くるり「音博」が3年ぶり梅小路に帰ってきた!マカえん、槇原敬之ら“選り取り見取り”アクトが熱演

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くるり主催のライブイベント「京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園」が10月9日に京都・梅小路公園 芝生広場で開催された。

「京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園」よりくるりのステージの様子。(撮影:井上嘉和)

「京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園」よりくるりのステージの様子。(撮影:井上嘉和)

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2007年にスタートし、今年で16回目を迎える「音博」。2020年と2021年のオンライン開催を経て、今回は2019年以来3年ぶりに「音博」お馴染みの会場である梅小路公園にて行われ、くるりをはじめ、マカロニえんぴつVaundySHISHAMO槇原敬之、ブラジル出身のアントニオ・ロウレイロ&ハファエル・マルチニが多彩なパフォーマンスを繰り広げた。

上空が厚い雲に覆われた梅小路公園の舞台に、くるりの岸田繁(Vo, G)と佐藤征史(B)が姿を現すと、芝生に座っていたファンは立ち上がり拍手で歓迎する。会場を隈なく見渡した岸田は「オンライン開催を経て、3年ぶりに梅小路公園に戻ってきました。ただいま! バッチリ成功させたいと思います」と気合い十分に開会宣言を行った。

はっとり(Vo, G / マカロニえんぴつ)(撮影:井上嘉和)

はっとり(Vo, G / マカロニえんぴつ)(撮影:井上嘉和)[拡大]

まず岸田から「くるりの遺伝子を受け継いでいるようなところがあります」と紹介されたのはトップバッターのマカロニえんぴつ。手始めに彼らはくるり「尼崎の魚」をリスペクトを込めながらカバーし観客の心をぐっと引き寄せる。そして長谷川大喜(Key, Cho)の瑞々しいキーボードをきっかけに「レモンパイ」でライブを始め、疾走感たっぷりの「MAR-Z」「洗濯機と君とラヂオ」を連発。「ヤングアダルト」でははっとり(Vo, G)が「『音博』ヤングルーザー」とアドリブを交えながら歌ってさらなる興奮を誘い、最後は新たな代表曲「なんでもないよ、」でロックバンドとしてのたしかな存在感を示した。

Vaundy(撮影:井上嘉和)

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岸田からは歌唱力の高さを、佐藤からは幅広い世代から支持されていることを称賛されたVaundy。そんな彼は「音楽を作るときによく聴いて参考していたバンドです」とくるりに敬意を払った。雨が降り始める中、Vaundyは「不可幸力」で軽やかなステップを踏みながら高揚感に満ちたパフォーマンスを展開。「踊り子」で心地よいグルーヴを生み出すと、オーディエンスは思いおもいに体を揺らした。上着を脱いでカットソー1枚になると「裸の勇者」で重厚なバンドサウンドに乗せてパワーみなぎる歌声を轟かせ、「東京フラッシュ」ではメロウなムードを描き出す。その後、ひと際華やかなポップチューン「花占い」「怪獣の花唄」を畳み掛けた彼は、さっそうとステージを去った。

アントニオ・ロウレイロ&ハファエル・マルチニ(撮影:井上嘉和)

アントニオ・ロウレイロ&ハファエル・マルチニ(撮影:井上嘉和)[拡大]

「音博」の見どころの1つと言えば、さまざまな海外アーティストのパフォーマンス。岸田は「地球の裏側、ブラジルからやってきました」「すごい人とすごい人が音楽をやったら当然すごいことになる。1×1を5億にするお二人です」とアントニオ・ロウレイロ&ハファエル・マルチニについて語った。アントニオとハファエルは向かい合って持ち場に付き、「Universo」でスペーシーな世界観を表現。「Dual」ではスキルフルなプレイにいっそう熱がこもり、観客を釘付けにした。手を合わせながら感謝の言葉を述べた2人は「Luzz da Terra」でもドラムやキーボードが絶妙に絡み合う卓越した演奏で聴衆を引き込んだ。

「京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園」よりSHISHAMOのステージの様子。(撮影:井上嘉和)

「京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園」よりSHISHAMOのステージの様子。(撮影:井上嘉和)[拡大]

