凛として時雨、歴代人気曲でも沸かせた「Five For You」国際フォーラム公演

凛として時雨が6月11日に東京・東京国際フォーラム ホールAでワンマンライブ「凛として時雨 Tour 2018 "Five For You" ～Vacuum The Hall Edition～」を開催した。

この公演は3月から4月にかけて実施した全国ツアー「Five For You」の追加公演として大阪・フェスティバルホールと東京国際フォーラム ホールAで行われたもの。最新アルバム「#5」の楽曲を軸とした全国ツアーのセットリストに大幅な変更を加え、2002年の結成から現在に至るまでのバンドの歴史を感じさせる楽曲群が披露された。

余計な装飾のないステージにTK（Vo, G）、345（Vo, B）、ピエール中野（Dr）が姿を現し、暗転した状態から「Chocolate Passion」を1曲目に披露。いくつものピンスポットが天井からフロア、ステージに降り注ぎ、楽曲をドラマチックに盛り上げた。「High Energy Vacuum」では緑と赤の光が妖艶に混ざり合い、「SOSOS」ではカラフルなライトが場内を鮮やかに彩るなど、序盤から楽曲と照明がシンクロしたシアトリカルなライブが展開されていった。

TKが「凛として時雨です。よろしくお願いします」と挨拶をしてから、時雨は「Enigmatic Feeling」、「DIE meets HARD」を届け、ピエール中野の跳ねたビートで始まる「I'm Machine」では、場内が7色の光に包まれた。「a 7days wonder」に続いて演奏されたのは、TKがこの日唯一エレアコに持ち替えた「Serial Number of Turbo」。薄くディレイのかかったギターサウンドを奏で、ファルセットを駆使したメロディアスな旋律を歌い上げたあと、人気曲「abnormalize」へとつなげ、観客の高揚感を高めた。

TKと345が一旦ステージを去り、ピエール中野のMCコーナーがスタート。彼は「2つ言いたいことがあります！」と切り出し、1つ目にオーディエンスへの感謝と、この日が新垣結衣の誕生日であることを告げた。「こんなおめでたいことはない！」と観客と共に拍手をした彼は、さらにライブの前日にオンエアされたテレビ朝日系「関ジャム 完全燃SHOW」に出演した際にYOSHIKI（X JAPAN）のドラムについて語ったことから、オーディエンスと“Xジャンプ”を行った。その後、全国ツアーでも話題を集めた童謡「どんぐりころころ」をBGMにドラムソロを披露。LEDが仕込まれてネオンカラーに輝くクリスタルドラムを用い、2ビート、ブラストビートを含む手数の多いドラムプレイを見せつけると、場内は大歓声に包まれた。

ライブ後半、再び3人が定位置に着いて披露したのは、時雨の原点とも言える初期曲「鮮やかな殺人」。その後、「I was music」「DISCO FLIGHT」とキラーチューンを畳みかけると、座席指定のホールライブにも関わらず、オーディエンスの興奮も相まって場内が大きく揺れた。時雨は勢いを保ったまま「Telecastic fake show」「a symmetry」を演奏。そして長年にわたって時雨のライブで披露されることのなかった初期のナンバー「Sergio Echigo」では、楽曲後半でテンポアップし、TKが狂ったようにギターをかき鳴らし、345とピエール中野も激しいパフォーマンスを見せた。

345による「また遊びに来てください。ありがとうございました。凛として時雨でした」という挨拶のあとラストナンバーとして届けられたのは、最新アルバム「#5」の最後に収録されている「#5」。初期ナンバーを連想させる歌詞「鮮やかな夕景達よ」のリフレインが響き渡り、明滅する照明と轟音によってカオティックな空間が広がっていく。そして耳をつんざくようなフィードバックノイズを残して、3人はステージをあとにした。