国を越えた映画作りの魅力、永瀬正敏がフィリピンのブリランテ・メンドーサと対談

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第34回東京国際映画祭のトークシリーズ「アジア交流ラウンジ」が本日11月5日に東京・東京ミッドタウン日比谷で行われ、映画監督のブリランテ・メンドーサと俳優の永瀬正敏が対談した。

「アジア交流ラウンジ」の様子。左から永瀬正敏、リモートで参加したブリランテ・メンドーサ。

「アジア交流ラウンジ」の様子。左から永瀬正敏、リモートで参加したブリランテ・メンドーサ。

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「第34回東京国際映画祭」ポスタービジュアル

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アジアを含む世界各国・地域を代表する映画人と、第一線で活躍する日本の映画人が語り合う同企画。「ローサは密告された」で知られるメンドーサは、2018年の第31回東京国際映画祭コンペティション部門で審査委員長を務めた経験もある。今年はコンペティション部門に「復讐」、ガラ・セレクションに「GENSAN PUNCH 義足のボクサー(仮題)」を出品。現在フィリピンのルソン島で新作を撮影中で、トークには休憩の合間にオンライン出席した。

永瀬正敏

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コロナ禍で数多くの映画を鑑賞する中で「ローサは密告された」を初めて観たという永瀬。芸術やエンタテインメントは不要不急なのかという議論もある中で「やっぱり不要じゃないと思えた作品の1つ」だそう。永瀬は「役者としては一番難しいリアリズム。俳優の皆さんが自然体でカメラの前に立っていて本当にびっくりした」と吐露。主人公ローサが最後に流す涙に言及し「あそこで(涙を流すカットを)パッと切られる瞬間。言葉を超えたところで感じるものがあった。映画ってそういうものなんだと思い出させてもらえた」と続けた。

ジム・ジャームッシュ監督作「ミステリー・トレイン」「パターソン」をはじめ海外作品にも多数出演している永瀬。1990年代には「アジアン・ビート」の企画でシンガポール、タイ、マレーシアなどアジア各国の監督たちともタッグを組んだ。「まだ若くて元気な頃ですね」と笑いながら「単身で行って各国の映画人と映画を作る。そのときの出会いが未だに続いてます。当時は映画産業ができたかどうかという段階の国もあって、彼らの“どうしても映画が作りたい”というパワーがすごかったのを覚えています」と振り返る。さらに「文化は違いますが、映画作りは同じ。国によって異なるのではなく、映画は同じなんだと気付かせてくれた経験」と実感を明かした。

リモートで参加したブリランテ・メンドーサ。

リモートで参加したブリランテ・メンドーサ。[拡大]

メンドーサは「囚われ人 パラワン島観光客21人誘拐事件」でフランスのイザベル・ユペール、「GENSAN PUNCH 義足のボクサー」で日本の尚玄を主演に迎えるなど、フィリピン国外との俳優と仕事する機会も多い。その魅力を「文化も背景も異なるので、新しいものの見方、仕事の仕方、コラボレーションの方法が見つかる」と説明したうえで、日本の撮影スタッフを「とても勤勉で細かいところに気がつく。学ぶことがとてもあります」と称賛する。一方で自国のクルーが撮影中に笑っていたことから「真面目に仕事してるのか?」と日本のスタッフから疑問に思われたエピソードを紹介。「笑っているから真面目じゃないということではないんです。私も楽しみながら、笑いながら、仲間とジョークを飛ばして映画を作っています。それは許されること。撮影をつまらないと思ってほしくない。そのプロセスも楽しんでほしいのです」と現場でのこだわりを語った。

左から永瀬正敏、リモートで参加したブリランテ・メンドーサ。

左から永瀬正敏、リモートで参加したブリランテ・メンドーサ。[拡大]

さらにメンドーサはアフターコロナのフィリピン映画界の現状を説明。映画館が開き、映画祭も開催される段階になってきたようで「再び映画を観られる環境は整ってきた。フィリピンでは地方の映画祭が本当に大きなイベント。映画界の大スターが地方に行くと、とても盛り上がる。こういうエネルギーをもう一度感じたいと思っています」と語る。また視聴者から寄せられた「どのようにしたら孤独や憂鬱を抱える人々にとっての意義深い映画ができるのか」という難題には「映画作家ではなく、私の人間としての感情を重視する」と切り出し「そして映画作家として観客に一番響く方法で感情や情熱を共有すること。それが意義のある映画作り。それぞれの境遇や状況、気分によって映画の受け止め方はもちろん違います。そこにちょっとでも変化があれば、映画作家としてやりがいがある」と答えた。

「アジア交流ラウンジ」の様子。

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永瀬がコロナで影響を受けた自身の仕事を「ここ数年、海外との合作の企画が4つぐらい止まったまま」と明かしつつ、「フィリピン映画はぜひ経験したい」とアピールする場面も。メンドーサが「日本の俳優と動いているプロジェクトがもう1つあります。こういったコラボレーションは今後も続けていきたい」と明かすと、永瀬は「いろんな国の方々にぜひ日本で撮ってもらえたい。僕らもとても刺激になるんです」と話した。イベントには同企画の検討会議メンバーで映画祭のシニアプログラマーを務める石坂健治もモデレーターとして登壇した。

第34回東京国際映画祭は11月8日まで開催される。「アジア交流ラウンジ」は全世界に向けて無料配信され、終了後、アーカイブ配信も実施。明日11月6日にはアピチャッポン・ウィーラセタクンと西島秀俊、11月7日にはポン・ジュノと細田守が対談を行う。詳細は映画祭の公式サイトで確認を。

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ノッピー星野 @noppy5034

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