“ゴールデンエイト”に引き継がれた伝統芸
えびちゅうは2014年から在籍したメンバー・小林歌穂の卒業に伴い、同会場で2日間にわたるライブを開催。前日28日には小林の卒業式ライブ「ぽ~EVER ー消えない落書きー」を行い、その翌日29日に8人体制の“始業式”となる今回のライブを行った。セットリストに組み込まれたのはえびちゅうの代表曲のほか、根強い人気を誇るアルバム曲や初期のレア曲など全25曲。前日の卒業式ライブで披露された、小林のソロパートが印象的な楽曲の数々も早くも新バージョンで届けられ、えびちゅうの進化のスピードを印象付けるステージとなった。
黒を基調にしたクールな衣装でステージに現れたえびちゅうはまず、2014年の8人体制時代、ゴールデンタイムの音楽番組出演という目標を高らかに宣言した「金八DANCE MUSIC」を新たな8人体制で披露。ライブのサブタイトルでもある“ゴールデンエイト”が歌詞に登場するこの曲でド派手にオープニングを飾った。パワフルなナンバーの数々でえびちゅうファミリー(私立恵比寿中学ファンの呼称)のテンションを上げたのち、風見和香は神妙な面持ちで「歌穂ちゃんからバトンを受け継いだ大切な曲です。心を込めて歌います」と次の曲を紹介する。ファミリーが固唾をのむ中で始まったのは、風見による口パクのフェイク。そう、前日の「ぽ~EVER ー消えない落書きー」でも披露された、小林による口パク芸でおなじみの「EBINOMICS」だ。小林から風見に“伝統芸”のバトンがつながれたことを印象付けるパフォーマンスに、ファミリーは大いに盛り上がった。
MCでは妹組の個性が炸裂
メンバーそれぞれのソロダンスパフォーマンスに続いては「あたしきっと無限ルーパー」「はみだせGirls」といったナンバーへ。「仮契約のシンデレラ」では小林が歌っていた「ガラスの靴 名前を書いて」のパートを“カホリコ”コンビの相方である同期・中山莉子が引き継ぐ演出でファミリーを沸かせた。さらにえびちゅうは3月に埼玉・さいたまスーパーアリーナで行った結成15周年ライブでも披露した、シングル「SCHOOL DAYS」カップリングのユニット曲をパフォーマンス。真山りかと安本彩花の「明日」、桜木心菜、小久保柚乃、風見の「王様の耳はパンの耳」、桜井えまと仲村悠菜の「すたーてぃん」でそれぞれの魅力をファミリーにアピールした。
相方の小林が卒業し、唯一ユニット曲の披露がなかった中山の出番は……とファミリーが気にかけていると、中山はアリーナに置かれたお立ち台に上がり「靴紐とファンファーレ」を力強く歌い始める。衣装を改めたほかのメンバーも次々と現れて歌声を重ねた。前日の卒業式ライブでは仲村が小林に捧げるように彼女の目を見て歌った「SCHOOL DAYS」のイントロは、この日は客席をまっすぐに見つめながら歌唱。えびちゅうの新体制に対する意気込みを表現するかのようなパフォーマンスを見せた。
MCで8人は“今年の夏にしたいこと”というテーマでトークを展開。仲村は2022年の加入当時からの願いだという「メンバーでのバーベキュー」を挙げるが、真山は「昔は『ファミえん』(えびちゅう夏の恒例野外ライブ)のときにやっていたんだけど、みんな食べるのに夢中で(映像の)撮れ高がなくて。黒歴史だね」と苦い顔。そこに仲村が「撮れ高作れば無料でバーベキューできるってことですね?」と度胸たっぷりにツッコみ、ファミリーやメンバーを笑わせる。仲村と同期加入の桜井はメンバーでサーフィンがしたいと明かすが「私はできないですけど、憧れで」とのこと。こちらも真山を「あなたができなくて私たちができると思う!?」と苦笑いさせるなど、“妹組”の自由奔放っぷりが際立つ場面となった。
「playlist」メドレーで見せた大人のえびちゅう
