岩井秀人の「いきなり本読み!」、初回は大爆笑で「おとこたち」を“本読み!”

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岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!」が、2月3日に東京・浅草フランス座演芸場 東洋館にて行われた。

岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!」より。

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岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!」より。

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「いきなり本読み!」は、“集まった俳優たちが、それまで読んだこともない台本の読み合わせを客前でする”企画。俳優には事前に演目は知らされず、配役も当日その場で決定される。まず舞台に姿を現したのは岩井。“東洋館”と名前が入った法被にキャップ姿の岩井は、観客に向けて会の趣旨を説明する。「俳優の方だとよくわかると思うんですけど、稽古や本番が長いと『そもそも何をやってるんだっけ?』と思ってしまうときがあって。じゃあ幸福な時間はいつか、と考えると一番最初に台本を読んだ、“本読み”のときじゃないかなと。そういう意味で今日は“エクストリーム本読み”になると思います!」と宣言すると、会場から大きな笑いが起きた。

岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!」より。

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続けて出演者たちが舞台に姿を現す。皆川猿時岸井ゆきの今井隆文後藤剛範が着席したところで、手書きで「かみき(隆)」と書かれた紙をヒラヒラと持ちながら神木隆之介が登場。神木、岩井、皆川は2月2日に「キレイ―神様と待ち合わせした女―」の大千秋楽を終えたばかりで、思いがけない神木の登場に、会場は大きく沸いた。

岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!」より。

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全員が登壇したところで岩井が、「今日は、短いシーンを繰り返して変化を見るか、シーンを長く続けていくか、2つのやり方があると思うんですよね……」と出演者と観客に話しかけると、会場の雰囲気から短いシーンを繰り返すことに決定。「じゃあいよいよ台本に……あ! 楽屋に台本忘れた!」と岩井が慌てて台本を取りに楽屋に戻り、思いがけない展開に出演者も観客も爆笑した。

岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!」より。

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ほどなくして、台本を手にした岩井が登場。台本を配り、いよいよ本読みがスタートする。舞台後方のスクリーンに「津川、山田、鈴木、修女1、修女2」と役名が映し出されると、ピンと来た観客が「あー!」と反応。第1回の“本読み”に選ばれたのは、2014年に初演、2016年に再演された岩井の人気作品「おとこたち」だ。まずはあらかじめ岩井が決めていた配役で、戯曲の途中、14場から本読みが始まった。皆川はスピード感ある劇的な口調で鈴木を、岸井はどことなくセクシーになってしまう修女1を、今井は岸井とは異なるセクシーさで修女2を、後藤は言動はおかしいが愛嬌溢れる津川を、そして初舞台の「キレイ」で吹っ切れた演技を見せた神木は、普通の人に見えるがちょっと感覚がヘンな山田を、声だけで演じてみせる。

岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!」より。

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14場を1回通し読み終えたところで、岩井が「……皆川さん、読んだことないんですよね?(笑)」と皆川に確認。「ある程度戯曲を読み込んでいないとできないレベルのことが、もうできてますね」と岩井が皆川を賞賛すると、初見の戯曲を中盤からいきなり読むことになった皆川が、「なんなの? これ」と返し、会場から笑いが起きた。岩井が、本作は4人の男たちの24歳から82歳までを描いた作品であること、それぞれの役がどのようなバックボーンを持っているかなどをざっと説明して、もう一度同じ配役で同じシーンを読むことに。すると、後藤を筆頭にそれぞれの読み方に変化が表れた。後藤の変化に岩井が絶妙なツッコミを入れると、キャストもスタッフも一緒になって、大きな笑い声が上がった。

岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!」より。

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2回目の本読みを終えて、岩井が出演者にどんな変化を感じたかを尋ねる。神木は「初見ではコメディなのかシリアスなのかを考えて、台本に『!』が多いな、とか音引きが『ー』じゃなくて『~』だからコメディなのかなと考えながら読みました」と答える。するとほかの出演者からも音引きの使い方で読み方のニュアンスを変えるという意見が上がり、岩井は「え? そうなの?」と驚きを見せた。また皆川が、「『エレメント』なんて言葉を言ったことがなかったから、言ってみたくてテンションが上がっちゃった(笑)」と話すと、会場から再び笑い声が起きる。後藤は「コメディかシリアスかということを考える余裕はなくて、ただただ岩井さんの言葉通りにやるだけです」と真摯に答え、その様子に会場は再び沸いた。

岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!」より。

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その後、配役を変えて再度14場を読み、岩井がその場で少し配役を変えながら、15場1、15場2と台本を読み進めた。「何も言うことがないですね、もうできてますね……!」と岩井が感心すると、皆川は「あなたすごいね。先がどんどん読みたくなるね!」と言い、今井も「やっぱり台本がいいんですよねえ」と続け、岸井、後藤、神木が大きく頷いた。

岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!」の会場となった東洋館。

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そのまま時間いっぱいまで「おとこたち」を読み進め、「いきなり本読み!」の第1回は終了。岩井は「僕は非常に楽しかったです!」と満面の笑顔を見せ、出演者たちもホッとしたような笑顔で舞台をあとにした。

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岩井秀人(WARE)プロデュース「いきなり本読み!」

2020年2月3日(月)※公演終了。
東京都 浅草フランス座演芸場 東洋館

出演:岩井秀人皆川猿時岸井ゆきの今井隆文後藤剛範神木隆之介

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熊井玲 @rei720

マジでこの日は風邪がひどく、ペン持つ力もなくてメモもそこそこでしたが、脳裏にしっかり焼き付いててすらすらレポ書けました。次回も期待。
https://t.co/qNW6jmObbR

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