映画「
北陸の港町が舞台の同作では、元ヤクザの“おじさん”こと三浦と、両親を事故で亡くし自身の視力も失った少年・幸太の十数年間の友情が描かれる。不遇の境遇で絶望の淵にいた少年・幸太は、三浦が“ある方法”によりお金を工面したおかげで目が見えるように。しかし視力が回復した矢先に三浦は幸太の前から姿を消す。舘が三浦、眞栄田と眞秀が青年期と少年期の幸太をそれぞれ演じた。
眞秀が「フィルムであり、大作さんに撮ってもらえたことが貴重なことだったとあとから知ったんですが、宝物のようでうれしいです」と言葉を紡ぐと、藤井は「フィルムの映画を作るのは初めてでした。これまでは何度も撮り直して練度を上げていくやり方でしたが、今回は本番一発勝負。その映画作りを楽しみました」と振り返る。
観客からの感想と、それにちなんだ質問が投げられた本イベント。「劇中で、舘さんに渡哲也さんの姿がかぶって見えた」という感想には、舘が笑みを浮かべながら「そういうふうに演じようとは思っていませんでした。ただ渡さんとは40数年一緒でしたし、いつも渡さんを見ていたのでどこか似てくるんでしょうね。顔は似ていませんが、雰囲気が近いところは(作中に)ありましたね。ちょっとした佇まい、顔の角度とか」としみじみ語る。
「目で物語ることが多い作品のように感じた」というコメントとともに、「目での演技は意識した?」という問いも。藤井は「お三方は素晴らしい目を持っていらっしゃる。舘さんは、幸太を見る目と極道にいたときの目を自然に演じ分けてくださった。キャスティングの時点で、目はすごく大事にしていました。眞秀は映画のお芝居は今回が初めてです。目の見えない少年を演じるために、一緒に学校に通ったり体験をしたりとたくさんの訓練をしました。それがフィルムに写っていたらいいなと思います」と答えた。舘は「同じように目が見えない方の役を、僕は眞秀ほどにはできないと思います。素晴らしかった」とうなずいた。
印象的だったキャラクターや演技についてのトークも。舘は「やっぱり眞栄田くんがよかった。これからのスターになる人だと感じましたし、僕の推し。目がいい。俳優はやっぱり目だと思います」とベタ褒めしつつ「斎藤工くんもよかった。眉毛を剃ってくれていましたが、俳優が自分の体を変えるというのは勇気がいることですから。あの芝居は素晴らしかった」と続ける。眞栄田は椎名桔平の名を挙げて「急に歌い出したり、怖くて不気味で、いい意味で気持ち悪い! 急に歌い出す演技は今度どこかで使いたいなと思っています」と話し、眞秀は「舘さんの声は温かくてホッとします」と答えて場を和ませた。
終盤は、舘について語る時間に。藤井は「本当に幸せな日々でしたし、舘さんとは明日のセリフを整理しようとホテルで話し合って。寄り添っていろいろ一緒に考えてくださって、映画の仕事を選んでよかったと思った瞬間でした」と回想し、眞栄田は「12年前と12年後の(舘演じる)おじさんの雰囲気の違いはすごく刺さりました。全体的な存在感も。あと、海辺の柵に寄りかかっているシーンは『足ながっ!』と思って2秒くらい話が頭に入ってこなかったです」と冗談を飛ばす。その一方舘は「僕のことはもういいよ」と終始照れていた。
「港のひかり」は11月14日より全国でロードショー。
映画「港のひかり」予告編
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