ONE N' ONLY、満員の国際フォーラムで誓ったさらなる飛躍「この“家族”と一緒に、最高のステージに」

ONE N' ONLYが昨日6月25日に東京・東京国際フォーラム ホールCでワンマンライブ「ONE N' LIVE 2023 ～Departure～」の追加公演を開催した。

「ONE N' LIVE 2023 ～Departure～」は、5月1日の愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール公演を皮切りに全国3カ所で行われた、ワンエン初のホールツアー。各地での盛況ぶりを受けて開催が決まった追加公演は昼夜2部制で行われ、いずれの公演もチケットがソールドアウトという注目度の中で実施された。

開演時刻を回り、スモークで覆われた東京国際フォーラムのステージ。メンバーの姿を順に映し出すオープニング映像がSWAG（ONE N' ONLYファンの呼称）の期待感を高めると、舞台上には一瞬にして大きな飛行機のセットが出現する。観る者の驚きを誘うスケール感のあるオープニング演出の中、その飛行機の機体の上に並ぶように姿を見せた6人は、「We'll rise again」でライブの幕を開けた。「デビュー5周年の節目の“新たな始まり”」というメッセージをタイトルに込めた5月リリースの最新アルバム「Departure」において、飛行機は重要なアイコン。ステージ奥のビジョンに映し出された青空の映像が爽快な疾走感を醸し出す中、TETTA、REI、EIKUは冒頭からクリアな歌声を響かせて会場の盛り上がりを牽引してゆく。リーダー・HAYATOがツアータイトルをコールしたのを合図にアルバムのリードトラック「Departure」を続けると、ドリルベースのヒップホップサウンドで一気に空気を塗り替えた6人。HAYATOはミステリアスな表情で客席を見据えながら、攻撃的なアジテートで会場の熱を高めていった。

イントロでSWAGの歓声が上がったのは、この日が初披露となったアルバム収録曲の「Set a Fire」。日本語、英語、ポルトガル語が入り乱れる歌詞にラテンとレゲエの要素が盛り込まれたサウンド、ワンエンならではのミクスチャー感満載なダンストラックは瞬時にオーディエンスの興奮を誘い、6人のパワフルなパフォーマンスも相まって客席が揺れるほどの熱狂に包まれた。3曲を終えてのMCでは、自己紹介と合わせて思い思いに気合いを込めたというヘアアレンジをアピールして、SWAGから「かわいいー！」という歓声を集めた6人。HAYATOは「みんなのおかげで追加公演まで開催できています、ありがとうございます！」とファンに感謝し「今日この時間だけは何もかも忘れて楽しんでほしいなと思います」と呼びかけた。

ラウドなロックサウンドをスマートに乗りこなすHAYATOとKENSHINのラップとメロディアスなボーカルパートのコントラストが楽しい「OPEN」でSWAGのテンションをさらに引き上げると、EIKUが作曲、EIKUとTETTAが作詞に参加した「Reflection」では美しいミラーボールの光の反射が6人とSWAGの姿を照らし出す。TETTA、REI、EIKUのボーカル組は感情を思い切り込めたボーカルで歌詞のメッセージをまっすぐに伝え、会場をエモーショナルな空気感で満たしていった。アルバム収録の新曲2曲を続けたのち、ステージの上段と下段を大きく使い“二丁拳銃”のポーズでクールに客席を撃ち抜いた「YOUNG BLOOD」でSWAGにシンガロングを求めた6人はそのままダンスセクションへとなだれ込んでパワフルに躍動する。サーチライトの動きとも見事に連動したフォーメーションダンスでオーディエンスの視覚に訴えかけた彼らが勢いのままにドロップしたのは「Get That」。舞台奥のビジョンにリリックが映し出される演出の中、6人はラテンサウンドに情熱的に身を委ね、さっそうとステージ奥へと姿を消した。

ライブ前半のハイライトとなったのは、ONE N' ONLYの5年の歩みを振り返るメドレーパート。6人はONE N' ONLYのロゴのカラーと同じ赤と黒の衣装に着替えて、再びSWAGの前へ姿を見せた。下手に立つHAYATO、KENSHIN、EIKU、上手に立つTETTA、REI、NAOYAがステージ中央で合流すると、彼らの背後のビジョンにはワンエンのロゴマークとデビュー曲「I'M SWAG」のロゴが浮かび上がる。「I'M SWAG」のジャケット写真の立ち位置とポーズをファンの前で再現するという凝った演出で聴衆の視線を釘付けにした彼らは、TETTAの「Look」という声を合図に、その「I'M SWAG」からメドレーに突入した。曲間にはメンバーが5年の歩みを振り返るセリフパートも盛り込まれ、2曲目の「Dark Knight」の前にはKENSHINが「5年前、2つのグループが合わさってONE N' ONLYになった俺たち。デビュー曲『I'M SWAG』で確かな手応えを得た。次に披露するのは俺たちのライブに欠かせない曲。ぶち上がっていこうぜ！」と威勢よく告げる。その言葉通り、「Dark Knight」で熱情をあらわにする6人のパフォーマンスに、SWAGも力強くペンライトを振って呼応。勢いのままなだれ込んだ3rdシングル曲「Category」でも気迫の歌とダンスを見せるメンバーの姿に、ホール内の熱気はぐんぐんと高まっていった。

