後藤ひろひと作のハードボイルドコメディ「天才脚本家」福永郁央の演出で上演

Fukunaga IKUO Presents「天才脚本家～アナタニナラ騙サレタイ～」が、4月24日から26日まで福岡・ぽんプラザホールで上演される。

Fukunaga IKUO Presentsは、あなピグモ捕獲団主宰の福永郁央らによるプロデュース企画。今回は2001年にG2プロデュースとして上演された後藤ひろひと作「天才脚本家 僕らはみんな騙される」を福永の潤色・演出で立ち上げる。

劇中ではハードボイルドコメディが展開。やらせ専門のディレクター春木は、世間を賑わせた猟奇殺人事件の裏に天才的な脚本家の存在をつきとめる。陰謀と報道の間には驚愕の事実が隠されていて……。キャスト・スタッフには福岡を中心に活動するメンバーが集結した。

なお、上演にあたっての後藤からのメッセージは以下の通り。

後藤ひろひとコメント

2001年。今しか書けない物を書こうと思ってこの作品を執筆した。
2002年に上演したら既に時代遅れと言われる事を想定し、とんでもなく賞味期限の短い作品を作ろうとして本作に挑んだ。ところが完成間際にすべてがひっくり返された。アメリカでの9.11同時多発テロ事件だった。私が書こうとした「今」が一瞬で「過去」になった。
そこで脚本をゼロから書き直した。既に稽古が進んでいた稽古場はスタッフもキャストも大パニックに陥った。プロデュースサイドは「脚本は今のままでいい」と私を説得にかかったが、私はそれを拒み、やがてこの作品が産まれた。そして上演後に作品を封印した。
この作品がもう世の中に不必要であって欲しいと願ったからだ。

2020年になって古い演劇仲間である渡辺琢磨から連絡があり、この作品を福岡で上演したいと言われた。いつもならば即答で断るのだが、ふと世の中を見渡してみると、この作品が必要になっていた。
みんなから疑われる政権トップ。ネットニュースをそのまま信じて動かされる大衆。政治スキャンダルのたびに薬物で逮捕される大物芸能人……。