現代能「『陰陽師 安倍晴明』~晴明 隠された謎…~」が、9月6・7日に東京・新宿文化センター 大ホールで上演される。これに先駆け、合同取材会が本日6月11日に東京・国立能楽堂 研修能舞台で行われた。
2001年に初演された「陰陽師 安倍晴明」は、現代劇や映画に用いられる手法、イリュージョンなどを取り入れた演出で注目を集める現代能。これまで海外を含め20回以上の公演が行われてきた本作が、今回
合同取材会には葦屋道満役を務める人間国宝の梅若実玄祥、演出と安倍晴明役を務める萬斎が登壇。本作について梅若実玄祥は「フランス、オランダなど海外でも上演しました。初演の頃、ちょうど萬斎さんが映画版に出られて、萬斎さんの人気にあやかって数多く上演させていただきました(笑)」と笑いを交えて語る。続けて「新しい視点、角度から見直したいということで、今回萬斎さんに全面的に演出をお願いしました。能では考えられないような趣向もあり、かなり面白い作品になると思います」と自信をのぞかせた。
萬斎は、2018平昌冬季オリンピック大会で連覇を成し遂げた羽生結弦が、安倍晴明を演じる「SEIMEI」をフリープログラムで披露したことに触れ、「私が映画で晴明を演じたのもずいぶん前。自分と晴明というキャラクターとの距離感を模索していたので、あえて避けていたところもあります。羽生選手が『SEIMEI』をやり始めたのも、『映画版を観て触発された』とおっしゃってくださって。彼に私の“安倍晴明イズム”をお伝えし、彼が晴明を演じたことで、私も呪縛から抜け出せたと思います」と羽生とのエピソードを語った。
16年の大阪公演にも参加していた萬斎は、本作を「古典芸能、日本舞踊、歌舞伎的な表現が詰まった非常に“ジャパニーズアイデンティティ”を醸すパフォーミングアーツです」と言い表し、「マジカルな演出、能ではあまり使われないような照明、音楽、そして、先生(梅若実玄祥)、私、元宝塚トップスターの
記者から、今回から加わる新演出について尋ねられた萬斎は「最新テクノロジーを取り入れつつ、アナログな手法で観客の想像力をかき立てる表現を追求したい。デジタル技術と能をただ合わせるのではなく、その兼ね合い、塩梅を見極めながら、私も勉強するつもりで挑みます。音楽、舞踊、戦いのシーンもありますので、ミュージカルに負けない伝統芸能の深さを感じ取っていただければ」と答えた。
そして最後に萬斎は「50歳を過ぎて晴明をやっていいのか?というところで、舞台ならいいんじゃないかと(笑)。魑魅魍魎が跋扈する平安の時代、百鬼夜行の怖い感じを出せるのはお能だからこそ。時代の闇を表現できるというところに、今、能として上演する意味を感じます」と締めくくった。公演は9月6・7日に新宿文化センター 大ホールで行われ、チケットは6月30日10:00に発売される。
現代能「『陰陽師 安倍晴明』~晴明 隠された謎…~」
2018年9月6日(木)・7日(金)
東京都 新宿文化センター 大ホール
原作:吉田喜重
脚本補綴:
演出:
出演
葦屋道満:梅若実玄祥
安倍晴明:野村萬斎
葛葉姫:
語り部:
晴明の武神:綾月せり、初姫さあや、琴音和葉、花柳まり草、花陽みら、西尾萌 ほか
関連記事
野村萬斎のほかの記事
リンク
- 梅若会インフォメーション
- 梅若会インフォメーション (@umewakakai_info) | Twitter
※記事公開から5年以上経過しているため、セキュリティ考慮の上、リンクをオフにしています。
blue_cosmos @BluecosmosH
羽生選手が『SEIMEI』をやり始めたのも、『映画版を観て触発された』とおっしゃってくださって。彼に私の“安倍晴明イズム”をお伝えし、彼が晴明を演じたことで、私も呪縛から抜け出せたと思います」と羽生とのエピソードを語った。
https://t.co/d6oSXkOFfn