「Don't worry」では、NAOYAが「結成して5年。うれしいこと、悲しいこと、つらいこと、全部このメンバーで乗り越えて来た。このメンバーと一緒だったから乗り越えてこれた。僕たちは本当に幸せです。こんなに素敵なSWAGに出会えるなんて。もっともっと大きな景色を見せるから、これからもついて来てね。Don't worry」とSWAGに約束。メンバーの温かな思いがメロディに乗せて届けられたこの曲の最後にはHAYATOのラップパートが設けられ、1人ステージに残った彼は「この飛行軌道に間違いはない」と、振り返ったこれまでの歩みを力強く肯定するオリジナルラップをオーディエンスに届けた。「俺は俺Shut Up!」というリリックが導いた次の曲は「Shut Up! BREAKER」。強いメッセージ性と重低音響く攻撃的なサウンド。ワンエンが確立させた“らしさ”を凝縮したこの曲を6人はフルパワーで叩き付け、HAYATOは「強気になってんじゃねえよ」と力強く言い放ってSWAGの歓声を誘った。

EIKUの「コロナ禍で会える機会が少なかったけど、今は目の前にSWAGがいてくれています。ありがとう！ 次の曲は初めて振付をした曲。一緒に踊ろう！」というメッセージとともに始まったのは、コロナ禍真っ只中の2021年に“画面を通してつながる”ために作られたポップソングの「Video Chat」。メンバーがテレフォンコールに応じる場面、第1部ではNAOYAが「なんだよ、たく（超特急タクヤ）かよ。筋肉の話ならどうでもいいよ！」、第2部ではHAYATOが「FUMIYA（BUDDiiS）？ この距離で電話してくんな。ママのことはいいって！」と、互いに“兄弟ネタ”でSWAGとメンバーを沸かせるというアドリブも。6人はステージ上に登場したライブカメラに笑顔を向けながらキャッチーな手振りを踊って観客を楽しませた。会場に楽しげなムードが広がった「Video Chat」を経て、メドレーはボーカル陣がクリアな歌声を響かせるバラード「We Just Don't Care」で締めくくられ、REIは「僕らはこれまでたくさんの壁にぶつかってきたけど、すぐそばにはSWAGがいたからここまで走って来られました。これからも一緒にいてください」とまっすぐに思いを伝えた。

メドレーが終わってメンバーが一度姿を消すと、ビジョンには6人がSWAGへの愛をつづったメッセージが順に映し出され、SWAGはそれぞれの言葉を熱い眼差しで受け止めた。そして、「YOU???」でライブが再開すると、グループカラーの白一色の衣装に着替えたメンバーは客席のあちこちの扉から登場してSWAGの驚きを誘う。2階席に登場したHAYATOが「Video Chat」でイジったばかりの実弟・FUMIYAを客席に見つけてハイタッチを交わし、観客を沸かせる場面も。SWAG1人ひとりとすぐそばで目を合わせ、指ハートやハイタッチでコミュニケーションを取りながらオーディエンスを自分たちのペースに巻き込んでいく6人は、続く「HOLIDAY」も客席の中でパフォーマンス。訪れる階層を順番に入れ替えながら、3階席の客席通路までくまなく駆け抜ける彼らの姿に客席は熱狂の空間と化し、KENSHINがリードしたメンバー名のコール＆レスポンスでも、会場中から大きな声が上がる。常にポジティブでフレンドリーなエネルギーに満ちたワンエンならではの“長尺客席降りパフォーマンス”によって会場に大きな高揚感がもたらされると、KENSHINは「みんなのおかげで追加公演まで駆け抜けることができました！」と改めてSWAGに感謝を伝えた。

そして、ライブは初披露の「Hunt」でクライマックスへ。ボーカル組の巧みなマイクリレーがオーディエンスの耳を奪うサビパートでは6人が弓を射るような動きでSWAGを狙い撃ちし、TETTAは終盤の落ちメロで繊細な高音のフェイクを響かせ楽曲を美しく彩った。NAOYAの「もっとひとつになっていきましょう！」という呼びかけにSWAGがペンライトを思い切り回して呼応した「Step Up」を経て、本編の最後に届けられたのは「Last Forever」。REIが落ちメロを高らかに歌い上げるとテープキャノンが勢いよく発射され、華やかなムードに満たされる中でメンバーはステージをあとにした。

