思いが歌になる、岩井×前野×松尾の音楽劇「世界は一人」稽古中

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2月24日に東京・東京芸術劇場 プレイハウスで開幕する、岩井秀人の新作音楽劇「世界は一人」の稽古が、過日公開された。

「世界は一人」稽古の様子。(c)平岩享

「世界は一人」稽古の様子。(c)平岩享

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「世界は一人」稽古の様子。(c)平岩享

「世界は一人」稽古の様子。(c)平岩享[拡大]

本作は、かつて鉄鋼で栄えたある街に生まれた、同級生3人を巡る物語。仲のいい両親に育てられた吾郎(松尾スズキ)、家庭の温もりを知らない美子(みこ / 松たか子)、反骨精神の塊のような良平(瑛太)の3人は、小学校から高校まで、お互いを意識しながら共に成長する。歳を重ねるにつれ、それぞれの環境は変化していき……。

物語は3人の成長を追いながら、幾層かの時空間で構成される。稽古場中央には回転式の大きな舞台美術が組まれ、奥には本作限定バンド“前野健太と世界は一人”のメンバーが控えた。

「世界は一人」稽古の様子。(c)平岩享

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コミカルさとシニカルさを孕んだセリフの応酬は、最後まで展開が読めない。松尾は家族や友達とうまく折り合えない吾郎の戸惑いを、細やかな仕草と多彩なセリフ回しにより、抑えた演技で表現。松は感情の振り幅が大きい美子と吾郎の母・和枝の2役を、激しさと哀しみを同居させながら演じる。瑛太は、内に秘めた感情の熱を時折覗かせながら、舞台に深い闇を作り出した。

「世界は一人」稽古の様子。(c)平岩享

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また平田敦子演じる吾郎と美子の娘・藍、菅原永二演じる吾郎の父・三郎、平原テツ演じる美子の友人・沢本はじき、古川琴音演じる吾郎に恋する老婆・ヒジリキと、平凡そうに見えてどこかに狂気を秘めた、色濃い登場人物たちが彼らを取り囲む。そんな彼らの感情の高まりは、音になり歌となって、空間を豊かに満たしていく。前野健太演じるマエキンとキャストによる、本作でしか聴くことができないドラマチックな歌声に期待しよう。

上演に向けて岩井は「電車の中、道端、明け方に歩く顔の見えない人々の中に、そういった色合いの人生が普通に存在している、ということを、僕は深く知っておかなくちゃいけない。僕が書く理由はそんなところなのだと思っています」とコメント。前野は稽古の手応えを語りつつ、「本番でも俳優さんたちの演技をしっかり見ながら演奏ができれば、岩井さんが描きたかったものや歌心がお客さんに伝わるのではないかなと思っています」と意気込みを述べた。

東京公演は2月24日から3月17日まで、東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて。その後、3月23・24日に長野・サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホール、3月28日から31日に大阪の梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ、4月5・6日に宮城・電力ホール、4月9日に三重・三重県文化会館 中ホール、4月13・14日に福岡県 北九州芸術劇場 大ホールにて上演される。

岩井秀人コメント

「世界は一人」稽古の様子。(c)平岩享

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今回もこれまでの作品と同じように、実在するとある男性の半生についての物語が中心になっています。彼の人生は、僕の人生とはまったく似ていなかったけど、なぜか何年間も僕の中にどっしりと存在していて、その物語をいつかは書いてみたいと思っていました。電車の中、道端、明け方に歩く顔の見えない人々の中に、そういった色合いの人生が普通に存在している、ということを、僕は深く知っておかなくちゃいけない。僕が書く理由はそんなところなのだと思っています。

前野健太コメント

松尾さんや松さんが、仕草を加えながら歌っているのを見ながら演奏していると、自分の中でもブワッと何かが芽吹く瞬間があり、岩井さんが書いた歌詞や歌が、観たことがない“音楽の劇”として花開く瞬間が、稽古場で既にありました。本番でもその感じを忘れずに、俳優さんたちの演技をしっかり見ながら演奏ができれば、岩井さんが描きたかったものや歌心がお客さんに伝わるのではないかなと思っています。

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「世界は一人」

2019年2月24日(日)~3月17日(日)
東京都 東京芸術劇場 プレイハウス

2019年3月23日(土)・24日(日)
長野県 サントミューゼ 上田市交流文化芸術センター 大ホール

2019年3月28日(木)~31日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ

2019年4月5日(金)・6日(土)
宮城県 電力ホール

2019年4月9日(火)
三重県 三重県文化会館 中ホール

2019年4月13日(土)・14日(日)
福岡県 北九州芸術劇場 大ホール

作・演出:岩井秀人
音楽:前野健太
出演:松尾スズキ松たか子瑛太 / 平田敦子菅原永二平原テツ、古川琴音

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平田敦子 @hiraatsu

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