「恵比寿映像祭2025」開幕、小森はるか・小田香らの新作ドキュメンタリーも

2025年1月30日 21:01 49 3 映画ナタリー編集部

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「恵比寿映像祭2025」が、明日1月31日から2月16日まで東京・東京都写真美術館ほかで開催される。それに先駆け、プレス内覧会が本日1月30日に行われた。

「恵比寿映像祭2025」ポスタービジュアルビジュアル

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「恵比寿映像祭」は展示、上映、ライブパフォーマンス、関連イベントなどによって複合的に構成される映像とアートの国際フェスティバル。今年は11の国と地域から39名のアーティストとゲストが集まった。

「恵比寿映像祭2025」内覧会の様子［拡大］

総合テーマである「Docs ―これはイメージです―」について、担当学芸員の田坂博子氏は「フェイクニュースという言葉が日常的になった今の時代において、ドキュメンタリーとはどういうものかを考える契機として選んだ」と説明。テーマを選ぶにあたり、「恵比寿映像祭2023」から始まった新たな事業「コミッション・プロジェクト」との関連もあったという。「コミッション・プロジェクト」は、映像分野における創造活動の活性化、優れた映像表現の継承、国際的な発信を目的とし、日本を拠点に活動する新進アーティストに映像作品を制作してもらうもの。今年のファイナリストである永田康祐、小森はるか、小田香、牧原依里の新作に共通する「ドキュメント / ドキュメンタリー」の要素がテーマの着想につながったと明かした。

小田香の新作「母との記録『働く手』」場面写真［拡大］

小森はるかの新作「春、阿賀の岸辺にて」場面写真［拡大］

自身の母にカメラを向け、短編「母との記録『働く手』」を撮った小田は「母親というのは、すごく近しい存在でもありますけど、もっとも身近な他人でもあります。現在の母の日常、それらを捉える小さな映画を作りました」と自作を紹介する。中編「春、阿賀の岸辺にて」を出品した小森は、2022年に新潟へ移住し撮影を継続してきた。「この作品の主人公の旗野秀人さんは、新潟県の阿賀野市で50年間、新潟水俣病の患者さんたちの支援を続けられてきた方です。50年という時間の中で、120人近い患者さんたちはほとんど亡くなられてしまいましたが『水俣病になっても生きていてよかった』と言ってもらえるよう、旗野さんは本当の支援とは何かを模索し続けてきた人です」と語った。

「恵比寿映像祭」では、1960年代前後から1970年代にかけて生み出された作品を紹介する「日本のポスト・ドキュメンタリー」と題した特集など、ほかにも多数の作品を上映。2月13日には「コミッション・プロジェクト」のファイナリスト4人によるシンポジウム「第2回コミッション・プロジェクト－Docsの現在」が入場無料で行われる。開催プログラム、スケジュール、チケットなどの情報は公式サイトで確認を。