岸田から「天才。トリオのバンドといえばこの方たちです」、佐藤から「ライブをずっとやってる、叩き上げのイメージがあります」という紹介を受けて登場したのはSHISHAMO。雨脚がいっそう強まる中で宮崎朝子(G, Vo)、松岡彩(B)、吉川美冴貴(Dr)は挨拶代わりにくるり「THANK YOU MY GIRL」をカバーし、SHISHAMOらしい熱烈なラブソング「君の目も鼻も口も顎も眉も寝ても覚めても超素敵!!!」でオーディエンスを興奮の渦へと巻き込む。さらに、複雑な恋心を表した「夏の恋人」や「夢で逢う」でセンチメンタルなムードを演出したかと思えば、ソリッドなロックチューン「狙うは君のど真ん中」「明日はない」でアグレッシブなプレイを見せつけ、晴れやかな表情でステージを終えた。

槇原敬之(撮影:井上嘉和)

槇原敬之(撮影:井上嘉和)[拡大]

「毎年呼びたいと思っていて今回オファーしたらまさかの“イェス”のお返事がありました。中学のときに夢中で聴いていました」という岸田のラブコールを受け取った槇原。日が少しずつ傾き始め、雨が弱まってきた頃に彼は笑顔で舞台に現れた。平成を代表する大ヒットソング「遠く遠く」「どんなときも。」を続けオーディエンスを歓喜させた槇原は、刺激的でダンサブルなナンバー「Fall」「Hungry Spider」を投下して瞬く間に熱気を引き上げる。そして、SMAPへの提供曲「世界に一つだけの花」のセルフカバーや新たな旅立ちを後押しする「宜候」を披露したのち、ラストには「四つ葉のクローバー」を通じて温かなメッセージを送った。

朗読する又吉直樹(ピース)。(撮影:井上嘉和)

朗読する又吉直樹(ピース)。(撮影:井上嘉和)[拡大]

日没によって暗闇に包まれるステージには、1冊の本を手にした又吉直樹ピース)が登場。「ピースのアメリカに旅立たなかったほうです」と自己紹介すると、その本を開き、くるりへの思いを綴った詩を丁寧に読み上げた。又吉の朗読が終わると、そのまま最後のアクト・くるりのライブへ。夏の情景が描かれた「真夏日」で静かにライブの幕が上がり、「潮風のアリア」ではメンバーの織りなす芳醇なハーモニーがあたり一面に広がった。R&Bやヒップホップを盛り込んだ「琥珀色の街、上海蟹の朝」でアーバンなムードを漂わせたくるりは、駆け抜けるようなギターサウンドをきっかけに「everybody feels the same」を軽快にプレイ。「太陽のブルース」で哀愁に満ちたサウンドを、「ブレーメン」で壮大なアンサンブルを響かせた。ここで岸田は「天候はあいにくになりましたが、素晴らしい『音博』になったと思います」と述べ、「3年ぶりに梅小路公園に帰ってくることができました。選り取り見取りのアーティストの皆様、ありがとうございました。気持ちがいっぱいなので話すのはこのへんで」と思いをあふれさせる。出番の最後には、メンバーが岸田のアコースティックギターのアルペジオから始まる「奇跡」を届けて感動的なムードをもたらした。アンコールでは「宿はなし」も披露し、今年の「音博」をフィナーレに導いた。

岸田繁(Vo, G / くるり)(撮影:井上嘉和)

岸田繁(Vo, G / くるり)(撮影:井上嘉和)[拡大]

佐藤征史(B / くるり)(撮影:井上嘉和)

佐藤征史(B / くるり)(撮影:井上嘉和)[拡大]

なおスペースシャワーTVでは12月8日(木)22:00より「京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園」の模様がオンエアされる。

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スペースシャワーTV「京都音楽博覧会2022 in 梅小路公園」

2022年12月8日(木)22:00~23:30

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読者の反応

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hiro @hiro

音博ってこんなにくるりにお世辞を言いながらバンドが出てくるようなフェスじゃなかったはずなんだけどなぁ感
https://t.co/a4WIeTiqVC

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