映画「
吉田修一の同名小説を映画化した本作は、任侠の一門に生まれながら歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる立花喜久雄の一代記を描いた物語。吉沢が喜久雄、横浜が歌舞伎界の御曹司・大垣俊介を演じ、俊介の母・大垣幸子に寺島、喜久雄と京都の花街で出会う芸妓・藤駒に見上、少年時代の喜久雄に黒川、人間国宝・万菊に田中が扮した。また歌舞伎指導を担った鴈治郎が、歌舞伎役者の吾妻千五郎役で出演。本作は6月6日の全国公開から現在までロングランヒットが続き、11月末には邦画実写作品の歴代興行収入ランキング1位の記録を塗り替えた。さらに昨日12月30日までの公開208日間で観客動員数1309.8万人、興行収入184.7億円を記録している。
李相日「皆さんの“国宝愛”が我々を押し上げてくれた」
鳥屋口から花道を通って登場した登壇者たち。大歓声に迎えられ、舞台に上がった吉沢は「大みそかの特別な日に時間をくださりありがとうございます。歌舞伎座には、何度も足を運んで学ばせていただきました。そんな歌舞伎座の舞台からの景色を見させていただける日が来るとは。非常に光栄です」と、横浜も「神聖な場に立てることを光栄に思います」と感動した様子を見せた。
寺島は「東宝の映画が、12月31日に松竹管轄の場所で上映される奇跡。これを体験できたことは一生忘れないと思います。映画が大きくなって、世界に羽ばたいて、日本の伝統芸能を見ていただける機会にもなった。この作品は相当な爪痕を残したと思います。映画の一員になれたこと、感謝しております」と言葉に力を込める。李は「思えば数年前、歌舞伎座の客席に座りながら、いつか歌舞伎の映画を撮りたいと考えていました。今日は花道を歩きながら、感慨深い気持ちになりました。たくさんの方に支持していただき、皆さんの“国宝愛”が我々を押し上げてくれた。こんなことがこの先の人生にあるんだろうか? いくら感謝を申し上げても足りません」と思いを口にした。
吉沢亮と横浜流星が語る2025年
2025年はどんな1年になったか?という質問が飛ぶと、吉沢は「『国宝』のおかげで、カンヌに行かせていただいたり、海外でキャンペーンをさせていただいたり、いろんな経験ができました。公開から半年経って、こんなふうにご挨拶できる機会も滅多にないこと。忘れられない1年になりました」と述べる。同じ質問に横浜は「人としても役者としても学びが多く、自分にとっても節目の年になりました。『国宝』が公開されて、たくさんの方が劇場に足を運んでくださった。コロナ禍以降、観客の皆様が映画館で映画を観る機会が少なくなっているように感じていたんですが、『国宝』によって希望が持てました。映画人として、一役者として、映画をより発展させられるようにと責任感が強くなりました」と真摯に語った。
そんな2人との撮影を振り返り、寺島は「李監督ですから、撮影が過酷なんです(笑)。劇中で踊りを踊る方たちは何年も前からお稽古されている。どこかのタイミングで2人(吉沢と横浜)が踊っているときに、監督に『歌舞伎役者に見えますかね?』と聞かれたんです。それは見えるわけないよと思ったんですが、絶対歌舞伎役者を描くんだ!という監督の執念がすごくて唖然としたんです。そしてその執念が実った。また監督の作品に出演させていただきたいです」とラブコールを送る。これを横で聞いていた吉沢は、横浜と「執念しかなかったですね」と口をそろえつつ「我々のことを信じてくれているからこその『もう1回!』の多さというか(笑)。自分でなぜもう1回なのか気付くまでやらせてくれる。厳しさがありながら、愛情も感じました」と回想。横浜も「本当にこんなにも信じてくださって、愛情を持って、時間を掛けてくれる現場ってないんです。これは幸せに感じないといけないと思いました」と続いた。
黒川想矢「『国宝』は青春のハイライト」
見上は銭湯に行った際、周囲が本作について話しているのが聞こえてきたそう。「社会現象になっているんだなと痛感しました」と言い、演じる藤駒の話題になると「最初に藤駒が出てきて、次に出てくるまで15年ぐらい空くんです。監督には『描かれていない時間を感じさせてほしい、見えない時間の流れを体現してほしい』と声を掛けていただいて。それが完全にわからないまま、演じている部分もあったんですが、完成された映画を観て、出演者の方々がそれぞれの人生を背負っていらっしゃるのを目の当たりにして、このレベルを求められていたんだなと、改めてわかりました。出演者の皆様への尊敬が止まらないです」とコメント。黒川は「舞台挨拶で、感謝の気持ちを伝えることができてすごく感動しています」「撮影中も撮影以外も仲間と過ごした日々は忘れられないものになりました。衝撃と緊張の毎日だったんですが、『国宝』は僕にとって、青春のハイライトになりました」と述べ、田中は「僕は自己流ですが、踊りってなんだろうか?と考えながらコツコツやってきました。そんな中で歌舞伎という伝統の世界に触れた。せっかくなのでこのまま続けちゃおうと。一方で自分がこれまでやってきた自由を求めた踊りも絶対にやめない。行ったり来たりできたらと、がんばってみます」と意気込む。
中村鴈治郎「今日は小躍りしたくなるような気持ち」
鴈治郎は「国宝」のイベントに今回初めて登壇した。「これまでも鳥屋口から、何度も舞台に歩いてきたんですが、今日は小躍りしたくなるような、感じたことのないような気持ちでした」と明かし、「(歌舞伎指導の)プレッシャーは間違いなくありました。でも、演じているみんなは誰も投げ出さない! 当然、こちらがサジを投げるわけにはいきませんでした。このように応援していただける映画に関われたことを誇りに感じています」と胸を張った。吉沢は「鴈治郎さんは動きどうこうの部分だけでなく、それより内面のことを説明してくださった。本番中は、ワンカット、ワンカット終わるたびに飛んできて、衣装を直してくださったんです。歌舞伎的な部分はもちろんメンタル的な面も支えていただきました」と感謝した。
イベント終盤には、サプライズで
最後に吉沢は「『国宝』のおかげで、素晴らしい景色を見せていただき、特別な1年になりました。IMAX、Dolby Cinemaで上映されるので、来年も愛していただけるとうれしいです」と挨拶し、イベントの幕を引いた。
「国宝」は全国で上映中。
映画「国宝」本予告
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