“狂乱のセレモニー”「大人のけんかが~」始動に鈴木京香「けんか上等」

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7月から8月にかけて上演される「大人のけんかが終わるまで」の製作発表記者会見が、本日5月10日に東京都内で行われた。

「大人のけんかが終わるまで」製作発表記者会見より、左から板谷由夏、藤井隆、鈴木京香、北村有起哉、麻実れい。

「大人のけんかが終わるまで」製作発表記者会見より、左から板谷由夏、藤井隆、鈴木京香、北村有起哉、麻実れい。

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「大人のけんかが終わるまで」チラシ表

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日本初上陸となる本作は、フランスの劇作家ヤスミナ・レザの最新作。今回の日本版では上演台本を岩松了、演出を文学座の上村聡史が担当し、出演者には鈴木京香北村有起哉板谷由夏藤井隆麻実れいが名を連ねている。不倫関係にあるアンドレアとボリスはある夜、レストランの駐輪場に車を止めたまま揉めていた。ボリスが妻から推薦されたレストランに連れてきたことを、アンドレアは「デリカシーがない」と非難する。嫌気がさしたボリスが車を発進させると、駐車場にいた老女・イヴォンヌを轢いてしまい……。

「大人のけんかが終わるまで」製作発表記者会見より、左から板谷由夏、藤井隆、鈴木京香、北村有起哉、麻実れい。

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会見には鈴木、北村、板谷、藤井、麻実が登壇。冒頭には、演出の上村によるコメントが司会者によって読み上げられた。上村は本作を「未来永劫変わることのない男女関係と、社会の中で私たちにのしかかってくる倫理観とが、繊細かつ大胆に衝突します」と紹介し、「失われた青春を取り戻すかのような“狂乱のセレモニー”のようで、ある美しさを兼ね備えた作品」と魅力をアピールした。さらに岩松による上演台本を称賛しつつ、「今回集まっていただいた魅力的なキャストの皆さんの身体を通して発語されたとき、どういう音となって劇場空間に響くか大変楽しみです」と期待を語り、コメントは締めくくられた。

鈴木京香

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続いてキャストたちが挨拶した。アンドレアを演じる鈴木はまず「皆さんこんにちは。けんか上等、鈴木・アンドレア・京香です」と共演者や報道陣の笑いを誘い、続いて本作の感想を「はちゃめちゃに楽しい。岩松さんの上演台本を読んだとき、『大人って切ないな』ってきゅんとしたんです。もう大人の私たちにはそれぞれの抱える事情がすごく理解できて、いいお話だなと思いました」と明かす。また「四角四面のつまらない女なので、アンドレアのようなダイナミックさにあこがれる」と言う鈴木は、「もっと自分に厳しく人を意地悪な目で見て、アンドレアをやるまでに戦えるようにしたい」と気合十分の表情を見せた。

北村有起哉

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北村は自身の演じるボリス役を「追い詰められた状況の役」と紹介し、「こんなつばを吐き捨てるようなセリフ、京香さんに言えるかな?」と苦笑い。作品については「吹き出してしまうくらい楽しい本」と述べ、「なるべく(自分が)吹かないよう、お客さんに吹いてもらえる素敵な舞台に」と抱負を語った。さらに北村は「人はみんな、他人に気を遣いながらもそれぞれ言いたいことを言う」と話し、「どこで気を遣っていて、どこで関係の溝が深まるのか自然に演じられれば。まずは台本を覚え、自分の番が来たら言う、とシンプルにやってみたい」と稽古のプランを明かした。

左から板谷由夏、藤井隆。

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イヴォンヌの息子エリックと内縁関係にあるフランソワーズを演じる板谷は、4月に上演された「PHOTOGRAPH51」に続き、舞台出演は2本目。「挑戦の年として駆け抜けたい」と言う板谷は、「裸で飛び込もうと思います。常にオープンに、皆さんからいかに吸収できるか。脳みそで考えすぎず、体で感じたままに先輩方に付いていけたら」と意気込みを語る。さらに板谷は麻実について、「私のあこがれの人なので、いくらおボケになっていらっしゃってもまともにお顔が見られません……(笑)。そんな方がお義母さん(役)でうれしい」とはにかみながら述べ、麻実に視線を送った。

麻実れい

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イヴォンヌを演じる麻実は、自身の役どころについて「仮チラシに『やや認知症』と書かれていましたが、台本を見ましたらだいぶ認知症(笑)。仲間たちにこういうお役をいただいたのよ、と言ったら『あなたはなんにも作らずそのままやれば、ちゃんとこの役ができるから』と言われて……」と話し、記者たちを大きな笑いで包む。さらに麻実は2014年、17年に「炎 アンサンディ」で上村とタッグを組んだことに触れつつ、「岩松さんの素晴らしい上演台本に、演出に上村さんが付いてくだされば鬼に金棒。楽しく、苦しく、がんばりたい」と笑顔を見せた。

藤井隆

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エリック役の藤井はフランソワーズを「大げさな言い回しが多い」と分析し、「板谷さんが大げさになれるよう、僕はもじもじしたい」と役作りの目標を語る。また稽古が楽しみな場面として「お母さん(イヴォンヌ)とフランソワーズと3人で気が狂ったように笑うシーン」を挙げ、「麻実れいさんと気が狂ったように笑うことができるなんて」と茶目っ気たっぷりに述べた。さらに藤井は麻実の挨拶に言及し、「麻実さんが役のことを“お役”っておっしゃっていて、ハッ!っとなりました。これから僕ずっと“お役”って言います。いい“お役”をいただけてうれしい」と話し、会場に大きな笑いを起こした。

「大人のけんかが終わるまで」製作発表記者会見より、左から板谷由夏、藤井隆、鈴木京香、北村有起哉、麻実れい。

「大人のけんかが終わるまで」製作発表記者会見より、左から板谷由夏、藤井隆、鈴木京香、北村有起哉、麻実れい。[拡大]

最後に出演者を代表し、鈴木が挨拶した。鈴木は「とにかく楽しみなのは、この5人で日本初上演のこの舞台に取り組めるということ。私にとってのオリンピックは今年だなと言う気持ちで、1人ひとり協調し合っているようないないような、不思議な大人のお話をしっかり作り上げたいです。どうぞ観にいらしてください」と笑顔で呼びかけ、会見は終了した。

本作は6月30日・7月1日に東京・シアター1010で行われるプレビュー公演を皮切りに愛知、静岡、岩手を巡演。7月14日から29日には東京・シアタークリエで上演され、その後さらに大阪、広島、福岡、愛媛、兵庫でツアー公演を行う。東京・シアタークリエ公演のチケットは、5月12日に一般販売を開始する。

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「大人のけんかが終わるまで」

2018年6月30日(土)・7月1日(日)※プレビュー公演
東京都 シアター1010

2018年7月4日(水)・5日(木)
愛知県 日本特殊陶業市民会館 中ホール

2018年7月7日(土)
静岡県 静岡市清水文化会館(マリナート)大ホール

2018年7月10日(火)
岩手県 岩手県民会館 大ホール

2018年7月14日(土)~29日(日)
東京都 シアタークリエ

2018年8月1日(水)
大阪府 岸和田市立浪切ホール 大ホール

2018年8月3日(金)
広島県 上野学園ホール

2018年8月5日(日)
福岡県 博多座

2018年8月8日(水)
愛媛県 松山市総合コミュニティセンター キャメリアホール

2018年8月10日(金)~12日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

作:ヤスミナ・レザ
翻訳:岩切正一郎
上演台本:岩松了
演出:上村聡史
出演:鈴木京香北村有起哉板谷由夏藤井隆麻実れい

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