映画「
周囲の反響を問われると、舘は「皆さん『泣けた』とおっしゃるんです。変な言い方ですが、よかったなと思っています。何年かぶりに『観たよ』と連絡をくれた方もいました」と報告。眞栄田は「自分より上の世代の方から『日本映画っていいよな!』という声をいただいています」と、眞秀は「担任の先生が『よかった』って言ってくれて、うれしかったです」と喜び、会場を和ませた。木村は「まず『監督とうまくいったのか?』って聞かれますね」と笑い、「舘さんより歳上のとある俳優さんから電話がきて『舘さんってあんなによかった? すごいわね!』って絶賛していました」と明かす。これに舘は声を出して笑っていた。
また木村は「今日はお金を払って観に来てる人が集まっている。ただ責任はありますよ! もっと多くの人に観てほしい。数字がちょっとまだ(目標に)届いていません。『国宝』とまでは言いませんが、周囲に『観たほうがいいよ!』と言ってください。この映画の営業部長としてお頼みします!」と観客に呼びかける。さらに「僕は舘ひろしさんを、今まで以上に哀愁漂う男として撮ったと自負しております!」と言葉に力を込めた。
公開にあたり、さまざまなプロモーション活動が行われてきた本作。印象に残ったことを尋ねられると舘は「富山刑務所に慰問に行きまして。250人の受刑者の方がいたんですが、、冗談を言っても笑ってくれない。これがけっこうつらいんです(笑)。拍手も最初だけ。でもくすくす笑っている方もいました」と振り返る。眞栄田が「舘さんと朝の生放送に出演できたことが印象に残っています」と笑みをこぼすと、舘は「とにかく生放送は嫌いなんです。取り返しがつかない。なるべくいろいろ言わないようにしています」と苦笑した。
続いて木村の35mmフィルムによる撮影に話が及ぶと、舘は「雨のシーンや雪のシーンは圧巻です。これぞ木村ワールドだなと思いました。そういう状況を作ってくれると、お芝居しなくていいというか。そこにいるだけで成立してしまいます」とたたえる。続く眞秀が「(木村は)すごい元気でエネルギーがすごいんです。監督ともめてたというか……」と切り出すと、舘は「もめてないと思うよ(笑)」と優しくフォロー。しかし、木村はすかさずマイクを握り「眞秀くんが正直に言ってくれましたが(笑)。眞秀くんがそう思ったのは、石川県の輪島市でエキストラの方がいっぱいいるシーンのことなんです。こちらの想定通りうまくいかなかくて熱くなったら、藤井監督に抱えていかれて。でも保護施設の撮影の際は、今度は藤井監督が熱くなって、スタッフが笑ってました。そういうのを舘さんが中和してくれるんです」と振り返った。
イベント終盤には本作にちなみ、登壇者が「大切にしているもの」というテーマでトークを展開。眞栄田は「3年前に親父が亡くなったんですが、ある約束をしまして。それをいつも大事にしています。大作さん、舘さんとご一緒させてもらえたことを親父は喜んでいると思います」と口にする。木村は「映画界は自分の居場所だと思っています。今、86歳ですが、最後まで映画の現場に立ちたいです!」と声を上げる。眞秀は愛犬・ノアとの出会いを振り返りつつ、「一目惚れしました。今5歳なんですけど、おとなしくもあり、凶暴でもあります」と紹介し、観客の笑いを誘う。舘は「十何年前、渡哲也さんが『ひろし、これしとけよ』と時計をくれたんです。その時計はすごく大事なもの。それとともに、渡さんが残してくれた、生きざまや俳優としてのありようが今でも自分にとって大切なものです。今の僕があるのは、渡さんのおかげだと思っています」と述懐。そして最後に「俳優人生50年になりましたが、この映画は集大成になったと自負しています。ご家族、ご近所の方に広めていただければ」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。
「港のひかり」は全国で上映中。
映画「港のひかり」予告編
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「港のひかり」舘ひろしと眞栄田郷敦の大切なものは?木村大作「映画界は自分の居場所」(写真9枚)
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