市川染五郎が本日5月7日(日本時間)、新作歌舞伎「KABUKI LION 獅子王」の舞台挨拶をアメリカ・ラスベガスから中継で行った。
報道陣が集まったのは、東京・羽田空港内に設けられた会見場。ラスベガスからリアルタイムで伝送された擬似3D虚像の染五郎は、現地時間で5月6日20:00からの公演を終え、スーツに着替えて中継に臨んだ。開幕の感想について聞かれると「『獅子王』は、最新技術との融合を目指して作り上げられた作品です。ラスベガスに到着後、朝まで作業と稽古を繰り返して本番までこぎ着けました。初日を迎えられたのはスタッフとキャストの底力だと思っています。無事に幕は開きましたが、同時にブレーキのないスタートを切ったようなもの。喜びよりも、ついに戦いが始まったな……という気がしております」と心境を語る。
本作は、映像による演出も見どころのひとつ。扇状に広がる舞台左右の壁に映し出された大蛇(おろち)が色鮮やかな情景とともに大迫力で動き回ったり、舞台上の役者の動きに合わせて火の玉や矢が放たれたりといった演出が盛り込まれている。この取り組みに対して、染五郎は「映像では色彩や美しさという歌舞伎に不可欠な要素が表現でき、共通言語のように感じています。舞台上の演出にはさまざまな制約がつきものですが、映像との融合に可能性を感じて今回挑戦してみようと思い立ちました。今後、歌舞伎の演出における1ジャンルになるのではないでしょうか」と思いを馳せた。
舞台挨拶の終了後、4Kマルチ映像による「KABUKI LION 獅子王」のダイジェスト版が報道陣に公開された。ラスベガスの劇場に設置された9台のカメラで収録された映像と音声を国際伝送し、劇場空間を丸ごと遠隔地に再現する試みだ。カメラは正面舞台と客席に向けて3台ずつ、舞台花道用に1台、天井に向けた2台が客席の中央1カ所に設けられ、ある時は正面で繰り広げられる迫真の演技を、あるときは空中に浮かぶ役者の姿をとらえ、現場の様子を臨場感たっぷりに伝えていた。
「KABUKI LION 獅子王」
2016年5月3日(火)~7日(土)
アメリカ・ラスベガス MGMグランド デヴィッド・カッパーフィールド劇場
出演:市川染五郎 /
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- Panasonic presents Wonder KABUKI Spectacle at MGM Grand -獅子王SHI-SHI-O- “The Adventures of the Mythical Lion”
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