上川隆也と観月ありさが贈る“真実の愛”「シェイクスピア物語」開幕

「『シェイクスピア物語』～真実の愛～」が、本日12月23日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 ホールにて開幕。これに先がけ、昨日12月22日には公開ゲネプロと囲み取材が行われた。

イギリスの劇作家、トム・ストッパードの原作に想を得て、元生茂樹、福山桜子が上演台本、佐藤幹夫が演出を手がける本作。許嫁のいるヴァイオラという女性と出会い、“真実の恋”を知った劇作家で俳優のシェイクスピアが、自らの体験をもとに「ロミオとジュリエット」を書き上げ、彼女とともにステージに臨む姿が描かれる。囲み取材には、出演者の上川隆也、観月ありさ、A.B.C-Zの五関晃一、藤本隆宏、小川菜摘、秋野太作、十朱幸代が登壇した。

主人公ウィリアム・シェイクスピア役の上川は「明日から世間的にもクリスマスなどで盛り上がる3日間。その3日間に我々のお芝居にご来場いただけることに、ありがたく思います」と挨拶。本作について「この物語は、シェイクスピアが『ロミオとジュリエット』を書くにあたって、実体験を元にしていたら……？という、もしもの話なので、実在のシェイクスピア像をどこまで頼っていいかもわからないお話しです」と紹介する。「もし実体験で書かれていたら、とても素敵な恋愛をしていて、それをまっとうに受け入れている男だと思います。そうした彼のピュアな性格やそれを元に物語を書いていく熱量などをこね回すことなく、そのままを演じていきたいと思います」と意気込んだ。

初共演となるヒロイン・ヴァイオラ役の観月については「稽古などを通じて、その柔軟さには驚きました。稽古中にどんどん段取りなど変わっていきますが、観月さんから1度もネガティブな発言がなく『わかりました』と言って、その日のうちに修正して、演出家や場の求めに応じ、寄り添わせていける。これは力がないとできないことなので、毎日感心していました」と賛辞を送る。

一方の観月は「上川さんと初共演ですが、稽古のときから頼りっぱなしです。舞台袖に移るとき、鳥目の私を上川さんが手を引いて誘導してくれるので、毎回頼っています（笑）」と信頼を寄せる。ヴァイオラの母・マーガレット役の小川はそんな2人を「見ていてキュンキュンします」とコメント。さらに「十朱さん、秋野さんといった大先輩と同じ舞台に立てることはとてもうれしいことです」と出演の喜びを語った。

シェイクスピアのライバル俳優であり、友人でもあるネッド役を演じるA.B.C-Zの五関も、「クリスマスイブ、クリスマスと大事な日にも公演がありますので、来ていただいたお客様を責任をもってキュンキュンさせたいと思います」と宣言。天才役者という役どころについて「とにかく『偉そうにしろ』と演出家から言われましたが、基本はいい子なので難しかったです（笑）。観月さんたちとの殺陣稽古でもつい敬語が出てしまって……。まずはいい子ちゃんを直したいと思います」とおどけ会見場をなごませた。

シェイクスピアの理解者で劇場主・ヘインズロウ役の秋野は「上川さんがまじめすぎて、こっちも手が抜けない。もうちょとのんびりやりたいなぁ（笑）」と冗談で記者たちの笑いを誘い、演劇をこよなく愛するエリザベス女王役の十朱は、「日本作品のお芝居はたくさん出演させていただきましたが、新しい世界を開けてくれた、このシェイクスピア物語に参加できることをとてもうれしく思っています」と笑顔を見せる。

藤本は、「先日までやっていた大河ドラマの役と真逆の役を見せれるかな」と自身が演じるヴァイオラを金でめとろうとするエセックス卿役をアピールし、「シェイクスピアが好きな方も、全く知らない方も楽しめるないようになっています。特に上川さんのアクションだったり、芝居だったりが素晴らしいです。観月さんは2役やりますが、男性役もすごく素敵なんです。敵役ですが、美しさに負けないように、しっかり味を出していきたいと思います」と作品の出来に太鼓判を押した。

上川が「ご来場いただける日がさらに特別な日になるようなお芝居をお届けしたいと思っています」と語る本作は、本日12月23日から25日、2017年1月7日から9日まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場にて上演。その後、1月21・22日に大阪・梅田芸術劇場 メインホール、1月28日に愛知・中日劇場と巡演する。

※初出時、役名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。