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「ダンス オブ ヴァンパイア」開幕に山口祐一郎「若人たちとがんばりたい」

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ミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」より、山口祐一郎扮するクロロック伯爵。

ミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」より、山口祐一郎扮するクロロック伯爵。

ミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」が、本日11月5日に東京・帝国劇場で開幕する。初日に先駆け昨日4日、初日前会見とゲネプロが実施された。

本作は「エリザベート」「モーツァルト!」で知られるミヒャエル・クンツェが脚本・歌詞、ジム・スタインマンが音楽を手がけた、オーストリア・ウィーン発のミュージカル。演出は山田和也が担当している。

舞台は極寒のトランシルバニア。村人たちが「ガーリック、ガーリック」と歌って大騒ぎする宿屋に、吹雪に凍りついて気絶した老教授アブロンシウスと、彼を抱えた若き助手アルフレートが転がり込んでくる。ヴァンパイア研究の旅をしている彼らは宿屋に滞在することになり、アルフレートは宿屋の娘サラに恋をする。しかしサラは、ヴァンパイアのクロロック伯爵から舞踏会に招かれることを夢見ていて……。

開演すると、雪のような白いドット柄の照明が何度も客席や舞台を通り過ぎ、吹雪のトランシルバニアを表現。ステージ上部には牙をかたどった装置が取り付けられ、時折赤く光ることでヴァンパイアが跋扈する世界のイメージを強調した。

山口祐一郎はワイン色に輝く長髪をなびかせ、永遠を生きるクロロック伯爵の孤独を神秘的な佇まいで体現。1幕最後に歌われる伯爵のナンバーでは高らかなロングトーンを響かせ、会場から大きな拍手を浴びた。昨日のゲネプロでサラ役を務めた神田沙也加は、お風呂に入るのが大好きなサラをチャーミングな笑顔で好演し、相葉裕樹はアルフレートの不器用さや気弱さを豊かな表情で演じる。さらにアブロンシウス教授役の石川は、相葉演じるアルフレートと軽妙なやりとりを披露し、会場を惹きつけた。

クロロック伯爵の息子・ヘルベルト役の植原卓也は、シースルーの黒いレースでできた衣装で登場。妖艶なダンスでアルフレートに熱烈にアプローチし、場内を大いに盛り上げた。また伯爵やサラ、アルフレートの化身となって踊るヴァンパイア・ダンサーたちも見どころの1つ。この日のゲネプロには森山開次が登場し、指先まで神経の行き届いたダイナミックな踊りで、クロロック伯爵の心情を表現した。

劇中では、宿屋に設置された大量のニンニクや血糊、重厚な城門、ボロボロのドレスを着たヴァンパイアの一団などが、ゴシックホラーのムードを高める。その一方で「ベジタリアンになります」と宣言するヴァンパイアや、ボタンを押すと十字架になる傘なども登場し、コミカルな描写で場内を和ませた。カーテンコールにはキャストによる振付の指導コーナーも設けられるので、ぜひ出演者と一緒にダンスを楽しんでみては。

ゲネプロ前に行われた会見には、「熱烈歓迎 帝国劇城」と大書されたパネルの前に出演者たちが出席。2006年の初演からクロロック伯爵役を務める山口は「こんにちは、こんばんは、おはようございます」と朗らかに挨拶し、新キャストに視線を送りながら「皆さんのパワーや真摯な態度が素晴らしい。魅力的な若人たちと一緒にがんばりたい」と意気込みを語る。さらに山口は会見序盤にもかかわらず「せーの! お待ちしておりまーす!」と共演者を巻き込んで場を締めくくろうとし、会見場を大きな笑いで包んだ。

前回に続いてサラ役を務める神田は、続投の喜びをのぞかせながら「これからの季節にぴったりの作品だと思うので、お客様にも楽しんでいただけると思います」と笑顔を見せる。同じくサラ役で、今回が初参加の桜井玲香も「この作品を待ちわびていた方がたくさんいらっしゃると思います。客席の皆さんと一緒に楽しめたら」とコメントした。

気弱なアルフレート役の相葉、東啓介はいずれも初出演。相葉は「ワクワクドキドキしています。先輩方に支えていただきながら、大真面目にバカをやってお客様と一緒に楽しめたら」と抱負を述べる。身長187cmの東は「デカい僕がアルフレートでいいんだろうかと思いますが……」と前置きし、「ギャップを生かしながら(笑)役作りをしてきました。新たな試みもありますので、お楽しみに!」と期待を煽った。

石川は今回の上演版から舞台装置が一新されたことに触れ、「重厚感のある芸術作品のような、素晴らしい美術です。一度ご覧になった方も、また新たな感動を味わえると思います」とメッセージを送り、「私は体力的にも相当大変なのですが(笑)、どうぞお楽しみに」と呼びかけた。

会見では欲望のまま生きるヴァンパイアを描く本作にちなみ、司会者がキャストにどうしてもやめられないことを尋ねる場面も。桜井がはにかみながら「食べることです。遅くまで稽古した日でも、気付いたら家で1人鍋を始めちゃったり……」と回答すると、隣の石川から「かわいい!」と笑いが漏れる。一方、神田も「チョコレートです! 寝る前に歯を磨いたのにチョコを食べて、結局もう一度歯を磨いて寝る……というサイクルがやめられません(笑)」とエピソードを披露した。

最後に司会者が改めて山口に締めの挨拶を求めると、山口は出席者たちにセリフを割り振って3回ほど練習を繰り返す。その後、キャストたちが「ミュージカル『ダンス オブ ヴァンパイア』、劇場でお待ちしておりまーす!」とカメラに手を振り、会見は終了した。

上演時間は休憩25分を含む3時間5分を予定。東京公演は11月27日まで帝国劇場で行われ、その後、12月15日から21日まで愛知・御園座、2020年1月1日から7日まで福岡・博多座、13日から20日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演される。

ミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」

2019年11月5日(火)~27日(水)
東京都 帝国劇場

2019年12月15日(日)~21日(土)
愛知県 御園座

2020年1月1日(水・祝)~7日(火)
福岡県 博多座

2020年1月13日(月・祝)~20日(月)
大阪府 梅田芸術劇場 メインホール

脚本・歌詞:ミヒャエル・クンツェ
音楽:ジム・スタインマン
演出:山田和也

キャスト

クロロック伯爵:山口祐一郎

サラ:神田沙也加 / 桜井玲香(Wキャスト)
アルフレート:相葉裕樹 / 東啓介(Wキャスト)
マグダ:大塚千弘
シャガール:コング桑田
レベッカ:阿知波悟美
ヘルベルト:植原卓也
クコール:駒田一

アブロンシウス教授:石川禅

ヴァンパイア・ダンサー:森山開次 / 佐藤洋介(Wキャスト)
ほか

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