映画「
祖父の死をきっかけに一緒に暮らすことになった孫と祖母の、人生のふとした喜びが描かれる同作。2人が祖父の遺品の手帳に不思議な数式を見つけることから物語は展開していく。豆原が夢に迷う孫の安藤拓磨、市毛が夢を見つけた祖母・文子を演じた。また文子の娘・綾に酒井、拓磨の恋人・大石紗季に八木、文子の夫・偉志に長塚が扮した。
豆原は「完成した映像は3カ月前くらいに観ましたが、撮影自体はだいぶ昔のように思えます。自分にとってすごく大切な作品なので、観るたびに温かい気持ちになりますし、早く皆さんのもとに届いてほしいという気持ちでいっぱいです」とうれしそうに話す。試写の感想を尋ねられた市毛は「小さな家族の小さな物語から始まりましたが、いろんな方から愛情を掛けてもらうとこんなに広い世界につながっていくんだと。最後に曲がかかったときは、すごいなと感じました。私が考えていた以上のところに連れて行ってもらえました」としみじみ語った。
台本と出来上がった映像で印象が変わったという酒井は「台本で字だけだったものが、映像になるとこんなに温かい愛にあふれるのかと。作品を作っている側の人間ながら感動したんです」と言い、八木も「ストーリーも全部知っているはずなのに、人の温かさや夢を抱くことに対する希望が描かれていることに、勇気付けられました」と試写を振り返る。
長塚は「50年ほど前に、映画で市毛さんと婚約者同士という役を演じました。50年はあっという間ですね。娘ができて、孫ができて」と本作の役とも引っ掛けてにっこり。「僕は、人生というものが長い1本の映画のような気がしています。そしてなんの違和感もなく虚構の世界に飛び込んで、とても心地よく生きさせていただきました。つくづく僕は映画が好きなんだなと思います」と話して、市毛と優しげな視線を交わす。また中西は「初号を観たときは、『なんとかたどり着けた』とすごくホッとしました。キャストの皆さんの存在感とお芝居が本当に素晴らしかった。出演してもらえてラッキーだったなと思います」と称賛する。
MCからは「出演の決め手は?」という質問も。豆原は「最初に『自分でいいのかな?』という感覚がありました。ただ市毛さんとダブル主演なんてなかなかない経験なので、『僕ができることがあるならやります』と。『はい』という返事しかあり得なかったです」と回答する。市毛は「今の世の中では、歳を取った人のことを迷惑に思ったり、歳を取った先にはあまり幸せな未来が待っていないようなイメージが植え付けられている気がしています。私たちに来る仕事では、ある種不幸の象徴のような役柄も多くて。でも歳を取ったらこうなっちゃうんだ、つらいなと若い人に思わせるのは嫌だったんです。今回の役はいろんな問題をもちろん抱えてはいるんですが、前向きに動きますし、いくつになっても学ぶことで明るい未来が見えてくると思わせてくれる。そこが素敵だなと思って、ぜひにと」と笑顔を浮かべる。
長塚は「『好きな人のために生きる、好きなもののために生きる』というのが私のモットーでして。この役は、亡くなったあとも好きな人のために生きている素敵な人物。大変喜んで受けさせていただきました」と続けた。また長塚が「本作の中で、この夫婦はちょうど金婚式をあげるくらいの年数で。僕たちが(以前の映画で)婚約者の役をやったのが50年前だから……」と言うと、市毛は「本当に符号しましたね」とうなずき、2人は運命的な偶然を喜ぶ。
終盤には「最近、私を幸せにしてくれるものは?」というお題でフリップトークも展開され、中西は「映画」、酒井は「フラメンコ」、市毛は「ふわふわしたもの」と答える。八木は「観葉植物です。地元が滋賀で、緑の多いところで育ったので、1人暮らしの今の家にもたくさん植物を飾っています。最近新しい芽がたくさん生えてきて、それがかわいくて毎日話しかけてるんです。そうしたらどんどん芽が生えてくる気がして。私にとってはすごく癒やしになっています」とキュートなエピソードを披露した。
豆原は「筋肉」を挙げ「八木さんと同じく、自分も筋肉に話しかけていて、その瞬間も幸せだなと。『今日行けんのか?』と声を掛けています(笑)」と冗談混じりに言って、会場に笑いを起こした。また長塚が「妻が作る毎晩のご飯です」と答えると観客からは、感嘆のため息が漏れる。続けて長塚は照れたように「今日は劇場に家内が来ていまして。(これからもよろしくという)脅迫のようなものです」と話した。
「富士山と、コーヒーと、しあわせの数式」は、10月24日より東京・新宿ピカデリーほか全国でロードショー。
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えり🦊💙 @j01renjam
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