ステージナタリー - 舞台・演劇の最新ニュースを毎日配信

生演奏×映像の効果でトリップ、「High Life」谷賢一が稽古で構想明かす

214

「High Life」稽古の様子。

「High Life」稽古の様子。

4月に東京・あうるすぽっとで上演される「High Life」の公演に先駆け、本日3月27日に本日3月27日に稽古の様子が公開された。

本作は、カナダの劇作家リー・マクドゥーガルの処女戯曲。1996年にカナダ・トロントで初演され、2001年には流山児★事務所によって日本初演が行われた。谷賢一が演出を手がける今回の上演版には古河耕史細田善彦伊藤祐輝ROLLYの4人が出演し、Open Reel Ensembleの吉田悠と吉田匡、Molt Beatsの山口元輝が音楽を担当する。

物語の主軸となるのは、過激かつ反社会的な4人の男。保護観察中のディック(古河)、女性関係で追い込まれているビリー(細田)、出所したばかりのバグ(伊藤)、腎臓が1つしかないドニー(ROLLY)の4人は、いずれもジャンキーだった。人生に行き詰まった彼らは一発逆転を狙い、大金のためにある計略を強行しようと渋々手を組むが……。

本日公開されたのは、ディックの家に4人が集い、強盗の計画を立てるワンシーン。「さあ、演劇しよう!」と谷が声高に宣言すると、4人の俳優からは「おや? 演出家のテンションがいつもと違うぞ(笑)」と声が上がる。和やかな雰囲気のまま稽古はスタートしたが、すぐに空気が一変。先ほどまで柔らかな笑みを浮かべていた4人の俳優たちは、モルヒネ中毒となったジャンキーへと変貌した。

稽古後に行われた取材会には、演出の谷とキャスト4人が出席。まず谷は「舞台上でトリップするぶんには遵法ですからね(笑)」と前置きし、「薬物使用時のトリップ感を生演奏と映像によって立体的に立ち上げます。僕らと一緒にあうるすぽっとでトリップしましょう」と観客に呼びかける。

さらに谷は、各キャストの役どころや魅力に言及。4人の中心的存在であるディックを演じる古河について、「古河さんには『悪魔になった気持ちでディックを演じてほしい』とお願いしています。彼の指揮下で登場人物たちがどう変化していくかを楽しみにしていただければ」とコメントし、伊藤については「普段は好青年なのに、乱暴者のバグを演じる際の変貌ぶりには驚きました。自分の全神経を集中させて、ほかの人物を演じ抜くことができるのは素晴らしい才能だと思います」と絶賛する。

また細田と彼が演じるビリーについても触れ、「ビリーは、人当たりのよさと裏腹に心の底に闇を抱えている人物。これを表現するのはなかなか難しいかもしれませんが、ヒコ(細田)自身も底知れない魅力を持った人なので、うまく演じてくれるのではないかと思います。彼が抱えている“巨大な空洞”をぜひ観に来てください」とアピール。続いて、「ROLLYさんは、お客さんが自分をどう見ているか、客席と舞台上のつなぎ方をしっかりわかっている人なので、そのセンスにすごく助けられています」と讃えた。

一方、出演者の伊藤は「全員で話し合いながら人物像を構築していくというクリエーションの仕方が初めてで。これまでずっと、各々の役をそれぞれの俳優が完璧に仕上げてくるという作り方をしていたので、こういったやり方で進められるのはすごく安心感があります」と安堵した表情を見せる。またROLLYは、これまでミュージシャンとして演劇作品に参加することやミュージカルへの出演が多かったことを振り返り、「今回は丸腰です。神様が『楽器を弾いていいよ』と言ってくださるなら最高のプレイを披露するのですが(笑)」と谷に視線を送った。

さらに取材会の後半では、谷から「異質なもの同士を掛け合わせたらどうなるのかが、今作のテーマでもあった」という話題が飛び出し、「一般的に音楽や映像は芝居の背景だと捉えられることが多いですが、今作においては音楽も映像も俳優と並ぶ位置付けであってほしい、とクリエイター陣にオーダーして制作してもらっています」とこだわりが明かされた。

最後に古河が「先ほども谷さんからお話があったように、この作品はある種の総合芸術になると思います。何が起きるんだろう? というワクワク感やドキドキ感を持ってお越しいただければ」と観客に呼びかけ、取材は終了した。公演は4月14日から28日まであうるすぽっとにて。

「High Life」

2018年4月14日(土)~28日(土)
東京都 あうるすぽっと

作:リー・マクドゥーガル
翻訳:吉原豊司   
演出:谷賢一
音楽:吉田悠(Open Reel Ensemble)、吉田匡(Open Reel Ensemble)、山口元輝(Molt Beats)
出演:古河耕史細田善彦伊藤祐輝ROLLY

ステージナタリーをフォロー