2月に東京・新橋演舞場で上演される「二月競春名作喜劇公演」の製作発表記者会見が、本日12月12日に東京都内で実施された。
本公演は創始130年の
安孫子副社長は、新派と新喜劇が共に作り上げる本公演に「私は製作に携わる人間であると同時に芝居好きでもあるので、大変興味を持っています」と期待を寄せる。ゲスト出演する藤原については「(片岡)愛之助さんの奥様でいらっしゃる紀香さんは、私たちの身内のようなもの」と笑いを交えつつ、「新派も松竹新喜劇も新しい作品を作りながら地道に活動している。1人でも多くの方に知っていただければと思いますので、ご声援いただければ幸いです」と呼びかけた。
「おばあちゃんの子守唄」に出演する八重子は、藤山寛美が出演した「船場の子守唄」のビデオを観たと話す。八重子は「寛美先生は言いたいことを言って、お客さんにウケていらして……『こりゃ無理だ、私には到底できるもんじゃない。もしこの役をやるなら私の女優生命は終わりだ』と思った」と不安をのぞかせつつ、「子供のいない私ですが、猫をかわいがっておりますので、小さな命の大切さから人情をお客様にわかっていただければなんとかなるのではないかと。私なりに『おばあちゃんの子守唄』を勤められたら」と力強く語る。さらに八重子が隣に座る天外に「新派から“派遣”されますが、一番下の者として岡持ちを持つような気持ちでまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします」と丁寧に一礼し、共演者を笑わせた。
八重子の次にマイクを握った久里子は「やだなあ、お姉ちゃま(八重子)のあとは……」と笑いながら「大好きな演目なので心からうれしい。こいつは春から縁起がようございます!」と気合十分。これまでも「太夫さん」でおえい役を5回演じてきた久里子は、6回目となる同役での出演に際し「花柳(章太郎)先生はおえい役を6回やってらっしゃる。回数だけは勝てるかもと思いますけど、何回もやればいいってもんじゃありませんね(笑)」と茶目っ気たっぷりに話して記者たちを笑わせつつ、「大事に勤めさせていただきます」と意気込んだ。
天外は自身が出演する「おばあちゃんの子守唄」を「孫、親、おばあちゃんの3世代の絆を描いている」「世代の乖離があったとしても、縦の絆を描いたこの芝居を観てお互いを思いやる気持ちを思い出していただきたい、というのが主題」と紹介しつつ、「主役が替わるたびに作品の匂いが変わる」と期待を煽る。記者から意気込みを尋ねられると、天外は「セリフを少なくしたいですね」と即答し、「いつの間にか増えているので、稽古中にどれだけ切ろうかと算段しています」と冗談を飛ばして会見場を笑いで包んだ。
扇治郎は「新派と松竹新喜劇、合わせて200年の公演に出演できることが本当にうれしい」と喜びを口にする。八重子や久里子の印象を尋ねられると、扇治郎は「お2人は“自由の女神”と言いますか……すみません、うまく例えられないんですが、とても大きな存在ということです!」と回答して共演者の笑いを誘い、久里子との交流を「中華(の出前)をとてもたくさん取ってくださって、ちょっと残ると『なんで食べないのよ!』っておっしゃって……」とエピソードを明かす。また八重子についても「隣にいるだけで心癒やされます。たまにギャグをおっしゃる」と紹介して会場を和ませ、「素晴らしい先輩方との共演が糧になると思います」と意気込んだ。
「新派や松竹新喜劇の皆様と同じ舞台に立てるなんて、役者のはしくれとして幸せ」と胸の内を明かすのは、花魁の姿がデザインされたドレスをまとった藤原。「華の太夫道中」で喜美太夫役を演じる藤原は、これまでに「太夫さん」で京塚昌子や八重子、藤山直美が演じてきた同役を勤めることに「緊張しております」と言い、「ビデオを擦り切れるほど観ましたが、皆さんのまねはとてもできません。本気で稽古に向かい合って、私なりのきみ子を模索したい」と真摯に述べる。さらに藤原は初の太夫役のために三味線を始めたと話し、「ここ(新派や松竹新喜劇)には、いろんなことができて当たり前の方々がいらっしゃる。もっともっと女優として勉強していかなあかんと思います」と抱負を語った。
「華の太夫道中」の演出は大場正昭、「おばあちゃんの子守唄」の演出は米田亘が手がける。公演は2月2日から23日まで、東京・新橋演舞場にて。チケットの一般販売は、12月25日10:00に開始する。
「二月競春名作喜劇公演」
2019年2月2日(土)~23日(土)
東京都 新橋演舞場
「華の太夫道中」
作:北条秀司(「太夫さん」)
演出:大場正昭
「おばあちゃんの子守唄」
作:舘直志(「船場の子守唄」)
補綴:成瀬芳一
演出:米田亘
出演:
※高田次郎の「高」ははしご高が正式表記。
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