映画「
第78回カンヌ国際映画祭の監督週間に正式出品されることが明らかになった本作。その発表時、吉沢と横浜は京都で一緒に仕事をしていたそう。吉沢は「映画に携わらせていただいている人間として、カンヌは憧れの舞台です。そこにお邪魔できることもうれしいし、流星と一緒にいるときに発表させていただいて運命じみたものがありました」と振り返る。横浜も「京都で喜びを分かち合えました。魂を込めた作品なので心からうれしいです。監督おめでとうございます」と言うと、李は「君もね。総力戦ですから」と笑顔で返した。
喜久雄、そして作品への思いを聞かれた吉沢は「この作品では撮影期間も含め、1年半歌舞伎の稽古を重ねて役に向き合ってきました。1年半も1つの役に向き合う時間を持つのは、やろうと思ってもなかなかやれないこと。どの作品も全力でやっていますが、特に今回は掛けた時間とエネルギー量が桁違いでした。それだけのものを背負って現場に臨んだ、僕の役者人生の集大成です」としみじみ語る。本作を2回観たとも明かし「いろんな思いがあったので、なかなか1回観ただけではすべてを処理しきれなかったです。とにかく、すごいものを観たという余韻がありました。カメラワーク、お芝居、ライティング、総合芸術としての素晴らしさがこの作品にありました」と振り返った。
横浜は「俊介は自分とは正反対で、もっと言ってしまうと苦手なタイプの人間なんです。なので今回は彼を理解し愛すことから役作りを始めました。李監督は僕自身が律して(内に)眠らせているものを解放して、挑戦させてくれます。役者冥利に尽きますし、力不足を感じもしましたが、非常に幸せな時間を過ごしました」と述懐。そして「芸に人生を捧げたキャラクターたちの生きざまが美しく、感銘を受けました。彼らのような人生を送るためには、芸に励むのみだなと。役者の方々が観れば、いろんな思いを感じられると思います」と自身も鼓舞されたと話す。
喜久雄の幼なじみであり、恋人の春江役を務めた高畑は「映画を観て本当に食らってしまって。李監督の作品はいい意味で1日2日引きずるんです。すごく重厚な作品に参加させていただけたなと思いました。春江は喜久雄と俊介を、若いときから歳を取ったところまで長く見守る役柄。本当に2人(吉沢と横浜)がすごくがんばっていて、自然と客席や舞台裏でも『何か力になれないか』と思った記憶がよみがえりました」と試写の感想を伝える。
MCから「どんな気持ちでオファーを受けましたか?」と尋ねられたのは、半二郎の妻で俊介の母・大垣幸子役の寺島。「吉田さんの本を読んだときは、リアルに考えてもあまり成り立たないような、夢のあるような物語だと感じました。やはり(歌舞伎の世界は)世襲なので」と率直な思いを伝えつつ「李さんとは何度かご一緒できるかと思ったけれど叶わなかったということもありましたが、ここでお会いできた。今回私は役者というよりスタッフの一部のようになってしまって。たとえばセットを見て、ちょっと違うんじゃないか?と思ったら李さんにお話ししたり」とさまざまな面で作品に関わったと明かした。
喜久雄を恋い慕う歌舞伎役者の娘・彰子役の森が「ずっと吉沢さんを現場で見ていたんですが、何か青い炎みたいで近寄れなくて。すごく優しく接していただいたんですが、どこかずっと『今、喜久雄じゃない時間がこの人にはあるのかな?』と、彰子のような気持ちで心配にもなりました」と当時を語ると、吉沢は「喜久雄は彰子と一緒にいても、常に自分の世界の中にいるような接し方だったので、僕から森さんにあまり話しかけても違うのかなという空気感もありまして……」と説明した。また森は「演目シーンの前、カメラが回っていないときに吉沢さんがポロッと物を落とされたことがあったんですが、すごくきれいに女性らしく拾っていた瞬間を見たんです。この人はすごすぎると。こういう時間を彰子は目にしていくんだと思って、シーンを演じるときの手助けになりました」と称賛する。
喜久雄と京都の花街で出会う芸妓・藤駒役で起用された見上は、撮影2カ月前から日本舞踊、1カ月前から三味線を始めたという。「日本舞踊のお稽古では、すれ違いで横浜さんを見たことがあったんですが『これは間に合わないかも』と。皆さん、1、2カ月前には立ち姿からして違っていたのでドキドキしました」とエピソードを披露する。喜久雄に大きな影響を与える人間国宝・万菊役の田中は「人間が開発した言葉に踊りがくっついて、歌舞伎舞踊という見事な文化を生みました」「(歌舞伎にまつわる仕事が)まさか僕に来るとは思ってもみなかったです」と言って、歌舞伎への深い思い入れをとうとうと語る。そして「この映画に出していただいたことが、僕の新しいスタートラインだと思っています」と言って感謝を表した。
喜久雄を引き取り育てる歌舞伎役者・花井半二郎を演じたのは渡辺。「李監督から『エンタテインメイントという不思議な世界で生き続ける中で、たまってしまった澱(おり)、業(ごう)のようなものが花井半次郎の中に欲しい』とお聞きしました。それをよすがにして役に向き合えたんだと思います」「演目の稽古もしましたが、それよりも喜久雄や俊介をどう見つめて鍛えていくのかが僕にとっては重要でした」と役に乗せた思いを口にする。また「試写を観たあと、これは『吉沢の代表作だよね』と李監督に言いました。作品を背負う覚悟、執念を彼は持ち続けていた。それで森ちゃんも近寄れなかったんだと思うんですが(笑)、俳優仲間としてすごい物を作ったんだなと尊敬しました」と心からの賛辞を送った。
李は歌舞伎を題材に映画を作る難しさを述べながらも「吉田さんが(小説で)突破して、次は自分が背負う番だと。それで吉沢さんを引き入れ、僕1人では背負えないものを1人ひとりと分け合った」とコメント。ラッシュを観終わったあとに吉田が興奮して本作を褒めていたことも明かし「『想像を超えてきた』とも付け加えていただいて。吉田さんもどこかで、歌舞伎俳優ではない方々に、あのたたずまいを作れるのかと考えていたと思うんですが、その杞憂を飛ばして喜んでくださいました」と胸を張った。
イベントでは、
中村鴈治郎が歌舞伎指導を務めた「国宝」は6月6日より全国でロードショー。
映画「国宝」本予告
吉沢亮の映画作品
リンク
関連商品
いりこ @0m_ryu
お互いに首が寄っていて可愛いな。
#映画国宝
#吉沢亮
#横浜流星 https://t.co/TfUBlJdTud