大沢たかおがウエストエンドへ、「王様と私」で渡辺謙と初共演

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6月からイギリスのロンドン・パラディウム劇場で上演される「The King and I」(「王様と私」)に、渡辺謙大沢たかおが出演する。

左から大沢たかお、渡辺謙。(c) Yasuko Arakawa

左から大沢たかお、渡辺謙。(c) Yasuko Arakawa

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「The King and I」ニューヨーク公演より。(c) Paul Kolnik

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1951年に初演された本作は、脚本・作詞をオスカー・ハマースタイン2世、演出をバートレット・シャー、音楽をリチャード・ロジャースが手がけたミュージカル。1956年にはウォルター・ラング監督で映画版が製作されたほか、2015年にブロードウェイでリバイバル上演が行われ、トニー賞4部門を受賞した。

「The King and I」ニューヨーク公演より。(c) Paul Kolnik

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2015年のブロードウェイ公演でトニー賞の主演男優賞にノミネートされた渡辺は、前回に続き王様役で出演。初参加の大沢はクララホム首相役を担当する。なお大沢の舞台出演は2008、10年に上演されたミュージカル「ファントム」以来。渡辺は大沢との初共演に際し、「日本の俳優同志として一緒にウエストエンドに立てるというのは、NYに一人で行くよりも誇らしい気持ちで行けるなという気がしています」とコメント。また大沢も「舞台デビューが蜷川幸雄さん演出のイギリス公演で、お客さんのレベルの高さや厳しさを聞いていたので、よりによってその厳しい場所なのかと思うのと、いい意味でも試される、自分の実力でしか期待に応えることができない本当の意味で挑戦できる場が訪れたなという感じです」と意気込みを語っている。

本作の舞台は1860年代のシャム。イギリスの未亡人アンナは、王子や王女に西欧式の教育を受けさせるために家庭教師として王宮にやってきた。初めアンナは王様と対立するが、王子や王女、第一夫人と触れ合う中で王様の国を思う心を知る。次第に絆を深めていく2人だったが……。

「The King and I」は6月21日にプレビュー公演が開幕。本公演が7月3日から9月29日まで行われる。

渡辺謙コメント

左から大沢たかお、渡辺謙。(c) Yasuko Arakawa

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大沢たかおとの初共演への意気込み

仕事は初めてですが、トレーナーが同じで話は聞いていたので、ある種の交流はありました。
最初のNY公演の時に、日本でいい俳優はいないのか?と言われていたタイミングで大沢君が観に来てくれて、演出家が「彼はどうだろう?」という話になり、オーディションなども行ったのですが、2016年の時はスケジュールが合わず実現できませんでした。僕よりミュージカル経験は豊富だし、「日本の俳優はこれくらいのポテンシャルがあるんだ」ということを証明するいい機会になると思いますし、大沢君のある種の勇気と、こういった機会を作ってくれたロンドンのプロデューサーにも感謝したいと思います。日本の俳優同志として一緒にウエストエンドに立てるというのは、NYに一人で行くよりも誇らしい気持ちで行けるなという気がしています。

大沢への印象

深く知ったのは、娘と一緒に出ていたミュージカル「ファントム」で初めて舞台で観たのですが、それまでのイメージと全く変わらない誠実な芝居をされるし、舞台に立たれる方だなという印象でした。
それぞれの人生や考えもあるので海外でやるのが偉いとは思わないですが、自分を白紙に戻して何ができるのかを試すチャンスいい機会になるし、日本の仕事にもフィードバックしてくると思うので、キャリアも実力もあるし俳優として色んなチャレンジをしてほしいと思います。

大沢へのアドバイス

セリフとして舞台で表現できるための英語なので全く一からやり直すくらいの分量になると思います。出来る限りの準備をしていっても結構バタバタすると思います。自分が納得できるところまでやってきてほしいと思います。僕自身も1年半くらい空いているので、1幕通して読むと結構息が上がるし、セリフを言うために呼吸をするだけで結構体力が必要になりますので、準備をしているところです。

今回の公演への意気込み

前回はNYで144ステージやったけど一からやるのは変わらないと思います。今日一日何ができるかをやり続けることには変わりなく、それが楽しみでもある。別なものを新たに作り上げる機会をもらったので、新鮮じゃないとだめだと思うので、どれくらいフレッシュに稽古に入れるか、どこまで100パーセントでやり切れるかを準備し、日々の生活を送りたいと思います。

大沢たかおコメント

握手を交わす大沢たかお、渡辺謙。(c) Yasuko Arakawa

握手を交わす大沢たかお、渡辺謙。(c) Yasuko Arakawa[拡大]

渡辺謙との初共演への意気込み

2015年のNY公演を観に行ったときに楽屋に呼んでくださり、そこで演出家から次の日から来てくれと言われて、「歌ってみてくれ、英語のセリフを言ってくれ」と予告なく言われて何日か行ったのですが、その時はスケジュールが合わなくてご一緒することができませんでした。時間が経って今回ウエストエンドで公演が決まった時に改めて声をかけてくださり、期待に応えたいという思いがあったので、受けさせて頂きました。
舞台デビューが蜷川幸雄さん演出のイギリス公演で、お客さんのレベルの高さや厳しさを聞いていたので、よりによってその厳しい場所なのかと思うのと、いい意味でも試される、自分の実力でしか期待に応えることができない本当の意味で挑戦できる場が訪れたなという感じです。

渡辺謙への印象

僕はNYに追いかけて観に行くくらいの一ファンなので、尊敬以外の何物でもないです。若い人たちがもっと頑張らなければいけないところを謙さんが一人で戦っているのを見ると言葉もないですし、どれだけサポートができるのかと考えさせてくれる素晴らしい先輩です。
初対面でご挨拶した時に、紙に書いた電話番号を渡されて、「海外いつ来るの? 来るとき絶対電話してね」って言われたのを覚えています。そういったことをそれまで言われたことがなく人生初めて声をかけて頂いて、改めて海外での活動について考えるようになりました。

「王様と私」を観た感想

言葉失うくらいに素晴らしく、その後も当日券を買って観るほど感動しました。エネルギーやスピード感、楽曲や物語の素晴らしさ、人とのコミュニケーションや、生きること死ぬこと国を守ることという色んなメッセージが詰まった素晴らしい作品だと思いました。

今回の公演への意気込み

初めてNYで観た時は本当のただの客として観ていて、まさか自分が出ると思っていなかったので、そこから公演へ向けて調整していくのが大変ですが、今回改めて声をかけて頂いて、言い訳ができない状況になっているので潔い気持ちで挑めると思っています。
5月頭からのリハーサルに向けて準備は始めていますがなかなか思うようにいかないですし、通訳も入らず、その中でどれだけ挑戦できるのか、今はドキドキの方が強いです。

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「The King and I」ウエストエンド公演

2018年6月21日(木)~9月29日(土)※本公演初日は7月3日。
イギリス ロンドン・パラディウム劇場

脚本・作詞:オスカー・ハマースタイン2世
演出:バートレット・シャー
音楽:リチャード・ロジャース

キャスト

王様:渡辺謙
クララホム首相:大沢たかお
アンナ:ケリー・オハラ
ルンタ:ディーン・ジョン=ウィルソン
タプティム:チョン・ナヨン

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読者の反応

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Mitsuru N @pot326

あら大沢たかおさんも出演してるのね。今日はBristol からLondon へ移動してお昼公演のThe king and Iを見に行く予定。
https://t.co/MO4PYtFdoP

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