただきたいのですが……」と大地に水を向けると、大地は「お任せください! 美しいラブシーンにしましょう」と快諾した。
ローズの亡くなったパートナーで、ローズにしか見えない亡霊となったウォルシュ役を演じるのは別所。別所は「皆さん今、僕のことが見えていますか?」と報道陣に問いかけて笑いを誘い、「僕は体が大きいので、(装置に)ぶつかったり、お客様に『危ういな』と心配されたりしないようにがんばります(笑)」とちゃめっ気たっぷりに話す。上演に向けては「共演者の皆さんと一緒に、目には見えない大切なものを、笑いを交えながら“弦楽四重奏”のように奏でられたらと思います」と抱負を述べた。
小山は「キャストがお1人ずつ、とても個性的で素晴らしい。今は立ち稽古に入ったところですが、大地さんをはじめ、皆さんが出してくださるアイデアが本当にすごいんです。私も日々、とても楽しく稽古をしています」と出演者たちに厚い信頼を寄せる。さらにカーテンコールで、キャストによる歌唱が予定されていることも小山により明かされた。
会見では、「紫式部ものがたり」以来、約13年ぶりに共演する大地と神田が、互いの印象を口にする場面も。プライベートでも神田と親交がある大地は「すごく成長したなと思います。稽古への取り組み方が変わったなと。それと……やせたよね!」と神田にいたずらっぽい笑顔を向ける。神田ははにかみながら「13年前の私は20歳そこそこで、セリフの一言目を発するのも怖かった。憧れの真央さんとの共演で萎縮していたんです。13年の間に素晴らしい作品に携わり、その経験に恥じないためにもチャレンジしたいです」と決意を口にした。さらに神田が「稽古では、13年前と変わらない真央さんを穴があくほど見つめています」と大地に視線を送ると、大地も「そんなところで笑う?というシーンで『ワハハ!』と聞こえたかと思うと、さや(神田)なんです」と微笑んだ。
最後に大地が「こういう時代だからこそ、笑いと少しの涙があり、元気が出るような作品に仕上げられたらと思います」とあいさつし、会見は終了した。公演は2月6日から25日まで東京・シアタークリエ、27日から3月1日まで大阪・新歌舞伎座、3日に愛知・刈谷市総合文化センター アイリスにて。
「ローズのジレンマ」
2021年2月6日(土)~25日(木)
東京都 シアタークリエ
2021年2月27日(土)~3月1日(月)
大阪府 新歌舞伎座
2021年3月3日(水)
愛知県 刈谷市総合文化センター アイリス
作:ニール・サイモン
翻訳・演出:
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