坂東玉三郎「幽玄」会見で「鼓童とも歌舞伎とも違った世界に行きたい」
2017年2月2日 12:33 203
5・6・9月に全国5カ所で上演される、
本作は、2006年に初演された「アマテラス」に続く、玉三郎と鼓童の共演作第2弾。「幽玄」をテーマに、“世阿弥が見た世界”を「羽衣」「道成寺」「石橋」といった能の代表的な演目を題材にして表現する。第1弾と同じく玉三郎が演出を担当し、出演には玉三郎、鼓童に加え、花柳壽輔をはじめとする花柳流の舞踊家が名を連ねている。
会見には玉三郎のほか、鼓童メンバーの石塚充、中込健太が登壇。玉三郎は第2弾の製作にあたり、鼓童のメンバーが「“日本のもの”を創りたい」と発言したことからイメージを膨らませ、「日本の独特の芸能の世界、舞台芸術というと『能楽』を題材にした方がいいと思い」、世阿弥の世界にたどり着いたと語る。また「鼓童さんとやるからにはあえて『幽玄』という世界。鼓童(の作品)とも歌舞伎とも違った世界に行きたいと思います」と意気込みを述べる。
演目の内容は、第1幕で「羽衣」を、第2幕では「石橋」と「道成寺」を上演。玉三郎は「羽衣」では天女、「道成寺」では花子、「石橋」では獅子として登場し、「私が着ております衣装あるいは様式には、歌舞伎的な雰囲気を持ち込みたいと考えています」と具体的なイメージを語った。
また今回、鼓童は能楽の様式をもとに演奏を繰り広げる。石塚は「普段、鼓童の作品は人間が生活をしている様や呼吸が通った音楽を演奏しますが、能楽は『人間じゃないところに行く』という印象です」と稽古の感想を述べ、「これまでよりも敷居が高く、難易度の高く、大変難しい作品になるとは思いますが、それをお客様にはシンプルに楽しんで頂けるように、皆さまの記憶に残るような素晴らしい作品になるよう精一杯務めさせて頂きます」と意気込みを述べる。中込も「同じ太鼓でもこんなにも表現が違うものなのかと難しさを感じているところです」と実感を語りながら「玉三郎さんは今まで気付かなかったような太鼓の響きを気付かせてくださいます。今回もどんな新しい太鼓の響きが発見できるのか楽しみです」と期待を語った。
公演は、5月16日から20日まで東京・Bunkamura オーチャードホール、5月26日から28日まで新潟・新潟県民会館、5月31日から6月2日まで愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、9月2日から18日まで福岡・博多座、9月21日から23日まで京都・ロームシアター京都 メインホールにて行われる。