成河&渡辺大知、村上春樹作品の美を表現「ねじまき鳥クロニクル」開幕

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舞台「ねじまき鳥クロニクル」が、本日2月11日に東京・東京芸術劇場 プレイハウスで開幕した。これに先駆け、昨日10日にゲネプロが行われた。

舞台「ねじまき鳥クロニクル」より。(撮影:田中亜紀 / 提供:ホリプロ)

舞台「ねじまき鳥クロニクル」より。(撮影:田中亜紀 / 提供:ホリプロ)

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舞台「ねじまき鳥クロニクル」キービジュアル(提供:ホリプロ)

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本作は、村上春樹の長編小説「ねじまき鳥クロニクル」を原作とした舞台作品。「100万回生きたねこ」や「百鬼オペラ『羅生門』」で知られるイスラエルのインバル・ピントが演出・振付・美術を手がけ、イスラエルを拠点に活動するアミール・クリガーと、マームとジプシーの藤田貴大が脚本・演出を担当する。演出チームは、全3巻の長編小説を舞台化するにあたって、物語の核となる部分を残しつつ、大幅な翻案や設定変更などを行ったという。

舞台「ねじまき鳥クロニクル」より。(撮影:田中亜紀 / 提供:ホリプロ)

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キャストは“演じる・歌う・踊る”“特に踊る”“演奏”という3つのセクションに分かれていて、“演じる・歌う・踊る”には成河渡辺大知門脇麦ら、“特に踊る”には気鋭のダンサー陣、“演奏”には本作の音楽を手がける大友良英らが名を連ねている。

主人公の岡田トオルは妻のクミコと平穏な日々を過ごしていたが、飼い猫の失踪や謎の女からの電話をきっかけに、奇妙な出来事に巻き込まれていく。そんなある日、クミコが忽然と姿を消し……。

幕が開くと、仄暗い舞台上に、巨大な壁に囲まれた八百屋舞台が出現。舞台奥から客席に近付くにつれてだんだんと間口が広くなっており、可動式パネルの有無によってシーンごとのアクティングエリアが変化する。また客席の上手前方には、大友ら3人のミュージシャンのための演奏ブースが設けられた。

舞台「ねじまき鳥クロニクル」より。(撮影:田中亜紀 / 提供:ホリプロ)

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舞台「ねじまき鳥クロニクル」より。(撮影:田中亜紀 / 提供:ホリプロ)

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変幻自在の演技力でさまざまな役柄を演じてきた成河と、純朴で朗らかなイメージを持つ渡辺。まったく個性の異なる2人が、Wキャストという形ではなく、岡田トオルという人物が持つ多面性を2人で体現する。特に印象的なのは、2人が絡み合うように踊りながら自問自答する場面だ。このほかにも、クミコの兄・綿谷ノボル役の大貫勇輔と、霊媒師・加納クレタとその妹・マルタ役を演じる徳永えりが、叩きつけるような動きで陵辱を表現する暴力的なダンスや、ダンサーたちの柔軟性に富んだ生々しいパフォーマンスが、大友らの生演奏に乗せて繰り広げられる。躍動する俳優たちの肉体、シンプルで無機質でな舞台機構、さまざまな要素が共存することによって、複雑で難解な村上作品の持つ美しさが表現されている。

舞台「ねじまき鳥クロニクル」より。(撮影:田中亜紀 / 提供:ホリプロ)

舞台「ねじまき鳥クロニクル」より。(撮影:田中亜紀 / 提供:ホリプロ)[拡大]

開幕に際し、成河は「レシピのないものをレシピのないままに創り続けてきました」「何かひとつのジャンルで語ることのできない、語らせないような強度と美しさのある作品です」とコメント。一方、渡辺は「一つ一つのシーンが、細部にいたるまで綿密に形づくられています。それを感じていただけたら嬉しいです。観た方にはぜひ、色んな想像をしてほしいと思っています」と観客に呼びかけた。

上演時間は休憩ありの約3時間。東京公演は3月1日まで行われ、その後、3月に大阪と愛知で上演される。

成河コメント

レシピのないものをレシピのないままに創り続けてきました。本当に全員で創ったと言えるものになっていると思います。誰のものでもない、でも同時に誰のものでもある、観客の皆さんにとってもそう言えるものになるように願っています。
何かひとつのジャンルで語ることのできない、語らせないような強度と美しさのある作品です。
是非、いろいろな見方で楽しんで頂けると幸いです。

渡辺大知コメント

稽古場では、スタッフ・キャスト全員であらゆる角度からアイデアを出しながら、
この「ねじまき鳥クロニクル」という作品に向けて色んな実験を繰り返してきました。
ダンスやフィジカルの使い方など、知らないことや慣れないことも多くありましたが、
その実験をしている時間が僕はとにかく好きでした。
最初はどんな舞台になるのか、想像もつきませんでしたが、
いまようやく初日を迎えようとしています。
一つ一つのシーンが、細部にいたるまで綿密に形づくられています。
それを感じていただけたら嬉しいです。観た方にはぜひ、色んな想像をしてほしいと思っています。
この作品を観て、なにか刺激を受けていただけたら幸いです。

門脇麦コメント

劇場に入って、これまで稽古場でつくってきたものに、美術や照明やすべてが加わって、やっとインバルの脳みその中が分かってきました。
ついに色んなピースがはまったな、という感覚です。
正直、私も客席で観てみたい!
間違いなく楽しんでいただけるので、隅々まで目を凝らして
インバルのエッセンスを心ゆくまで浴びて頂きたいです。
お楽しみに!

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舞台「ねじまき鳥クロニクル」

2020年2月11日(火・祝)~3月1日(日)
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス

2020年3月7日(土)・8日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

2020年3月14日(土)・15日(日)
愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール

原作:村上春樹
演出・振付・美術:インバル・ピント
脚本・演出:アミール・クリガー
脚本・演出:藤田貴大
音楽:大友良英

キャスト

演じる・歌う・踊る
岡田トオル:成河渡辺大知
笠原メイ:門脇麦

綿谷ノボル:大貫勇輔
加納クレタ / マルタ:徳永えり
赤坂シナモン:松岡広大
岡田クミコ:成田亜佑美
牛河:さとうこうじ

間宮中尉:吹越満
赤坂ナツメグ:銀粉蝶

特に踊る(五十音順)
大宮大奨、加賀谷一肇、川合ロン、笹本龍史、東海林靖志、鈴木美奈子、西山友貴、皆川まゆむ

演奏
大友良英、イトケン、江川良子

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メ~チケ(メ~テレイベント) @event_nagoyatv

【#ねじまき鳥クロニクル】祝!東京公演開幕!!
名古屋公演は3月です!!

【公演レポート】成河&渡辺大知、村上春樹作品の美を表現「ねじまき鳥クロニクル」開幕(コメントあり) https://t.co/OqvS2rGa6H

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