劇団青年座「天一坊十六番」、将軍吉宗の隠し子をイエス・キリストに見立てて

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劇団青年座「天一坊十六番」が、6月10日から20日まで、東京・青年座劇場にて上演される。

劇団青年座「天一坊十六番」ビジュアル

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本作は、青年座劇場のこけら落とし公演として1969年に上演された「天一坊七十番」を改題したもの。物語は、講談や歌舞伎の題材として知られる天一坊事件について書き進める女流作家の台本を俳優たちが演じるという構成になっており、徳川8代将軍・吉宗の御落胤(隠し子)と称する天一坊を中心に据えながら、江戸中期、1969年、そして2016年という3つの時代を描く。

劇団青年座「天一坊十六番」稽古場の様子。

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作者である故・矢代静一がサブタイトルに「僕の使徒行録」と付けたように、本作には新約聖書の世界が重ね合わせられている。救い主としてこの世に生まれたものの十字架にかけられてしまったイエス・キリストを、将軍の御落胤として崇められたが、しまいには狂人として葬り去られる天一坊に見立てたという。

劇団青年座「天一坊十六番」稽古場の様子。

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演出の金澤菜乃英は、作品について「その場その場の瞬発力でシーンを成立させなければいけない手強い戯曲。ですので、音楽やダンスなど意味や言葉を超越した表現が作品にとっては大切」と語る。そして、音楽にはこれまで劇伴音楽を数多く手がけてきた日高哲英を指名し、ダンスの振り付けにはコンドルズの近藤良平を起用した。

ピアノ、サックス、ドラムからなるバンドの生演奏が全編を彩る中、俳優の演技がミュージシャンを触発し、毎回新しい音楽が生まれることを期待する日高は「ラストは即興演奏でもいいと思っている」と構想を明かす。一方で、近藤は「この劇のせりふには日本的なリズムやテンポがあって、聴いても動いても心地良い。それを活かした振りにしたい」と企みを話している。

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劇団青年座 第222回公演「天一坊十六番」

2016年6月10日(金)~20日(月)
東京都 青年座劇場

作:矢代静一
演出:金澤菜乃英
音楽:日高哲英
振付:近藤良平

キャスト
女流作家:津田真澄
天一坊:横堀悦夫
山内伊賀亮:五十嵐明
九助:山崎秀樹(「崎」はたつざきが正式表記)
楓:小林さやか
椿:安藤瞳
大岡越前守:山路和弘
伊奈半左衛門:嶋田翔平
妻吉:松熊つる松
百姓男:山野史人
合唱隊のリーダー:松熊つる松
合唱隊:山野史人、嶋田翔平、松田周、世奈、當銀祥恵

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