「ワンエン！ ワンエン！」というSWAGの大きな声に導かれてアンコールの舞台に現れた6人は「My Love」でライブを再開。ボーカルの3人は柔らかな声でハートウォーミングなメッセージを歌い届け、お互いに笑顔を交わしながら楽しそうにステージに立つ6人の姿に、客席にも笑顔の輪が広がっていく。この曲を終えてのMCでは、ONE N' ONLYが4月に行ったラテンアメリカツアーの模様を記録した写真集が9月22日に刊行されることが発表となり、写真集に収められるカットがSWAGに紹介された。

そののちに披露されたアルバム収録の新曲「Be Alright」はEIKUがギター伴奏を務めるアコースティックアレンジが施され、メンバーはEIKUの奏でる音を感じながらボーカルをリレー。優しい歌声で「明日へ進もう」という楽曲のメッセージをSWAGへと送った。ツアーファイナルの最後を飾ったナンバーは「Call Me」で、KENSHINは「今日はみんな来てくれて本当にありがとう！」と告げる。裏打ちのリズムにゆったりと乗り、楽しげに肩を組み合いながら声を合わせたワンエンの6人。最後の最後まで客席をくまなく見つめてSWAGと笑顔を交わし続け、NAOYAは曲中に「またみんなに会えるの、楽しみにしてるね！」と叫んだ。

第2部では、ツアーの幕引きを前に今の思いをSWAGに伝えた6人。「僕、ファイナルのこの感じがめちゃくちゃ好きで」と切り出したNAOYAは「東名阪を回っていろんなパワーをもらって。ファイナルのステージでそれを分かち合ってまた次のステージへ進んでいく。この時間が本当に好きですし、本当に音楽やっててよかった！」と思いを爆発させた。「今回のツアーで、みんなに会えることの素晴らしさを感じたし、こうして当たり前に会えることは、実は当たり前じゃないんだと考えさせられました」と吐露したEIKUは「ONE N' ONLYとしてもっと大きくなっていきたいですし、たくさんSWAGに会えるように、僕もがんばっていきたいと思います。出会ってくれてありがとう。大好きです！」と客席のSWAGに向けて語りかける。KENSHINは「この活動をしていてよかったなと思うし、みんなの素敵な笑顔を見れて、声を聞けて、本当に楽しかったです」と笑みを浮かべ「毎日、リハが終わって1人になると、『もっと大きくなりたい』と思うんです。そういうときに、みんなの言葉が自分の力になっています。絶対にもっと大きな場所に行くから、ついて来てほしい。『応援していてよかった』と思ってもらえるように、これからもがんばります」と誓った。

1週間前に気管支炎を患い、ライブ直前まで繊細なコンディション調整を続けて来たTETTAは「この1週間、まったく人としゃべらないという経験を初めてしました。最初はすごく恐怖で『声が出なかったらどうしよう』って悩んだけど、その中でみんなが『自分のペースで。私たちは待っているよ』とすごく温かい声をくれて、僕にとってはそれがすごくうれしかったです」とSWAGに感謝を伝えた。歌唱時以外は、喉に負担をかけないよう優しい発声を保ち続けた彼は「これからも健康には気を付けて、今後は元気に、太陽のようなバカうるさいTETTAで行くので（笑）。喉が治ったとき、あのうるさいTETTAが帰って来るのでお待ちください」と約束。そして、REIは満員の客席を見上げ「去年の秋、（中野）サンプラザで悔しい思いをしたけれど、今年の春にこうして結果を出せたのは、SWAGのみんなが僕らの思いを汲んでくれたからだと思う。それが伝わります。いろんな人が僕を支えてくださって、自分は恵まれているって。あとは突き進むだけです。本当に、もっと大きなステージに立ちたいって切実に思っています。メンバーは、僕にとって家族同然。この家族と一緒に、最高のステージに立ちたいです」と、思いのままに自身の熱い胸の内を明かした。

最後にマイクを握ったリーダーのHAYATOはグループの5年の歩みを振り返り「5年経ってやっと、ライブで何を伝えたいのか。リリースする曲で何を届けたいのか。僕らの自我を出せるようになってきたし、僕らの声が届く環境になってきたなと感じます」と、成長の実感を口にした。「みんなにとって僕らは生活の一部かもしれないけど、僕たちにとってはSWAGが“すべて”だから。頭の片隅にでもいつも俺たちが存在してくれて、『勇気をもらえるな』とか『元気をもらえるな』と思ってくれたら幸せです」。そう訴えたHAYATOは「もう5周年だという焦りもあるけど、5周年イヤー、残り半分も突き進みます。マジでもっと大きいステージに行くんで、全力でついて来てください」と呼びかけ「ONE N' ONLY、マジでSWAGを愛しています」とまっすぐに伝えた。