「母を逃がす」は、松尾率いる大人計画が1999年と2010年に上演した作品。架空の農業コミューンを舞台に、そこに生きる人々の切実な日常生活が痛烈な笑いを持って描かれる。今回の上演版では、住民たちをまとめるリーダー的存在・雄介役に
同劇場の新芸術監督である松尾は、「芸術監督ともなれば、新しい演出家をコクーンに呼びこむというような仕事もあり、そうなると、真っ先に頭に浮かんだのが、ノゾエ征爾なのだった」「実力のある俳優も集まり、楽しみである」と上演への期待を語った。
チケットは3月1日発売。なお6月上旬には大阪公演も予定されている。
松尾スズキ コメント
芸術監督ともなれば、新しい演出家をコクーンに呼びこむというような仕事もあり、そうなると、真っ先に頭に浮かんだのが、ノゾエ征爾なのだった。彼が私の教え子であることを差し引いても、コクーンという劇場の空間を埋めるスペクタクル演出のできる数少ない若手演出家なのに、なぜ早くコクーンに出てこないのだと思ってすらいた。私は、ノゾエ作品のファンだ。音楽を扱えることも含め、ノゾエ作品にはハナと、笑いと、切なさがある。不条理でわけがわからない、と思いつつ、なぜか涙が出そうな瞬間もある。それは、ノゾエが上手だからだと思う。拙作「母を逃がす」を演出してもらいたいと提言した。実力のある俳優も集まり、楽しみである。
ノゾエ征爾 コメント
このとんでもなくモンスターな本とどう取っ組み合おうかと、考えたところで分かりそうになかったので、ひとまず無邪気に取っ組みあってくれそうな方々を呼ばせていただきました。
揃いました、素晴らしき珍獣たち。
母を逃がす。この獲物は逃がすまい。
瀬戸康史 コメント
お話をいただいた時、この世界には足を踏み入れてはいけないような気がして、何とも言えない感情になったのを覚えています。
しかし、見たことのない世界って足を踏み入れたくなるものです。
ノゾエさんとは初めてご一緒しますが、その場に生きる人間の心を大事に演出される印象なので、丁寧に作っていければと思います。
また、松尾さんの脚本はありえないフィクションなのに、あたかもその世界が当然にあるかの様に錯覚してしまう……
そこに身を任せ、この作品に集まった猛者たちと協力して、作中にもあるような何が起ころうと絶対に崩れないコミュニティを築ければと思います。
三吉彩花 コメント
初めてのことは人生でそれぞれ一度ずつしかありません。
また新たなる「初めて」を経験させて頂くことになり、緊張と興奮で震えます。
年々流行や物事の流れが早くなっている今の時代に良い意味で刺さる、そしてブレない戯曲を上書きしていけるよう、先輩方に教わりながら精一杯演じさせていただきたいと思います。
シアターコクーン・オンレパートリー2020「母を逃がす」
2020年5月7日(木)~25日(月)
東京都 Bunkamura シアターコクーン
※2020年6月上旬に大阪公演あり。
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稲葉友 @lespros_inaba
シアターコクーン・オンレパートリー2020『母を逃がす』に出演します。是非とも皆さま劇場へ足をお運びください。
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