和やかなトークのあと、真山はえびちゅうバンドのメンバーを呼び込み「私立恵比寿中学はたくさんのアルバムとともに、曲に助けられながら大人になってきました。そんな私たちが大人になったタイミングのアルバムの曲をメドレーでお送りします」と紹介し、2019年リリースのアルバム「playlist」の楽曲を4曲連続で披露する。メドレーの最後を飾ったのは小林をフィーチャーした楽曲として作られ、卒業式ライブでも1曲目となった「SHAKE! SHAKE!」。軽やかなイントロ部分は小林に代わって仲村が歌い、間奏のラップパートではメンバー全員がサングラスをかけるなど、新たな彩りを加えたパフォーマンスでファミリーを楽しませた。
終盤では「PANDORA」「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」などアッパーなナンバーを連投したえびちゅう。真山の「私たちはファミリーの愛を信じてこれからも突き進んでいきます」という言葉で始まった「日進月歩」は、えびちゅうバンドによる圧巻の演奏ともあいまって力強くファミリーの胸に響いた。「もっと走れ!!」ではTBS「オールスター感謝祭」などでの活躍によりスポーツアイドルとしての知名度を急上昇させた風見が、ステージ裏のルームランナーからアリーナの通路、ステージ上のゴールまでを駆け抜ける演出も。最後に「ジャンプ」を熱唱したあと、真山は「こんなにうれしい『ジャンプ』は初めてで……」と涙を浮かべつつも晴れ晴れとした表情を見せた。
これからも『愛と自信』を胸にがんばります
アンコールでメンバーは再びトロッコに乗り込み「U.B.U.」を、そしてポケットティッシュを会場中にばらまきながら「ザ・ティッシュ~とまらない青春~」を歌う。全員がメインステージに戻ったところで、えびちゅうは10月11日に埼玉・大宮ソニックシティでファンクラブ会員限定イベントを開催すること、11月に神奈川・カルッツかわさきと愛知・愛知県芸術劇場 大ホールで秋の恒例ライブ「ちゅうおん」を行うことを発表してファミリーを歓喜させ、2日間のラストを飾るナンバー「永遠に中学生」を笑顔で歌った。
ラストの挨拶ではメンバーを代表し、仲村が「これからも『愛と自信』を胸にがんばります!」と、卒業式ライブのサプライズとして小林が用意したメッセージカードの言葉を引用してみせる。小久保は「がんばるぞ!って感じだったけど」と気合いの入り具合を振り返りつつ「すごく楽しくハッピーにできました。これからもこのハッピーな感じで」とほほえむ。桜木は「あとから入った者が言うのもおこがましいですが……この今の私立恵比寿中学が最強で最高、私立無敵モード中学です! この8人で楽しい未来を作っていきたいです!」と高らかに前進を宣言した。
今回の2日間のライブの模様はFODにて7月5日までアーカイブ配信を実施中。えびちゅうは今回発表された秋の3公演に先駆け、8月16日と17日には夏の恒例野外ライブ「FAMIEN2025」を山梨・山中湖交流プラザきらら シアターひびきで開催する。また8月25日には風見和香、9月2日には桜井えま、9月16日には桜木心菜の生誕ソロライブの開催も決定している。
セットリスト
「私立恵比寿中学 新体制始業式『GOLDEN EIGHT ーnew againー』」2025年6月29日 幕張メッセ 幕張イベントホール
01. 金八DANCE MUSIC
02. Knock You Out!
03. 新未来センセーション
04. EBINOMICS
05. あたしきっと無限ルーパー
06. はみだせGirls
07. 仮契約のシンデレラ
08. 明日
09. 王様の耳はパンの耳
10. すたーてぃん
11. 靴紐とファンファーレ
12. SCHOOL DAYS
13. シングルTONEでお願い
14. トレンディガール
15. 愛のレンタル
16. SHAKE! SHAKE!
17. PANDORA
18. 放課後ゲタ箱ロッケンロールMX
19. HOT UP!!!
20. 日進月歩
21. もっと走れっ!!
22. ジャンプ
<アンコール>
23. U.B.U.
24. ザ・ティッシュ~とまらない青春~
25. 永遠に中学生
みいたん @shiorittan0112
めっちゃ好きwwwwww
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