物語の舞台は、近未来の日本のある美術館のロビー。ヨーロッパの戦禍から日本に避難してきた名画を観に美術館を訪れた人たちが、ロビーで介護や相続問題、進路や恋愛について会話するさまを描く。戦争に翻弄される世界と個人の問題が同時進行に展開する難作で、1994年の初演以来、青年団のレパートリーとして世界各国で上演されているほか、2013年には東京デスロックの多田淳之介が演出に挑み、話題を呼んだ。
上演にあたり、矢内原からステージナタリーに寄せられたコメントは以下の通り。
矢内原美邦コメント
『東京ノート』には人間同士の裏切りやコミュニケーションから生じる孤独、疎外、それらのことが色々な角度から見られていて、永久的に逃れることができない連鎖がこめられているように感じます。人はこの連鎖から逃れるために、その安易なひとつの手段として孤独になろうとします。例えば、空を見上げるという行為は、周りに人が沢山いたとしても見上げたその瞬間にもう周りのことはどうでもよくなって1人になれる瞬間だったり、ベンチに1人で座って窓もないの遠くを見ながら考えたり、何もないのに携帯を繰り返してみることも孤独にナレマス。『どこまでも自由ってことは、どこまでも孤独ってこと』と、私の好きな昔の映画にはそんなセリフがありましたが、そんな孤独のあり方はここ東京でも数年で大きく変容してきていると思います。私は新しい角度から『東京ノート』を描きたい。台本を自由に構成しても、切っても貼っても良いと言ってくださったオリザさんに感謝です。そうでないと多分できなかったと思います。新しい角度の東京ノートは吉祥寺シアターでしかやらないと思います。ぜひ、劇場に足を運んでくださると嬉しいです。
吉祥寺シアター10周年記念公演 ミクニヤナイハラプロジェクト「東京ノート」
2016年3月24日(木)~28日(月)
東京都 吉祥寺シアター
作:平田オリザ
演出:
出演:石松太一、
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【ミクニヤナイハラプロジェクト】
今月オープンしたばかりの「ステージナタリー」にて、『東京ノート』公演が紹介されました。矢内原自身によるコメント付きです。是非、ご一読ください。
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