ステージで輝くアーティストたちの舞台裏での“素”の姿を見せてもらう、ステージナタリーのファッションコラム「ケイコレ」。この連載では、本番に向けて稽古に励む俳優たちが、自身の稽古着姿を数日間にわたって披露する。
第49回に登場するのは、TAAC「ダムウェイター」で二人芝居に挑む
Day1
大野瑞生
稽古初日でした! 本読みや身体を動かすゲームをする日だったので、動ける格好にしました。上下のジャージーのセットアップ。洗濯してすぐ乾く素材が良いので、汗をかきそうなときは、スウェット生地よりもジャージーが多いです。下のTシャツは洗濯物が増えるので、家から来るときと同じものです! 洗濯重視(笑)。
横田龍儀
稽古初日で、本読みが中心だと思っていたのでシンプルで動きやすい稽古着にしました。もしも動きの稽古に入ったとしてもすぐに動けますし、状況によって臨機応変に対応できる稽古着です。実際本読みの前に、相手の考えを読み取る、相手に自分の思いを伝えるゲーム感覚の稽古をしたので、動きやすい服にして正解でした。
Day2
大野瑞生
稽古開始の2時間前に入って毎日いろいろなことを2人でやるのですが、2日目は身体を動かすことを少しする予定だったので楽な格好で。大きめのシャツは着心地が良いので好きです。今日のポイントは家から着ていける稽古着! 汗をあまりかかなくても良い日はいつもこうです。洗濯が少なくなるので。2日目もやっぱり洗濯重視です(笑)。
横田龍儀
2日目は、よく家でも着ている服にしました。この服を着ていると落ち着くので、稽古序盤で緊張しているところもあったので、少しでも落ち着けば良いなとこの稽古着を選びました。実際にその日の稽古は落ち着いてできました。落ち着きすぎて少し眠くなってしまいました。そこは少し考えなくてはいけないなと思いました。
Day3
大野瑞生
3日目は立ち稽古の日だったので、衣装に近い服を着ました。衣装がわかり次第、いつもそれに近いものを着ていきます。サスペンダーは最近購入しました。衣装の締め付けや質感、色合いなどでも、演じているとき、自分の心の動きに影響が必ずあるので本番に近い服を着ます。自分の役のスイッチにもなりますし、僕にとっては大事なことです。
横田龍儀
3日目は、本番を想定した服装で稽古しました。やはり、本番に近い服装で慣れておいたほうが、いざというときに対応できますし、それにその役に近付ける気がするので、この服装で稽古をしました。この服装だと、こんな不具合があるのか、こんな使い方もできるな、など発見があり、この日の稽古はいろいろなことを確認できました。
稽古着におけるこだわりは?
大野瑞生
洗濯のしやすさは大事です! あとは着心地。ダボダボしているもののほうが着心地は良いのですが、稽古場で気持ちがリラックスしすぎてもダメなので、そこは臨機応変に変えています。色は派手だと、相手役に無駄な情報を与えてしまうし、無意識にそこを意識させてしまうので、目がいってしまうような派手な色は着ないようにしています。
横田龍儀
機能性を一番重要視します。デザインや色なども気にして着てみたいとは思うのですが、やっぱりどれだけ動きやすいか、どれだけ破れにくいかなど、そんなところばかり気にします。あとは発汗性ですかね? 僕はけっこう汗っかきなので、発汗性の高いものだと、汗をかいたあとのこととかを気にせずに、ダンス稽古や殺陣稽古などができます。
お互いの稽古着で「ここがおしゃれだな!」と思うところは?
大野瑞生
靴の色がオレンジなのが、オシャレなのかな? たぶん彼はオシャレとしてはいてる感じはしないですが! でもオレンジは龍儀のイメージに合っているので似合っています。たまにお芝居中、足元に目がいってしまいますが、それは僕の集中力が足りないだけです……。とにかく機能性を重視しているところが好感を持てます。
横田龍儀
稽古靴を服の色と合わせてるのがオシャレだなと感じます。僕は稽古の靴は基本的にいつも同じ、はきやすい靴をはいていて、服との色合いを考えたことがなかったので、そういうところまで考えてるのがオシャレだなと思います。それに2日目のチェックのシャツが着やすそうだし、古着のような感じでオシャレだなと感じます。
いつか手にしたい憧れの稽古アイテムは?
大野瑞生
稽古着は今のもので充分満足しています。稽古グッズで言うと役の状態に入るときに、導入として音楽を使うことが多いので、音質の良いワイヤレスイヤホンがあったら良いなと思います。今回は2役やるので、役ごとに曲を決めて聞いていて、切り替えとしても音楽はすごく大事です。音楽を聴きながら、役の人生を反芻しています。
横田龍儀
よくみんなが使ってるマッサージガンが憧れの稽古アイテムですね。最初は何が良いのかなーと思っていたのですが、実際に使わせていただいたときにすごく良いなと感じました。のどに当てると筋肉がほぐれて発声もしやすくなりますし、筋肉痛とかもすぐに治りますし、とても便利だなーと感じ、憧れの稽古アイテムはマッサージガンです。
TAAC「ダムウェイター」で特に注目してほしいのはどんなところ?
大野瑞生
2人の人間性の一見残念にも見えるいとおしい部分を愛してくれたらうれしいです。対極の2人のようで、どちらも皆が持っている部分があります。観終わったあとに、自分の仕事や生き方と照らし合わせて、自分がどっち側か考えるのも面白いと思います。基本はコメディなので、素直に笑ってくれたらありがたいです。人生をかけてがんばっています。
横田龍儀
今回、親友の大野瑞生くんと二人芝居をやれるということで、僕たちのことを知っていたという方も、僕たちのことを知らないという方も、たくさんの人に楽しんでもらえたらと思います。そしてこの作品を通して、いろいろな方に自分はどんな生き方をしているだろう、ベンとガスどっちの生き方だろうと考えてもらえたらうれしいです。
プロフィール
大野瑞生(オオノミズキ)
1994年、岡山県生まれ。映像・舞台で活動する。主な出演作に特撮テレビドラマ「ウルトラマンギンガ」「烈車戦隊トッキュウジャー」、テレビドラマ「ボイスII 110緊急指令室」、舞台「ヒストリーボーイズ」、「舞台『弱虫ペダル』IRREGULAR~2つの頂上~」、「ミュージカル『刀剣乱舞』」シリーズ、舞台「家族のはなし」など。
横田龍儀(ヨコタリュウギ)
1994年、福島県生まれ。第25回ジュノン・スーパーボーイコンテストで審査員特別賞を受賞。主な出演作に「ミュージカル『刀剣乱舞』」シリーズ、「MANKAI STAGE『A3!』」シリーズ、PAT Companyのミュージカル「グッド・イブニング・スクール」など。11月に「朗読活劇 信長を殺した男 2021」、「ウォーターランフェスティバル2021」が控えるほか、12月3日には映画「MANKAI MOVIE『A3!』~SPRING&SUMMER~」が公開される。
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稽古着ファッションをお届け!ケイコレ Vol.49 大野瑞生と横田龍儀がお互いの稽古着を褒め合う
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