井伏鱒二の中編コメディ「集金旅行」、劇団民藝が5～8月に全国巡演

劇団民藝が「集金旅行」を5月から8月にかけて全国で上演する。

原作は、「山椒魚」「黒い雨」などの作品で知られる井伏鱒二が執筆した同名小説。安アパートの主人が、多額の借金を残したまま亡くなった。担保に入ってしまったアパートに住み続けたい住人たちは、夜逃げしていった元住人が滞納した家賃を故人に代わって取り立て、借金の返済に充てようと一計を案じる。樫山文枝演じる“コマツランコ”が、西川明扮する自称“売れない小説家”とともに、昔の不実な恋人たちから慰謝料を取り立てようと、中国、九州地方へと旅立つ中で巻き起こる珍道中を描いた。

2013年9月の初演時に好評を博したこの作品は、約3年ぶりの再演として全国公演をする運びとなった。脚本を手がけた吉永仁郎は、初演時に「芝居を観ながら、良質の小説を読んでいるような気分に浸ってもらえたら。そんな静かな喜劇にしたい」と意気込みを語っている。

本作は、5月5日の神奈川・麻生市民館ホールでの公演を皮切りに、約4カ月をかけて巡演。中部北陸、首都圏を中心とする公演は、会費制を基本とする演劇鑑賞団体による企画が多いが、神奈川、福井、岐阜、大阪、京都での公演は、劇団民藝、各種プレイガイドなどでチケットを購入できる。日程、会場などの詳細は、劇団の公式サイトにて確認を。