10月に上演される「秋の特別公演 古典への誘い」の製作発表記者会見が本日6月1日に行われ、
「秋の特別公演 古典への誘い」は、歌舞伎十八番のひとつに選定されている「勧進帳」と、その源流となった能楽舞囃子「安宅」の2本立て。ともに、兄の頼朝に追われて奥州平泉に向かう源義経が、家臣の武蔵坊弁慶の智勇によって危難を逃れる物語を題材としている。
今回は「勧進帳」にて海老蔵が武蔵坊弁慶を、獅童が初役で富樫を演じる。松竹の山根成之常務は、歌舞伎と能を並べて上演することについて、「『勧進帳』の前に、そのもとになった能『安宅』をご覧いただくことで、より深く両者の世界を理解していただけるようにしました」とまず説明した。
海老蔵は「七代目市川團十郎が『安宅』を観て歌舞伎にしたいと思い立ち、その様式を取り入れて『勧進帳』を完成させました」と演目の成り立ちについて紹介。次いで「能は当時、高貴な人間しか観られない嗜好品でしたが、現代を生きる皆さんは両方を見比べることができる。贅沢な時間を堪能してください」と公演をアピールした。
富樫に初挑戦するにあたって、獅童は「海老蔵さんとは去年、宮藤官九郎さん作、三池崇史さん演出のもとで、六本木歌舞伎をやらせていただきました。前回は完全なる新作でしたが、今回はザ・古典。新たな気持ちで、全身全霊で努めたいと思います」と意気込む。
巡業地には地震の被害を受けた熊本も含まれており、海老蔵は「自分1人ですぐできることはしていましたが、ようやく公演する機会に恵まれました。いっそう気を引き締めて、何かお力になれれば」と一言。獅童も「役者は舞台を勤め、ご覧いただくことで被災者の方を勇気づけることしかできない。大変なときだと思いますが、芝居を観て少しでも元気になってもらえたら」と続け、被災地へのエールを送った。
2人がマイクを向けられ話していると、壇上に突如くまモンが登場。公演に出演したいと土下座してお願いするくまモンに対して、海老蔵は「終わったあとに15分くらいの出演枠を作ろうか?」と提案した。獅童は「俺、会うの初めてだよ。うれしい」とくまモンとの対面を喜んでいた。
本公演は、10月1日に鳥取・米子コンベンションセンターにて開幕。その後、岡山、広島、熊本、石川、大阪、北海道を巡り、26日に東京・浅草公会堂にて千秋楽を迎える。
「秋の特別公演 古典への誘い」
2016年10月1日(土)・2日(日)
鳥取県 米子コンベンションセンター
2016年10月5日(水)
岡山県 倉敷市民会館
2016年10月6日(木)
広島県 広島文化学園HBGホール
2016年10月8日(土)~11日(火)
熊本県 八千代座
2016年10月14日(金)・15日(土)
石川県 こまつ芸術劇場うらら
2016年10月16日(日)
石川県 安宅の関 特設舞台
2016年10月18日(火)・19日(水)
大阪府 NHK大阪ホール
2016年10月21日(金)~23日(日)
北海道 ニトリ文化ホール
2016年10月25日(火)・26日(水)
東京都 浅草公会堂
出演:
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