「キンキーブーツ」三浦春馬がヒール姿で迫力の美、小池徹平「共に苦労して」

7月21日にミュージカル「キンキーブーツ」が東京・新国立劇場にて開幕する。本日6月30日には、報道陣に向け都内某所にて稽古が公開された。

経営不振に陥った老舗靴工場の跡取り息子・チャーリー（小池徹平）が、ドラァグクイーンのローラ（三浦春馬）に出会い、差別や偏見を捨てて、ドラァグクイーン専門の“キンキー・ブーツ”を作って工場を再生させるまでを描く本作。本日は、チャーリーがブーツを作ろうと思いつくシーン、そして試作品にローラが意見するシーンが、楽曲「Step One」「Sex Is In The Heel」と共に公開された。三浦はヒールの高いブルーのブーツを履いて登場。舞台下手に配置された階段をさっそうと下り、時に激しいダンスを披露した。

その後行われた囲み取材には、小池と三浦、そしてチャーリーが経営する靴工場で働く若手社員を演じる、ソニンが登壇。三浦は「2013年にブロードウェイで初めて『キンキーブーツ』を観た時から、日本で上演することになったら、ローラ役のオーディションを絶対に受けたいと思っていた」と語り、初めてブーツを履いた時の印象を、「うれしさと同時に、ローラ役を日本人としては僕が初めて演じるという重みもしっかり感じました」と振り返る。さらに「（ヒールは）視界とともに、テンションも意識も上げてくれる。苦労はありますけども、挑む頂が高いので、燃えます」と頼もしい表情を見せる。

三浦とダブル主演を務める小池は、三浦との初共演に「めっちゃ楽しいですね。初めての感じがしない」と笑顔。「僕たちは全く違う役どころなので、それぞれの苦労があって、共に苦労して進めてる。どっちかが楽だったら、ちょっとイラッとすると思うんですけど（笑）」と語り、記者たちの笑いを誘った。

座長も務める小池に、三浦は「みんなのことを見てくれてる。僕も器用ではないのですが、『そんなにがんばらなくていいんだよ、春馬！ お前の役どころは難しいんだから、もっと肩の力を抜きなさい』って声かけてくれたりとか。所どころですごい優しい」と感謝の言葉を述べると、小池は「恥ずかしいこと言うね。やめようか」とはにかんでうつむく。ソニンは「私は2人が熱く語ってるのを、ちょっと遠目で見てます」と笑顔で、頬杖をつくポーズをしてみせた。三浦は「いや、ソニンちゃんも熱いので、歌のこととか教えてくれます」と返し、和気藹々としたムードで座組の仲の良さを感じさせる。

ソニンは「私は今回セクシー担当じゃないので、すべてローラに任せてます」とコメント。「春馬くんのローラは観ててワクワクするし、心が踊るくらい美しくて迫力がある。春馬くんの勢いというか、この役への熱心な気持ちの表れかな」と語り、「最高のキャストでこの上演を迎えられているんだなというのを、今日のリハーサルで噛みしめてます。日本版のオリジナルの良さを伝えられれば」と意気込んだ。

三浦も「作品自体に力があって、『受け入れれば自分が変われる』というメッセージを楽しくビシっと伝えてくれる。そしてシンディ・ローパーが作る楽曲が、観終わったあとも何日も何日も頭の中で鳴るんです」と作品について語り、「音楽と大事なテーマをしっかりと届けるので、沢山の人に観てほしい」とアピールした。

イギリス映画をミュージカル化した「Kinky Boots」は、全曲の作詞・作曲を、シンディ・ローパーが手がけ、2013年にトニー賞で作品賞をはじめ6部門を受賞する快挙を成し遂げた話題作。日本版はオリジナルの音楽・演出・振付はそのままに、岸谷五朗が演出協力・上演台本に参加する。7月21日から8月6日まで東京・新国立劇場にて上演後、大阪・オリックス劇場、東京・東急シアターオーブへと巡演する。