毎年、その年の創作テーマを決めているという黒木。2025年は「亡霊」というテーマで作品を作り続けてきた。「ゴーストノート」は、目には見えないが確かに存在している亡霊たちの“声”を音楽としてすくい上げたという作品であり、柏倉隆史(Dr)、工藤明(Dr)、宮川トモユキ(B)、勝也匠(B)、井手上誠(G)、森田真奈美(Pf)、多畠幸良(Pf)らが参加している。
2年前から「人生が喪失のターンに入ったのだな」と感じていたという黒木は、リード曲「アンモナイト」について、「度重なる死別によって悲しみを音楽にするどころか、傷口を直視することさえできないまま2年もの歳月が過ぎていました。そんな折、妊娠がわかったのです。それは喪失とは真逆の経験でした。『喪失と誕生』という逆行する二つの現象を抱えながら過ごした時間は、私に新しい死生観をもたらしてくれました」とコメント。ファンから贈られたという化石に触れつつ、「痛みも悲しみも喜びも大切な記憶を化石にするように、歌の地層に閉じ込めてアンモナイトをかきました」と語っている。
黒木渚 コメント
リード曲「アンモナイト」について
アップデートされた死生観
2年前から「人生が喪失のターンに入ったのだな」と感じていました。
これまでも喪失のターンはランダムなサイクルで訪れてきましたが、
その度に曲をかいては乗り越えてきたのです。
しかし今回は手強かった…。度重なる死別によって悲しみを音楽にするどころか、
傷口を直視することさえできないまま2年もの歳月が過ぎていました。
そんな折、妊娠がわかったのです。それは喪失とは真逆の経験でした。
「喪失と誕生」という逆行する二つの現象を抱えながら過ごした時間は、
私に新しい死生観をもたらしてくれました。
ファンがくれた化石
私は大いに悲しんでいましたが、一方でこの痛みや悲しみが薄れてしまうことを恐れていました。
私に残された全てを風化させることなくそのままの形で残しておきたかったのです。
そんなとき、ふと机の上に飾っていたアンモナイトの化石に目が留まりました。
それは数年前にファンから贈られたものでした。
6600万年も前に絶滅してしまったのに、生きていた姿のまま私の前にあるアンモナイト。
痛みも悲しみも喜びも大切な記憶を化石にするように、歌の地層に閉じ込めてアンモナイトをかきました。
黒木渚「ゴーストノート」収録曲
01. アンモナイト
02. ゴーストノート
03. カタルシスかく語りき
04. ONE
05. かたつむりとダリア
06. ブラウスと亡霊
07. Magnolia
08. 死んだ文豪に恋をした
09. 分裂
ryo @rkpf_musik
32歳になって初めて買うCDは黒木渚になりそうです
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