宇宙にまつわる映像を上映していたスクリーンが上がりカウントダウンが始まると、大歓声に迎えられながらメンバーが1人ずつステージに登場。渡會将士（Vo, G）の「ようこそ！ 俺たちの火星、赤坂BLITZへ！」というかけ声を合図に、バンドは「世界の始まりに」からライブをスタートさせた。モータウンビートが心を浮き立たせるこの曲で会場はじわじわと熱を帯びていき、続く「茶の花」でさらにヒートアップする。ステージ前方へ歩み出てオーディエンスを煽る竹尾典明（G）をはじめ、4人はリラックスした表情ながら気合いに満ちあふれている様子を見せた。
「今日は我を忘れてください。心ゆくまで踊ろうぜ！」と渡會が言い放ったあとは、ソロ演奏が盛り込まれた「ニューオーリンズ殺人事件」、スパニッシュテイストが印象的な「情熱は踵に咲く」と新作からのナンバーが続く。彼らは「GO WAY GO WAY」「NO WAY NO WAY」と雰囲気の異なるアッパーチューンを連投してオーディエンスの気持ちを高ぶらせると、「Strike the sun」をドラマチックに演奏して場内の空気を変えた。その後のブロックでは新作の中でもやわらかなムードをまとった楽曲が披露される。「もう9月だけど、今日限定の夏を呼び戻したいと思います」という言葉から始まった「Shangri-La」では竹尾、菅野信昭（B）、武並“J.J.”俊明（Dr）のコーラスを背に渡會がハンドマイクで舞台上を練り歩き、逆立ちやでんぐり返しのパフォーマンスをして会場を沸かせた。
ファン人気の高い初期曲「finch」に続いては、「21st Century Rock'n'roll Star」「GENERATeR」と硬派なロックナンバーが観客を踊らせる。「1983」では渡會が突如「割れろ！」と叫んでフロアを2分したかと思えば、「いいかお前ら、絶対に俺にケガをさせるんじゃない！」と笑ってその場に侵入。彼はそのまま最後方まで突き進んだあと、中央の柵に乗ってオーディエンスをアジテートしながら熱唱した。MCでは結成10周年を振り返ってファンへ感謝の意を示しつつ、「ついてきてくれとは言いません。背中を押されてください」と語る。最後は「Reach to Mars」の開放的かつ強靭なバンドサウンドでフィナーレを飾った。
アンコールでは「1回ここに置いていこうかなと思う曲をまとめてやりたいと思います」と告げられ、2006年に発売された「VERTIGO」全5曲が曲順通りに奏でられる。意味深な言葉も手伝って、観客は1曲1曲を胸に刻むかのように耳を傾けた。5曲目の「puddle」の前には菅野と武並が退場し、渡會と竹尾がイスに腰掛ける。2人はFoZZtoneの前身バンド時代からあったというこの曲を、アコースティックギターを爪弾きながら届けた。そして10周年イヤーの集大成ともいえる本公演を締めくくったのは「LOVE」。盛大なコール＆レスポンスが会場を包み、最高潮の中ライブは終了した。
FoZZtone「『Reach to Mars』TOUR FINAL」
2013年9月7日 赤坂BLITZ セットリスト
01. 世界の始まりに
02. 茶の花
03. ワンダーラスト
04. ニューオーリンズ殺人事件
05. 情熱は踵に咲く
06. GO WAY GO WAY
07. NO WAY NO WAY
08. Strike the sun
09. BABY CALL ME NOW
10. She said
11. Shangri-La
12. finch
13. 21st Century Rock'n'roll Star
14. GENERATeR
15. 1983
16. Master of Tie Breaker
17. Reach to Mars
＜アンコール＞
18. フラッシュワープ
19. polka dots
20. MOB RULE
21. 水際
22. puddle
＜ダブルアンコール＞
23. LOVE
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