「雪まろげ」の製作発表記者会見が本日7月7日に行われ、
本作は温泉芸者・夢子のついた小さな嘘が坂を転がる雪玉のごとく大きくなり、やがて温泉街を揺るがす大事件を引き起こす人情喜劇。「嘘つき女をやってみたい」という故・
森からバトンを引き継いだ形となる高畑は「オファーをいただいたときはうれしかったですね。でも、発表のあと皆さんから『大変ね』『待ってました』などさまざまなお声をいただき、プレッシャーに感じています」と漏らしつつも、「そもそもこれは森さんに当て書きされた作品。どう転んだって私は森さんになれないのだから、自分なりの夢子像を掘り下げていきたい。演出家の田村さんと共演者を信じて、いつも通りやっていきます」と意気込んでみせた。
脚本と演出を手がける田村は「嘘の面白さに着目している」とひと言。「あまりいいイメージのない嘘ですが、他人のためにつく嘘、生きていくためにどうしようもなくつく嘘など、人間と嘘とは切っても切り離せない側面があります。そんな数々の嘘を描きながら人間味あふれる芝居を作れたら」と構想を明かした。
夢子のライバル芸者・銀子役を務める榊原は「男性受けする役どころなので台本を読んでいると大変心地いいんですが、私の体と声でどこまでそんな銀子ちゃんを演じられるかな」と不安顔。しかし「銀子ちゃんは心に思うことがあってお金にこだわっているけど、騙してまで、というわけではない。ひとつ芯が通った愛すべきキャラクターをうまく出していきたいですね」と自身が演じる役どころの内面に着目していた。
詩の才能にあふれる新聞記者・大吾を演じる的場は、劇中詩を手がけた伊奈かっぺいの「とも子」という津軽弁の方言詩を紹介。「男ってそういうところあるよな、と感化されまして。思わず嫁さんの前で朗読しちゃったくらい」と作品世界に魅了されている様子をうかがわせる。
芸者見習いの駒子に扮する青木は「彼女は口が悪くて思ったことを言ってしまうんですけど、とても気立てがいい。口が悪いのも、常に誰かのことを心配しているからだと思うんですよね」と分析。「私も口の悪いイメージがあると思いますが、駒子はストレートに伝えるタイプ。でも私は嫌味っぽくなっちゃうんですよね。……ってこれなんの話でしたっけ?」ととぼけてみせ、会見場の笑いを誘った。
また嘘つきの主人公にちなんで、今までについた嘘について記者から質問があがると、高畑は「20歳くらいのとき、ずっと『処女です』と言っていました」と回答。続けて「(ごまかしていたのは)2、3年ですけどね」とおどけてみせると、報道陣からは大きな笑い声が上がった。
作品への思いをそれぞれ述べたあと、本日が七夕であることにちなみ、高畑、榊原、的場、青木の4人は願い事を書いた短冊を披露した。高畑は「『雪まろげ』生きて終われますように」、榊原は長丁場の公演ツアーであることを踏まえて「愛らしい銀子ちゃんが12月まで務まりますように」、的場は「世界平和」、青木は体力の衰えを危惧して「スクワット100回」と記した短冊を読み上げ、笹に飾った。
なお会見後に行われた囲み取材にて高畑は、森と1998年に共演した「本郷菊富士ホテル」でのエピソードを披露。食べていた雑炊の米粒を、女中役の森に噴き出しながら話す演技をしたところ、劇評に「天下の森光子に米粒をまき散らしている女優がいる」と書かれ、ひどく落ち込んだ経験を明かした。「でも森さんは顔色ひとつ変えずに私の演技を受け入れてくださいました。板の上に立ったら、子役だろうがベテランだろうが、役者としてはみんな同じ。暗黙のうちにそれを教えてもらったような気がします。私もそんな風に共演者と対峙していけたら」と、森からの薫陶を胸に舞台に立つ決意を語った。
「雪まろげ」全国ツアー
2016年9月24日(土)・25日(日)
東京都 シアター1010
2016年9月28日(水)~10月19日(水)
東京都 シアタークリエ
2016年10月21日(金)
富山県 クロスランドおやべ
2016年10月23日(日)
富山県 富山県民会館
2016年10月25日(火)・26日(水)
石川県 北國新聞赤羽ホール
2016年10月29日(土)・30日(日)
兵庫県 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
2016年11月2日(水)
長野県 まつもと市民芸術館 主ホール
2016年11月5日(土)
山形県 山形市民会館 大ホール
2016年11月7日(月)
群馬県 桐生市市民文化会館 シルクホール
2016年11月12日(土)
新潟県 新潟県民会館 大ホール
2016年11月16日(水)
山梨県 コラニー文化ホール
2016年11月19日(土)・20日(日)
山口県 山口県立劇場 ルネッサながと
2016年11月23日(水・祝)
広島県 はつかいち文化ホール さくらぴあ
2016年11月26日(土)
香川県 レクザムホール(香川県県民ホール)
2016年11月30日(水)
大阪府 岸和田市立浪切ホール 大ホール
2016年12月3日(土)・4日(日)
愛知県 刈谷市総合文化センター アイリス
作:小野田勇
監修:小野田正
脚本・演出:
出演:
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