第75回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門に出品された本作は、小田が日本の“地下世界”にカメラを向けた作品。映画作家・ダンサーの
本作を鑑賞した
またこのたび、3月1日に初日舞台挨拶、翌2日にベルリン映画祭の報告を兼ねたトークイベントがユーロスペースで行われることも発表となった。舞台挨拶には吉開と小田、トークイベントには2人のほか映画研究者の渋谷哲也が登壇する。
君島大空(ソングライター / ギタリスト)コメント
穏やかであり鮮烈な映像表現によって、表裏一体という言葉の持つ曖昧さや違和感が拭われていく。時間を光源にして太古の映像がその遺構に投影され、地下という記憶の影は私の生きるこの世界に落ちてゆく。その物言いたげなゆらめきに、見えないままに浮き上がってくる手がかりのような体温が手の中に残った。
太田達成(映画監督)コメント
確かに今だ、と眼を凝らす。
大きく揺れて振り子のように現れる記憶。
揺れに身を委ねる時間が心地よく、澄んでいたことを覚えている。
小森はるか(映像作家)コメント
あの光はなんだったのか、あの風景はどこだったのか。わからなくても、隔たりのある場所と現在とが繋がっていることを、忘れずにいたいという気持ちを、一緒に思い出させてくれます。
斉藤綾子(明治学院大学教授)コメント
共同体の埋もれた歴史の重みと記憶の襞を手繰るように、さまざまな質の異なる素材が不協和音を奏でる。今までの制作プロセスとは異なり協働作業を積み重ねた本作がよりラディカルなポリフォニーになったのは、作品の底にさまざまな声が書き込まれた結果なのかもしれない。そしてその背後に、ウクライナやガザの戦争を想う小田の抗議の声が聞こえてくる。
「Underground アンダーグラウンド」初日舞台挨拶
2025年3月1日(土)11:30~の回上映後 / 13:40~の回上映前 東京都 ユーロスペース
登壇者:吉開菜央 / 小田香
トークイベント「ベルリン国際映画祭で感じたこと」
2025年3月2日(日)13:20~の回上映後 東京都 ユーロスペース
登壇者:渋谷哲也 / 吉開菜央 / 小田香
おおとも ひさし @tekuriha
小田香「アンダーグラウンド」に君島大空・小森はるからがコメント、サントラ発売も決定 -
"映画作家・ダンサーの吉開菜央が、ある女の姿を借りた「シャドウ(影)」という存在を演じた。 https://t.co/UlAMM2WuHT